世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

オラ!スペイン最終章~沈黙という名の電車~

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スペインは3ヶ月に渡る、ヨーロッパ旅行において2カ国目の国でした(スタートはフランス)。
まだパワーが温存されていた頃です。
(このブログでは順番どおりにご紹介していません。オーナーのわたくしの気分次第なのです!)

旅の移動はユーレイルパスのようなものを使っていたので、100%電車移動でした。
トーマス・クックは荷物になるので持っていませんでした。
駅に行ってパタパタパタとかわる掲示板をみれば殆どの乗り換えまで分かるもんだったりします。
このあたりは結構ルーズ。ただし、次の町に着くのはホテル探しを考慮するため朝早く着くように計算しないといけません(「バックパッカーは予約などしない」 ←今思うと自虐的な掟!)。


そして一緒に旅行をする旅友と私の間にも自然と暗黙のルールが出来上がってきます。
電車の進行方向に座るのは、乗換えごとに交替交替だったこと。
お互いの意見を尊重しあう事。
多少の事は目をつむる事。

さらに「好奇心と行動力」という点で旅友とはイコールだったのがおそらく3ヶ月も旅ができたコツかと思われます。あとは「一人でも行動できること」というのもかなり大きいポイントです。

そして長く旅をしていると旅友との会話も必然的に少なくなってきます。
それは気まずい沈黙ではなく、心地の良い沈黙です。
車窓から流れる景色をみつめながら、多分それぞれ他愛もないことや時に真面目な事を考えたりしてます。


「今日のお昼ご飯何食べる?」


この問いかけは殆ど暗号のように繰り返されました。
本当に何を食べたいかなんて本気でお互い聞いてないんですよね。
この言葉の存在価値は「考え事タイムが一段落した合図」に過ぎなかったのです。
この合図が出るまでは、お互いそっとしておくのです。



それとやはり「笑い」です!
ヨーロッパなんか旅してると、考えられないようなハプニングが起こりまくりです。怒ったり腹を立てても何かが変わるわけではありませんので「じゃあどうしようか」という方向に持っていかないと、ヨーロッパが嫌いになると思います。
そんな中で「笑い」は重要要素を持っていると思われます。
私と旅友はここの部分でも大きく一致してました。
よく食べ、よく寝てよく笑う。三大原則!
そうすればいろんなこともある程度は、うまくいくのではないかと思われます。

旅友と私は3ヶ月も寝食を共にし、いろんな場所を歩いて感動し、いろんなハプニングを乗り越えて、たくさん笑いました。ケンカはモロッコを出る時に一度だけ。でも10分後にはすぐ和解したのでケンカに毛がはえたようなものです。私もおっちょこちょいなので、海辺に敷くゴザを忘れてきて旅友に怒られたりもしました(ププ)。

旅友はおそらく、最高の旅のパートナーです。こんなに誉めているけど、彼女はPCを持っていないので(彼女らしい)このブログを読んではいないんです、残念ながら(笑)。


スペインについては、グラナダを去った後、フェンフィローナ、スペインの国境アルヘシラスまで向かいました。ローカル線に乗って海を眺め、岩肌を眺め、死ぬほど妥協してマックに入ったら妙にポテトが美味しく感じたり、旅友の夜用メガネの修理のためにメガネ屋さんを探したり、水着の跡が日に日にクッキリしていったり、高木ブー(本物じゃないよ)に遭遇したり。


何か大きな、特別な事があったわけじゃありません。

でもそんな日々の他愛もない出来事が色濃く思い出されるものです。



だから、今のその瞬間も今日これからの出来事も、いずれは将来の記憶なのかもしれません。


アディオス、スペイン。