世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

<セルビア> ベオグラード市内観光

土曜日の朝に成田を出る。

成田までのバスでも、飛行機に乗ってからも、とにかく寝まくる。



シェレメチボ空港(モスクワ)。


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ターミナル移動の途中にあるおみやげ屋。

私は米粒ほどの限界まで挑戦したマトリョーシカがお気に入りなのですが、そんなの展示できないんでしょうね。すぐどっかにいっちゃいそうで。

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乗り継ぎまで約4時間。
中国語が飛び交っててすごかった。
ベンチでほぼ寝る。


遅延もなくベオグラード到着。
夜の22時でも空港付近は怪しい雰囲気はなく、むしろ昼間のごとく人がごった返している。

すぐに友達のアパートに行き、軽食をいただきながら夜中2時過ぎまでおしゃべり。
(ここまではセルビア通信のとおり)


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そうそう、出発前にややテンション低めだったことがありまして、それは私が渡航予定をしていたにも関わらず、友達が後半に別のバカンスをいれてしまって一緒にいれなくなったということ。玉突き事故的なそのバカンスの日程を調整しようとしたけど相手の事情もあってできなかったので、後半は私を一人にさせてしまうことになるって。正直とても残念だったけど、怒っても仕方ないじゃない?(怒りの沸点までの幅は結構広いと思います)まあでも彼女らしいっちゃ彼女らしいし、一人で過ごすのは苦でもないので逆にゆっくり過ごそうと思って最後は開き直りました。
お兄ちゃんの方は私がクロアチアに行くのと同じ日程でプラハに帰るというのを半年前から聞いていたのでそこは予定どおりでした。
ま、後半戦の話はまた時系列で。






翌朝は市内観光。
友人アパートは市内中心部にあるのでどこへでも徒歩で行ける。
まずはベオグラードに来たらまず真っ先に行くべき場所から。

1)カルマグダン公園
ここはもともと要塞があったところで、城壁にずっと囲まれた高台にある政治の中心地でした。


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ベオグラードの地形は、ドナウ川とサヴァ川という大きな二つの川が合流するところにあり、はるかビザンチン時代からスラヴ、ブルガリアオーストリアセルビア民族に支配されてきた歴史があるようです。

もともとベオグラードを首都としたのは現在のハンガリーだったようで、そのあとトルコに領土化されたものの1807年にトルコから独立し、1900年に入って今度はオーストリアハンガリーに領土化されたもののドイツから助けてもらって3年後にユーゴスラビアの首都として1918年に独立も第二次世界大戦でボコボコに爆撃を受けました。そして1990年にミロゾヴィッチ政権が確立したもののコソボ紛争で大量虐殺を繰り返した結果、1999年にアメリカの介入とNATO軍の三ヶ月に渡る爆撃で軍事施設のみならず一般施設も標的に遭い、多くのセルビア人が犠牲となりました。その後ミロゾヴィッチは捕らえられて銃殺され(今でもその映像を覚えています)、ユーゴスラビアはそれぞれに独立し、ベオグラードセルビア共和国として現在に至っています。



手前がサヴァ川、向こうがドナウ川

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そしてベオグラードのシンボルマーク「勝利の像」。
公園の一番見晴らしの良いところに立っています。

お兄ちゃんいわく、もともとは市の中心部に設置されたものの、オールヌードがハレンチ極まりないというスキャンダルを巻き起こしあえなくここに移されたそうです。
今は目ではじっくり詳細を見れないほど高いところに置かれているので、これでもうみんな安心です。


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ベオグラードのシンボルといっても、日本のご当地キャラみたいな役割はしていません。マグネットにもキーホルダーにもなっていません。ただ広場の奥でひっそりと鳩を片手にはるか西の彼方を眺めているだけです。




ベオグラードは過去におよそ40回の爆撃を受けてきた街だと言ってました。だからいろんなものが破壊されては立て直しを繰り返してきましたが、こないだのNATOはやっぱり精神的なダメージ大きかったっぽいです。ドイツが統合したのが1980年代で、その頃はアメリカも日本もヨーロッパも高度経済成長期でまもなくソビエト連邦が解散してロシア連邦になって社会主義の改革期だった時期ですから、なんとなく世界的にも大きな変革期にザワついていた時期だったんじゃないですかね。一方でユーゴスラビアは当時まだその波に追いつていけず民族間の紛争で不安定な生活が続き、欧州諸国への憧れと希望を持って多くの人々が移民や不法滞在として流れていた頃です。2000年という節目を目前とした時代に、爆撃受けて国が滅びるという経験がいかにダメージを与えたかを想像するのはたやすいと思います。


どう思ってるのか聞いてみたい気もしましたが、大した知識もないくせに政治的な話を持ち出すのはちょっとリスクを伴うと思ってあえてそういう話には触れませんでしたが、爆撃を受けたということだけはしきりに何度も口にしていました。





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今はサヴァ川をはさんで新市街があり、あっちは空港とか大使館とか公園とかショッピングセンターなどがあります。

川の岸辺に停泊している船はなんだと思いますか。

全部レストランです!
船上レストラン。船上バー。船上ナイトクラブ。


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これ、なんて言ってたかな~。忘れたーーー。
あ、そうだ。
セルビア語で「これで自由になった」みたいな文言が書いてあるって言ってた。

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友達のお母さんは毎朝この公園まで歩いて散歩に来るんですって。
お兄ちゃんも里帰りした時はそうするって言ってました。
妹は。。。多分行かないな(朝はギリギリまで寝てるって言ってたから)。


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ミリタリーミュージアムというのもあります。(入りませんでした)


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ローマ時代に建てられたという古い教会もありました。
もちろんセルビア教会です。


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ちょうど洗礼式をやっていました。写真撮っていいのかわかんなかったんですが、友達がダイジョウーブ~というので撮りました。内部は見事なモザイクです。狭い教会だったので軽く誰かとぶつかってしまい、すみませんと言ったらちょうど洗礼を終えた子供を抱えるおかあさんでした。なんか、とんでもないものを見るようなすごい目で睨まれちゃってこっちがビックリしました。異教徒ですみません。



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幸せな風景。
カルマグダンの由緒ある教会で洗礼式って本当にすごいことのような気がします。
服装が自由奔放なんでカトリックほど厳格じゃないんでしょうかね。


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お兄ちゃん、私が教会のことで質問をすると、「僕にあんまり宗教的なこと聞かないでね。実は詳しくないんだよ」と言います。あんなに博学なのにこれについてばかりは興味がないみたい。前回旅行したイスラム教のトルコ人といい、セルビア正教のお兄ちゃんといい、つくづく現代人!



ここは本当にベオグラード人の憩いの広場。多くの人が絶え間なくやってきます。

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この広場はセルビア(ユーゴ時代)の著名人の彫刻が点在しているそう。
主に芸術家らしいのですが詳しくは知らないと言ってました。

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公園マップ。

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あ、そうそうここにはベオグラード動物園もあるのだけど入りませんでした。



これ!
これこれ!!
5,000億ディナール時代!!とんでもない時代だわ~。


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そうだ。
通貨の件、結局どうしたかあとで報告しますね。




この日もとにかく暑くて、公園まわる間に水一本、お兄ちゃんと友達はアイスをそれぞれ食べました。



出ます。

ベオグラードの目抜き通りは Knez Mihailova通りといいます。
なんと読むかわかりません。
ニェッツ ミハイロヴァかな。


例の傘はその目抜き通りから少し外れたところにあります。
ここもおいしいバルカン料理を出してくれるって言ってました。


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2) 聖ミシェル大聖堂
ここは町の中心にある由緒あるセルビア教会。訪れた時はなぜか中国人が結婚式を挙げていました。unusualで不思議だと友達が口々に言ってました。中ではもう一組のセルビアカップルが挙式中だったため立ち入り禁止。また戻ってこようと話しながら結局戻ってこれなかったなあ。内部はこっそり見させてもらいましたが、絢爛豪華な見事なイコンがずらりと並び、セルビア教会のしきたり?に沿ってぐるぐると円を描くようにまわっていました。

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3) 王妃の住居(としかガイドブックにも書いてない)
ちょっと詳しくはよくわかりません。。。通りがてらお兄ちゃんにこれはナントカカントカでナントカカントカだ、と言われましたがあんまりよく聞いてなくて写真だけ撮りました。


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それよりもこの前にあったセルビア教会の牧師たちの住まいの方が気になっちゃました。なぜかというと、教会や聖職者の住まいが一番立派なんだなって思ったからです。


そのままガタガタな石畳を歩きます。
(今日はスニーカーで良かったと思いました)



落書きのある通りだって怖くない。
こういうの普通っぽかった。

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これはロビン・ウィリアムズが亡くなった直後、哀悼の意を込めてたったの三日で描かれた壁画なんだそう。そしてこの建物の上は地元でも有数のクラブがあり、階段を上がった左手には隠れ家的なお庭カフェがありました。つまり結構イケてる建物ってことです。
(廃屋ではありません)

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高架下の風景。


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これは貨物車専用の線路なんだって。


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ここを越えると目の前にサヴァ川が広がります。


4) サヴァ川河畔のレストラン街

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ベオグラードはこういうのがいーーーーっぱいあった。

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ランチ!


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えーと左から時計回りに。

ムサカみたいなやつ(ナスとチーズとお肉のグラタン)
ケバブみたいなやつ(ソーセージ)=これが名物とのこと
スブラキみたいなやつ(ソーセージの串焼き)
きゅうりとトマトとフェタチーズのサラダ
セルビア風ピザ
ズッキーニのフライとタルタルソース
プレスカヴィッツァ(これも有名なハンバーグ)とマッシュポテト


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前菜の自家製パンとそれぞれのトッピング。



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奥の赤いのはセルビアで最も愛されているパプリカのソース、「アイヴァル」。
今でも夏の終わりに大量に家で作って保存するらしい。
おにいちゃんは最近じゃ買ったほうが楽だからそうするけどね、とのこと。



目の前の景色。


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普段は人でごった返すスポットらしいのですが今日は空いてるって。
多分みんなバカンスに行っちゃったんじゃないかとのこと。
(夜は満席でした)

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ベオグラードではほとんどの人が英語を流暢に操りますので心配無用。
チップ制。
レストランは大体ポーションがでかいそうですが、このお店は小ぶり。だからこうやっていろんなものをシェアして楽しめるのがこのお店のいいところ、とのこと。

この界隈はこのようなエッジーなレストランやバーが並んでいます。
日本食もあるそうですが、ほとんどがタイ料理だと言ってました。
あとはメキシカンとかイタリアン、お肉専門店などが横並びでずらっと並んでます。
最先端のスポットのようです。


それにしてもベオグラードエスプレッソはレベルが高い。
本場イタリアをしのぐほど。


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さて、このあとは午後の部。
友達は暑さですっかりやられちゃったので途中退散、お兄ちゃんと私は引き続き市内観光。

5) 旧宮殿


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6) 新宮殿=大統領府

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ちょっと小高いところにあります。

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多分、この「ちょっと小高いところ」っていうのが大きなポイントのような気がします。そういう場所に政治の中心が建てられたっぽいんで。



7) 国会議事堂
この裏手に友達の両親が住んでいるアパート(実家)があります。
もしかして政治家?!と思って職業を尋ねたら、お父さんは電力会社で当時はタンザニアに海外勤務したこともあるそう、お母さんはスッチーだったんですって。


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この辺りはさすがに綺麗な街並みが少しだけ。
この銅像は以前、ノーベル賞獲った人だそうです。なんのノーベルかはあえて深くつっこみませんでした。どうせ聞いたところでつまんなそうだし(←失礼)。


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大統領府の建物の前には憲兵がいます。


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これはベオグラードで個人的には一番好きな教会です。
8) 英語だと、St.Marks Church, セルビア語だとCrkva Svetog Marka


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お兄ちゃんも友達も都会っ子。
このすぐそばにある小学校で育ったのでこの界隈は庭なんだって。
でもお兄ちゃんは子どもの頃この教会が大嫌いだったと。
なんで?って聞いたら「醜いから」。
でも今は価値観が変わってもうそう思ってないとのこと。
よかったです。
内部を見ようとしたらなんと修復中で大きな壁に遮られていて全く見れず。
「いや~長年やるやるって言ってぜーんぜんやってなかったからこれは良い兆しだよ」とお兄ちゃんは何度も言ってました。


なぜならベオグラードは廃墟、工事中、廃墟、廃墟ばかりなのです。
そこらじゅうお化け屋敷みたいになってます。
納涼肝だめし大会が何十回も開催できそうな感じです。
国立博物館ももう何年も修復中でいつ終わるのか誰もしらないって言ってました。
また、ホテルを建てようとしてやっぱりやめた、とかも多い。
そしてその跡地はそのまま放置されたままになっているのです。
穴ぼこの状態で。
更地にするお金がないんだって。



これは裏手にあった小さなロシア教会。

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これ、郵便局。
デカイのよ~、なんでか知らないけど異様に。

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お兄ちゃんが説明の後で思い出したようにここは裁判所もあるんだと言ってたけど、郵便局と裁判所がくっついてるのって想像しようとしてもちょっとうまくできなくて私、無言。。。聞き間違えただけならいいけど、でも確かにcourtって言ってたよ。




9) 学生会館の前を通り、(黄色の建物がそれ。知らなかったので写真切れてる)

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10) ベルグラードで一番高いビルの前を通り過ぎ、(左上。知らなかったので写真切れてる)


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ついにやってきたよこの建物へ。



11) 聖サヴァ寺院
これぞベオグラードのシンボルじゃないですかね。
カルマグダンのハレンチ騒動起こした銅像じゃなくて。


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これ、おもしろい話があって、数年前に彼らからもらったクリスマスプレゼントにベオグラードのパズルが入ってたんですよ。で、箱の写真は夜景の町の風景だったのに開けたら全然違う写真のパズルが入ってたんです。日本じゃ考えられないけど、ヨーロッパじゃありがちな話だ(正確に言うとチャイナかもしれんが)と思い、仕方なく年末紅白見ながら暇つぶしにやってみたら、この寺院だったというオチ。


聖サヴァという方は福祉活動に貢献した偉人だそうで、その名がついてるんですって。あと寺院の前には国立(市立?)図書館があります。本当は国会議事堂のあたりにあったんだけど爆撃受けてこっちに移設されたって言ってたような気がする。

内部は只今絶賛建設中。

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完成予定日、未定。

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今でも十分迫力あるので完成したらさぞかし立派な寺院になることでしょうね。
でもまさか建設中だとは知らなかった(パズルでは知る由もないのですが)。
サグラダファミリアが先か、サヴァ寺院が先か。



ここを最後に折り返して街のメインまで歩いて戻る。

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お兄ちゃんのお気に入りのカフェを通り過ぎて、


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友達のアパートに戻りました。



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以上、市内観光。


この日はお兄ちゃんガイド(妹、脱落)がいてくれたので説明メイン。だから写真も全体的にちょっとカタいのですが、後日自由に解き放たれた写真が出てきますので比較して見てみてください。そしてベオグラードがどれほど緑に囲まれた街であるかが、次回の市内観光第二弾でよくお分かりになるかと思います。