世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

ローマ車両事情

ローマの路上駐車の話は何度か書いたので、今度は違う話。


ローマの公共交通機関といえば。
地下鉄が短いやつが2ラインと、メインどころを走らないトラムが3ラインくらいと、来るあてのないバスの3つ。
これがまあ使い物にならない。


まず、ローマの地下鉄はすごい暗い。半端なく暗い。


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(こんなとこでiPhone出して写真撮るなんて、私もずいぶん日本慣れしちゃったな。これもおそらく人生最初で最後のローマのメトロの写真)


昔と変わったのは、時間つぶしのモニターがホームに設置されたこと。
だけどこんなのボーッと見てたらあっという間にお財布スラれちゃうし、第一このテレビに映るのが何やらつまんない。しかも確か「あと何分で電車がきます」的な字幕もあったような気がするけど、そんなの全然あてになるわけがない。
特に夜の地下鉄は、スペイン広場とか賑やかな駅ならまだしも、そうでないところはもちろん怖くて乗れない。

ある日友人の男性がテルミニ駅のトイレに行った。そしたら、トイレの奥に小さな段ボールが置いてあって、なにかと思って覗いてみたら、そこにはありとあらゆるクレジットカード会社のカードが入っていたそうです。もちろん全部盗難なんですが、万が一犯人が後ろに立っていて「お前、みたな」なんてナイフ突きつけられたりしたらすごく怖くないですか?友人もそれをみてダッシュで出てきたと言ってました。
ローマに暮らしていると誰しもが思うことは一つ。
「できることならメトロは乗りたくない」
誰が好き好んで危険地帯に潜り込みたいと思うのだろうか。



そしてトラム。
世界の果てまで言っちゃうんじゃないかというロングコースを走るトラムもあります。何度か乗ったことがある。友達がその果てに住んでいたので。そのトラムがボロくてよく揺れる。椅子は小学校の学級机みたいに固くて痛くて冬はヒンヤリする。床も木だった。ガタゴトと揺れるのでそれがだんだん眠気を誘う。
イタリアの公共機関で居眠りは絶対できないのだけど、郊外までいけばちょっとくらいなら大丈夫。周りに気づかれない程度に眠るくらいなら。


または、近代的なトラム8番が走る2連結の車両。私は最初にローマに住んだ時はこのトラムを毎日使ってました。来ない時は全然こなくて、暑い時は脱水して干からびそうになるし寒い時は凍死しそうになる。くると一気にきたりして、2連結のトラムが団子状に続き、バッカじゃないのと思ったものでした。



ところが今回訪れてみると近代的なトラムもあって、今ではそこでジャズライブとかやってコロッセオのまわりを走ったりするんだってー。へぇぇ~。

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localiromaというサイトから拝借しましたwww.localiroma.it



私の知る限り、ジャズを聴くイタリア人にこれまで会ったことがありません。
CDやさんにもほとんどジャズは売ってなかった。
もちろんイタリアには前衛的というかモダンジャズでいえば名の知れたジャズバンドがいることはいる。でもやっぱりラテン気質でアモーレかマンジャーレ言ってる民族にジャズのエッセンスとリズムは暗すぎて全く向かない。ミラノとかトリノとか、いわゆるちょっとオーストリアとかの影響受けちゃってる場所ならあり得るかもしれませんけどね。
ともすると、一体誰がこのトラムに乗るんだろう。
このトラムジャズは観光客向けかもしれない。
アメリカ人やフランス人とか。
どうかな。
わかんないけど(フランス人はひねくれてるから乗らないかも)。



そしてバス。
バスはもっとひどい。
しょっちゅうストライキをするんですよ。その予告はテレビでやります。または友達とか同僚の事前の口コミで聞くしかない。バス停で待ってると「今日ストライキだよ」と通りすがりの人が教えてくれることもある。
または、バスではないけど広場とかでデモをやるとそれのおかげでバスが混乱する。だから果てしのない遅延が発生する。まー大変。来たと思ったらギュウギュウ詰めの大パニックのバスがやってきて無理やり乗ってスリとか体臭のキツすぎる人がいるとほんとお手上げ。へとへとにつかれる。


タクシー。
ほとんど乗らない。どんなにイタリアに住もうがイタリア人だろうがイタリア語が流暢だろうがそうでなかろうが、かなりの確立でボッタくる。あるいはウソついて遠回りしてメーター荒稼ぐ。例えばこっちがおしゃべりに夢中になっているとどさくさに紛れて遠回りするんですよ。だから道路の指定をしないとダメ。でもそれは観光客の方には厳しいと思うので、どうしても乗るならボラれる覚悟で乗って下さいね。でもおつりはちゃんと返してもらって下さいね。
ちなみにイタリア人はほとんど利用しないと思います、タクシー。



車。
ローマのほとんどの人は車を持ってます。
だけど車を持つと別のストレスにさい悩まされます。

まずは大渋滞。
路上駐車問題=路駐スペースが空くまで永遠にウロウロしないとならない
こすり当て逃げ問題=車ボッコボコになります
ラクション問題=イタリア人は気が短いのですぐプープーします
物乞い問題=赤信号で待ってると物乞いに窓を叩かれます、怖いです
窓ふき問題=赤信号待ちの時の強引な窓ふき


一般的に路駐メインで考えるので小型の車が人気です。日本で言う軽自動車みたいな感じ。代表的なのはFiat、プジョールノー、みんな小さめ。スマートに乗ってる人もすごく多いです。やっぱ実用的なんでしょうね路駐のためには。

こんな感じで。


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ハハハ。
笑えるこれ。

でも結構こんな感じ。隙間なんてあるの?っていうところに100回以上ハンドル切り返して出て行くんです。腕力つきそう。もちろん車ボコボコ前後にぶつけまくって隙間を作る、というのが正しい表現ですが。


友達の旦那様がこれまた運転が荒くて、アウトストラーダ(高速道路)なんかまるでカーチェイスのごとく追い越し追い越され、スピードは200Kmくらいいっちゃうんじゃないかと思うくらいすさまじくて怖い。あの人の車に乗るの超怖かった。怖すぎて私はいつも無口になってしまった。


あと、普段温厚なオバさまや女性も運転すると人柄変わり過ぎ。
もうすごくイライラしちゃってバカとか死ねとかアホとかふざけんなとかで大変。
イタリア人なもんだから両手でジェスチャーしてハンドルから手も離す。
前の車の相手もバックミラーでこっちが怒りのジェスチャーと口をパクパクしているのが見えるのか、前の車の運転手もこれまたジェスチャーで怒ってるのが見えて笑える。とにかく腹が立ったら我慢をしないのが彼らの特徴でもある。

だから車中のおしゃべりも悲惨な会話になってくる。
ローマが機能していないだとか、一方通行がこないだはあっちだったのに最近はこっちだから遠回りしないとならないだとか、天気が悪くて腹が立つだとか、外国人の移民が増えて胸くそ悪いだとか、とにかくイタリア人は(も)結構悪口ばっか言ってる国民です。楽しい話題を振ってもシニカルに返されてしまうのは私のせいではなくてイタリアの車事情がそうさせているのだと信じています。





長くなりましたが、以上です。
眠いから寝ます。