世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

不気味な町 マテーラ

南イタリアに「マテーラ」と呼ばれる町があります。



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ここに行くまでの道のりは地獄でした。
まずプルマンと呼ばれる長距離バスでバーリから移動するんですが、私すごいバス酔いしたんです。かなり辛かった。もうこみあげちゃってこみあげちゃって終始無言。しかも旅友はものすごいトイレに行きたくなり、彼女は彼女でひたすら地獄の思いをし、二人とも無言。日本と違ってパーキングとかないし、ひたすら荒野の中を走るので休憩もありません。辛かった。マテーラといえば私はこの道中がまっさきに思い出される。


お互い涙目になりそうになった頃、ようやく目的地に到着し、降りてすぐ目の前にあるバールに入る。旅友の方は九死に一生を得ておさまったものの、私は吐けない体質なのでひたすらこらえてまずは何か食べることにする。こういう時はイタリアの食事って結構辛いんですよ。イタリア料理って意外とバリエーション少ないし体調が悪い時に食べたいと思わないでしょ。悩んだ挙句タコのマリネを食べたのですが、あれは我ながらグッドチョイスでした。車酔いが徐々に引いていき、お陰様で体調も復活。本当ならさっぱりとしたそうめんとか山芋の千切りとかとろろをほうじ茶すすりながらご飯とか食べたいところなんですけどね。海外で暮らすと、体調を壊した時ほど日本人であることを嫌というほど痛感させられるものです。


マテーラはサッシと呼ばれる洞窟住居がある町です。
以前アルベロベッロをご紹介しましたが、あんなふうな不思議な雰囲気のある町です。
洞窟住居とは文字通り、洞窟を掘って家にしているのでどこからどこまでが隣りの家なんだかよく分からない。はるか昔、敵から身を守るために隠れ家として穴を掘ったことから始まっているらしく、その後隠れ家はコロニーとして発展するもすぐに衰退し貧しい人々が住み暮らしたらしい。


はっきりいってかなり不気味でした。


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私が訪れた時は観光客が誰一人おらず、モトリーノ(バイク)に乗った地元の青年がガイドをしてくれたんだけどこの人もかなり怪しかった。洞窟の奥は狭い部屋がいくつかあって天井が低く、真っ暗で暗くて、私はそのガイドが私たちをはめようとして洞窟の奥に連れて行くのではないかと怖くて怖くて仕方なかった。結局何もなかったけどやたらベタベタしてきたりとにかく最悪な奴でした。イタリアを旅するとこういう人がよくいますが、皆さんも気をつけてください。無償(ただ)より怖いものはないのです。

私の恐怖心を飲み込むように、サッシは無言で私たちを眺めているような気がした。
多分ここで何か事件があっても、誰も、何も聞こえないし助けてもくれない。
洞窟の入り口は小さくポッカリと黒い穴をあけたまま、無表情でただその前を風が一瞬だけ静かに吹き抜ける。




「沈黙にも音がある」


そのとおり。



マテーラの写真は何枚かあるんですが、そのガイドが写っていて不愉快なので今回は載せません。
従って今回の画像はウィキより頂いてしまいました。


ちなみに私は車酔いした時に必ず山芋の千切りを食べたくなります。海苔を混ぜるとベター。




チャオ。