世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

食事事情


ロンドンの続き。






ロンドンはとんでもなく物価が高いのはご存知と思いますが、苦学生はけして贅沢なんかしません。それでも物価が高いということはどういうことかというと、まず家賃と交通費が圧迫されるということになります。ただボケ~っと暮らすことも許されないのです。学生用の定期券を買って節約するっていっても、ロンドンの地下鉄は一週間で5千円くらい、プラス家賃(週払いが一般的)なので、バイトもせずぐうたらして生活できるのは定期的に仕送りがもらえる裕福な人々だけなのです。ファーストフードだってセットは千円くらいしちゃいますから、マクドナルドは庶民の味方にすらなりません。だから、ロンドンは食事がまずいとかなんとか言う前に、その本物のロンドンの味を堪能することすら貧乏学生の私にはできませんでした。頑張っても、フィッシュアンドチップスかバーガーくらい。それだって別に「また食べたいな」と思うようなものでもない。



従って、食事事情は深刻です。
ひたすら自炊するしかありません。


ローマからロンドンに行ってSainsbury'sというチェーン店のスーパーに行った時に、感動して涙がだだ漏れになりそうだったのが、ベジタリアン向けの表示がきちんとされていたことでした。そんなの当たり前だと思うでしょう?あの頃のイタリアにはそんな親切心は皆無でしたよ、皆無。だからロンドンに住み始めるといろんなところに「都会」の空気を感じるのでした。私が完全に文化の遅れたところに住んでいたということを身にしみたというか。


しかし、ロンドンはあの頃狂牛病が蔓延した直後で、牛は食べるな!的な雰囲気が漂っていました。でも不思議なことにロンドンは豚肉よりも牛肉の方がはるかに安いのです。貧乏、背に腹は変えられない。いいよ別に狂牛病になっても。死ぬときゃ死んでやると腹をくくって牛肉ばっかり食べてました。だいたいミンチを買ってましたが、あれをフライパンで焼くと恐ろしいことに尋常じゃないほどの脂が湧き出てきて、お肉をすっぽり覆い尽くしてしまうほどでした。外国のお肉って時々そんな感じですよね(ブラジルのお肉もそうだった、イタリアのお肉はそういうことはありません)。だからサラダオイルを敷く必要はなく、フライパンを熱したらそのままボンッとミンチを放り込めば、すぐに脂でいっぱいになるので、キッチンペーパーで吸い込ませたりしてました。


まあとにかく自炊に徹底するしかなかったのです。
でも一人で食べる分だし、適当です。だいたいがパスタばっかり。たまに和食作ってみるんだけど、外国のお米を炊いて親子丼とかそんな程度。あとは家主のママさんがすごいいい人だったから、家族用に作ったカレーを分けてくれたりした。そこでカレーにもマサラカレーとかキーマとか種類があることを知りました。ただしこれは夕飯の話。



ランチは大体学校のそばのスーパーに売ってる50Pのドーナツを一個食べて、マックの99Pのソフトクリームを食べて炭酸水でお腹を膨らませるか、プリングルスのオイル50%カットのを食べる。そんな生活をしていたら、わずか数ヶ月でなんと4Kgも太ってしまいました。


でもたまには外食したい。ごはんをたらふく食べたい!
というときがあります。
そんな時の強い味方がチャイナタウンにありました。


ウォンケイという中華料理店です。
安い、早い、ボリュームがあってお茶が飲み放題、しかもチップ不要!
しょっちゅう行ってました。
いつも混んでるので丸テーブルに相席。
店員の態度が悪いことで有名なお店でしたが、個人的には全く気にならない。
そもそも態度が悪いくらい仕方ないですよね、だってチップ不要なんですから。
ウォンケイに行けば、5ポンドでチャーハンがたらふく食べれるのです。
マックより安いのです。
ウォンケイに行く=一週間で最大の楽しみ、みたいな感じでした。ハハハ。




今でも存続しているのかなあ~。


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写真は他のサイトから拝借しました



昔はこの表玄関のところに北京ダックみたいなのがぶらさがっていました。
あれがウォンケイのトレードマークみたいな感じだったけど、写真にはないですね。




あ~思い出した。この近くにシーズン落ちみたいな映画を安く上映している映画館があって、そこに行くことも憧れでした。一回か二回行ったような気がしますが何をみたか全く覚えていない。ソーホーとレスタースクエアの間くらいにありました。



ロンドンって味音痴、みたいなイメージありますが、レストランのインテリアとかはとってもステキですごくかっこよかった。今までみたこともない斬新な色使いや家具や開放的な空間とか、まずくてもいいから入ってみたいと思わせるようなお店ばかりで、いつも羨ましいなあと思いながら通り過ぎていました。それまでローマでは働いてお金ももらっていたからある程度自由がきいたけど、ロンドンはバイト代は全部家賃に消えたので、なんとなく不自由な生活でした。学校も物足りないし暇だし、時間はたっぷりあるのに自由がきかない。私にとっていちばん辛いパターンに陥っていき、なんだかどんよりしてくるのでした。



そのうち続く