日本を発って四日目。
ロンドン。
昨日の晴天とは打って変わって今日は「いかにもロンドン」なお天気っぽい。
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日中も気温はあまり上がらない。
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こういうの便利ですね。
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朝ごはんに、と思って実は昨日買ってあったチーズケーキ。
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おおおおおおーーーeeeeehhhhhhhhhhh
実はこれ、例のソルトビーフと同じ店で買いました。
(美味しいとの評判だったので)
チーズ部分は普通でしたが、下のクッキー生地(一番ポイント高いところ)が、なぜか味噌みたいな味がしたので食べるのをやめました。
出かける前のチェックで現金いくら残ってるのかな~♪と思ってみていたらふと気付いた5ポンド紙幣。なんかわからないけど特殊な材質で出来ている。この透け技術もよくみるとすごいです。香港のお札もこんな感じだったなあそういえば。
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エリザベス女王陛下は今もご健在ですが、よもやまもなく、、、と思い、これは記念に持ち帰ることにしました。
(うっかり使ってなければ多分まだあります)
さて、チェックアウトしてでかけます。
改めまして、昼間のセントパンクラスステーションです。
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とっても美しい建物でした。
バスの赤が映えました。
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地下鉄Northern Lineに乗ります。
比較的きれいなところが特徴ですが、ロンドンのcubeは天井が低くて狭いです。
ラッシュタイムだったけどロンドン市内とは逆方向なので空いてます。
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降ります。
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毎日この階段を降りて、、、
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ここを歩いて、、、
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帰ってきた、、、
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ロンドンの我が家がある街、、、
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Golders Greenです。
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まったく何一つ変わっていない。
当時住んでいた家はここから歩いて5分程度。
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そうです。また「昔いた場所めぐり」です。
私も好きねぇ~。
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霧が濃くてあんまりよく視界が見えません。
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この天気こそがロンドンです。
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Golders Greenの特徴は、この駅前にそびえるレンガの建物です。
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昔は何とも思わなかったけど、今みるときれいです。
この街並みはしばらく続きます。
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さもない商店街やレストランやファーストフードがちょっとあります。
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果物屋やドラックストアに電化製品店もあります。
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このエリアはユダヤ人が多いです。
前に南京錠買ってユダヤ人にボッたくられたのがこのお店です。
(お店はすっかり様変わりしていましたが)
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あと、ロンドンついたときに荷物がまっぷたつに切り裂かれて出てきた際の犠牲者となったセーターを直してもらったのもこの商店街のお直し屋さん。「直してもいいけど縫い目がすごい目立つよ。いいの?」と聞かれ、いいと言ってまで直してもらって着たセーター。イタリアで買った、ステファネルのグレーのニット。なまなましい傷跡も気にせずその後何年も着ました。
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古着屋さん。
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わ~ここ懐かしい。
ユダヤ人が経営してるお菓子屋さん(一度も入ったことはありませんが)。
ゴマやナッツなどの中東なお菓子が多い。
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こんな寒いのに短パン。。。
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行きつけだったランドリーはまだ健在でした。
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あの高架下を過ぎるとこの商店街は唐突に終わって、住宅街になります。
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見えてきました。
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間違いない。このゴミ箱は当時私が住んでいた家の番地です。
(これが通りに出ているということは今日はゴミの日です)
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懐かしのおうち。
左の白い方。
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住んでいたお部屋はこの小さな窓のある屋根裏部屋。
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懐かしいです。
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もう当時住んでいたインド人家族はいないと思います。なんとなくだけど。
そもそも人が住んでいる気配をあまり感じなかったのですが、玄関の窓の奥に灯りが見えたのでやはり誰かは住んでいるみたい。
家の向かいの風景。
どうしてこんなところに?というホテルが一軒建っている。
屋根裏の窓から毎日なんともなく眺めていた風景。
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あんまり写真撮ってると怪しまれるのでもう帰ります。
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過去記事「ロンドンの家」
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行きつけだったスーパー。
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だいぶボロくなってた。
イギリスのお惣菜は種類豊富。美味しいか美味しくないかは別として。
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(イギリスのお惣菜は一度も食べたことないです)
出た!このミンチ肉!焼くとお鍋いっぱいがアブラで埋まるすごいやつ。
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こういう便利で効率的なものがいかにもイギリスらしい。
(あらかじめスライスして密封して保存効かせてバラ売りしているところが)
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新鮮なお肉はヨーロッパの場合、やはり市場で買うかお肉屋に限ります。
日本はどこでも新鮮ですが、ヨーロッパのスーパーの生鮮はちょっと質が落ちる。
Golders Greenは日本人も多くすむ街で有名だとよく聞きますが、一体なんでここが好かれるのかはよくわかりません。治安がいいから?まあ、確かにね。
さようなら、Golders Green。
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ロンドンの生活は、まるでこの駅から家までわずか5分の道のりと同じように、なんの変わり映えもなく、ただ毎日決まった道すがらをなぞるだけの日々だった。
だからこうやって振り返っても、結局5分で終わってしまった。
でもそれなりに寂しい。
不思議だ。
バスに乗る。
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いつも通り二階に行く。
途中から乗ってきたイギリス人の男性は後部座席でずっと電話をしていて、なんだか仕事で不当な扱いを受けたらしく、カンカンに怒っていた。
そんな英語をぼんやりと聞き窓の風景をずっと眺めながら、「あのときどうしてもっと積極的に散歩したりしなかったんだろう。自分にしては珍しく一度も引越しもせずに同じ場所に定着したくせに、この街のことを私はほとんど知らないじゃないか」と思った。
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思ったんだけど、こうやって天気も悪いし暗いしどうせ歩いても何もないしとかいろいろ言い訳を探しながら所詮興味がなかったのだろう。
若い時特有の、「やる気ない症候群」みたいに。
時を経ていろんな場所を歩いて見聞して学んだことだけど、小さな発見は日常的に転がっているから、そんなふうに自分が住む土地を知ることはとても大切なことだと今は思う。なぜかというと、そんな平凡な日常にある発見を積み重ねていくたびに自分が住む場所に愛着を感じていくからだ。順応っていうのはそういうことなんだと思う。
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自分は不便なことや理にかなわない出来事には慣れている方だし、一応主張もちゃんとできる。いちいち文句は言わないし誰かにベッタリ依存することもせず、一人で勝手にふらっとどこかに出かけて気まぐれに帰ってくるようなちょっと好奇心旺盛すぎるところはあるけど危険センサーもついてるし、あんまり人に迷惑もかけてない(と思う、多分)。
それでもロンドンはダメだったんだからよっぽど相性合わなかったんだなって改めて感じた。
あの頃はいろいろ歩き回ることはあまりしなかったから時間はありあまるほど余っていて、こうやってわざわざ遠回りのバスに乗って1日の時間つぶしをしながらひたすら窓の外の景色を眺めた。こんなの毎日繰り返したらそりゃ誰しもが退屈になるだろう。まるで高校生の頃みたいに。それを大人になってから繰り返すのは結構タフなことだけど、それも振り返ってみてわかることだから。
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一体何を考えていたんだろうか、あの当時は。
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今こうやって当時と同じ景色をみると、まったく違うものが見えてくる。
ハムステッドからスイスコテージに行く道中にあるマンションの息を呑むような美しさや、実は道路のアップダウンが激しいことや、曇空のロンドンの空が抜けるきれいに整備されたラクロス場があったこととか。
自分が生きてきた過程なんて大げさな言い方をすると、その間に流れている時間の経過というのは起こった事実は覚えていてもその時に何を考えどう思っていたかなんてほとんどの場合実際よく覚えていないことの方が多い。
だけれど、こんなふうにだいぶ長い時を経てから過去に戻ってみると、「現在」-----「過去」の間の「-----」という過程の時空に存在している小さなギャップがあちこちに落っこちているのを発見し、あの頃と今が少しずつ穴埋めされていくような、とても不思議な感覚を何度も覚えた。そして、当時には計り知れなかったような様々な不安や漠然とした将来を、無意識ながらもそれなりに乗り越えて今日また戻ってきたことがなんとなく嬉しかった。
FUTONのお店、まだある。泣けちゃうな。
(過去記事「ダブルデッカーの思い出」)
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スイスコテージ。
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これが見えて来るとバスはもうすぐロンドン中心部に入っていきます。