世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

ダブルデッカーの思い出

ロンドンといえば?

ビックベンっていう発想はもう古いかも?
(少なくとも自分はもう思い出すことはほぼない)


じゃ、黒いタクシー。
運転手さんって街中の通りを叩き込んでるプロなんですよね。
行けない場所はない、みたいな。
こないだテレビで黒いタクシーの運転手さんに「ナビ使ってますか?」という質問したら、「アホーそんなもん使うわけないだろが!」と凄まれていましたが、今でも本当にあの伝統は受け継がれているのでしょうか。



そして、ダブルデッカー
赤い二階建てバスのことです。

当時二階に乗るの好きだった。
二階の一番前を陣取ると子供みたいに胸が躍って幸せ感じました。
道路の脇の木々がバスの窓にぶつかってバサバサいう音が好きだった。家と家がぴったりくっついて建ち並ぶレンガ造りの三階建ての街並みを眺めたり、ビートルズのアービーロードみたいな横断歩道のそばにある家具屋さんのウインドウに「Futon」とシールが貼ってあるのをみて、布団はFutonなんだなとか思ったのが今でも忘れられない。あの家具屋さんを二階の窓から見ると「家まであと15分」という目安にしていました。



値段はどこいっても均一で、確か2.5ポンドとかじゃなかったっけ。
記憶が曖昧で覚えてませんが、どこまで乗っても近くで降りても一回約500円。

切符じゃなくて、現金です。
現金回収箱を首からぶら下げたおじさんが一階と二階を適宜歩いて回ってくるのでその人にお金を払うのです。お釣りもくれます。定期の場合は定期を見せればいい。
そのおじさんがいると悪い人が乗ってきても悪さもしないし、なんていうか見張り番みたいになってたからすごく安心できました。大体はアフリカ系が混じった体格のいい白髪交じりのおじさんだったイメージです。


考えてみればこのシステムってヨーロッパどこ行ってもロンドンだけ。他の国はキセルしまくりだった。社会としてどうやって機能してるんだろうか、と今なら思いますが当時はそれが普通だったのであんまりなんとも思わなかった(←ひどい慣習を身につけたものです)。だからロンドンに来てきちんとお金を払うという当たり前の行為が最初は不自然に感じたりもしました。




ダブルデッカー大好きで、ロンドンに仕事に行く先輩にお願いして数年前にミニチュア買ってきてもらって今でも大切にしています。


イメージ 1


これは旧式のタイプです。
現金回収のおじさんがいるタイプ。
もう一つの大きな特徴は、後ろ側に昇降するところがあって扉がないことです。
そして細長いバーに現金回収のおじさんがつかまって、人々の昇降が終わると運転手に出発進行の声をかけるシステム。

なにせ扉がありませんから雨が降った日とか冬はすごく寒いのです。
でもそんなの当たり前。
この扉のないダブルデッカーこそが伝統なのです!
そして何と言っても一番の利点があります。



それは、好きな場所で昇降できることです!!!!
バス停まで降りなくてもいいし、バス停から乗らなくてもいい。
目的地に近づいたら席を立って、目的地の目の前で降りれるのです!!
すごく便利~~~。


ただしバス走行中はもちろんダメですが、赤信号とか渋滞とかで止まる時とか、ちょっとノロノロ走ってる時とかにスッと降りるのです。たまにスーツをきたビジネスマンが颯爽と乗ってきて軽快に降りていったりします。かっこよかったな。


乗る時も同様。一応バス停はありますが律儀にバス停で待つ必要もなし。歩道を歩いていて目指す行き先のナンバーのバスがやってきたら止まった瞬間にスッと乗れば、そのうち現金回収箱を持ったおじさんが巡回にきてくれます。

なんて合理的なんでしょうね。





もちろん、気をつけないとならない時もあります。
ヴィクトリアステーションからバスに乗った時、私のあとに続いて友達も飛び乗った瞬間にバスが動いて、あぶなく後方に振り落とされて車に轢かれそうになりました。私と現金回収のおじさんが二人で友達の腕を引っ張って危機一髪だったことも。



でも、当時はすでに新型も登場していて、いわゆる前乗りドアのワンマン運転のタイプも半分くらい占めていました。
だからこの旧式が今も残っているのかどうかは不明です。


なくなってたら、ちょっと寂しいです。