世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

恐怖のメロディ

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1971年 アメリ
主演 クリント・イーストウッドジェシカ・ウォルター、ドナ・ミルズ
 
 
(あらすじ)
ラジオのDJ、クリスは仕事のあとに立ち寄るバーでイブリンという女性と出会う。たちまち彼女の魅力に引き込まれた彼は、お互い承知の元で一夜限りの関係を持った。ところがイブリンはそれ以来執拗に彼につきまとい、どんどん破滅に追い込んでいく戦慄のサスペンススリラー。
 
 
この映画のオープニング(舞台はLA?)は、断崖の絶壁をかなり引いて撮影しているカットから始まります。
この時点でなんか嫌な感じを予感させる雰囲気がするんです。
日本の火曜サスペンスとかはこういうののパクリなんじゃないかと思っちゃいます。断崖絶壁は不吉な印象。
 
 
映画では生放送中に、DJのところに直接電話でリクエストがくる仕組みになってるんですが(羨ましいシステム)、毎晩悲しげな女の声で「”ミスティ”をかけてください」って電話が来るんです。その女がバーであったイブリンで、後に彼女はとんでもないストーカーと化し、徹底的に苦しみ落とし込めます。いわゆるストーカーのさきがけと言っても過言ではありません。『危険な情事』も究極のサスペンスでしたが、この映画が元になったといわれているそうです。
 
また、役者もなかなか知性を感じさせるステキな女性たちでした。
当時はこういうサスペンスに登場する女性はそういうタイプが多かったですね。
映画の中の暴力も容赦なく(笑)、怖かったというか、危なかったです。子供の頃に観ていたらさぞかし私は怯えたことと思います。
 
 
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そしてこの映画はクリント・イーストウッドの記念すべき初監督作品なんです。
それまでマカロニ・ウエスタンなイメージの強い彼の最初の監督作品がこういうサスペンスとは、恐れ入りました!って感じでした。うまくいえないけど、彼の「こうやりたいんだ」っていうエッセンスがちゃんと観てる側にも伝わってくるような、緻密に作られた作品だったように思えます。しかもそういうのはとても「控えめに」伝わってきます。そういうところがイーストウッドの好きなところ。手抜き感はやっぱりありません。
 
 
多分サスペンス映画って当時多かったから、彼自身もそういう風潮に乗った(あるいは自然とそうなった)のかもしれませんが、いずれにしても個人的にはこういうの大好きなジャンルなので全く古さを感じずに楽しんで観ることができました。私が小さい頃にNHKでみた「サイコ」「白い恐怖」「ローズマリーの赤ちゃん」「エレファント・マン」「死刑台のエレベーター」「太陽がいっぱい」「悲しみよこんにちは」、とほぼ同じ時代だと思うので、やっぱりそういう流行りみたいなのがきっとあったんだと思います。どれもこれも、とっても魅力的な映画でしたね。思い出しても、映画の醍醐味が凝縮されていたように感じます。そう考えると現代の映画ってうすっぺらい。映画も音楽も80年代までって感じがする。
 
あと、当時のイーストウッドってとてもステキでした。
私は西部劇のあと、かなりジャンプしてマディソン郡の橋にいっちゃったのでその間の彼をあまり知らないんですが、こうやって古い映画で改めてみるとかっこよかったです。声も今より若いし(当たり前だけど)。
 
 
 
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原題は「Play "Misty" for me」
 
 
 
 
ここ数年前に気付いたことなんだけど、彼の映画の音楽監修は大体ご自身でやってることも多い。
エンディングはいつもイーストウッドの好みが如実に表れるような感じがしてすごい好きなんだけど、これもそう。
音楽がいいってのは映画の重要な要素の一つです。
 
 
 
 
そうそう、映画といえば「セックス アンド ザシティ2」がいよいよ6月に公開になります。
先週ジェットストリームで言ってましたが、今回はなんとエイダンが登場するらしい・・・。
考えるだけで気がおかしくなりそうです。
最後は個人ネタですみませんでした。
 
では。