世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

肴な小話

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(ある人が言った。)


昔、ニワトリを飼っていたんだ。
うちは目黒にあるんだけど、当時東京のど真ん中でニワトリ飼ってる家なんて近所には他にいなかった。
ほら、ペットっていう動物って犬とか猫とかが一般的でしょ?
すごく変わっていたんだと思う。

トリって三歩歩くと忘れるってよく言うでしょ。
「チキンな奴」って言葉もあるくらいだしね。
ネガティブな感じがするんだよ。

でもこのニワトリと自分は、心が通じ合ってたんだ。
授業が終わると、学校まで迎えに来てくれたりもしたし、
いつも自分がいくところについてきたんだ。


自分とニワトリは何も言わなくても、いつも一緒にいたしそばにいてくれた。


自分とニワトリは言葉ではない、心でつながっていたんだと思う。





(食べ終えたサラダの残骸の中の小さく刻まれたオリーブをジーッと見ながら、
何となく不思議でいい話だと思った。)