このコーナー、気付いたら一年もアップしていませんでした。時の経つのは早いものですね。
私がローマで働いている頃、同じお店の系列店がすぐそばの大通りをはさんだ向こう側にありました。
この「ほのぼのストーリー」ではすっかりおなじみのボスの一番下の弟が経営する小さなおみやげやです。
この「ほのぼのストーリー」ではすっかりおなじみのボスの一番下の弟が経営する小さなおみやげやです。
イタリア旅行したらどこでも見かけるようなピノキオの(すぐ書けなくなる)ボールペンとかうそ臭いベネツィアンガラスの細工物、アッシジの塗り物、Bocca della verita'(真実の口)の置物とか、全く流行る要素のないものばかり売ってるわけですよ。当然客足もゼロ。
この一番下の弟はほとんど道楽で店を経営しているようなものです。
ボス(一番上の兄貴)がリッチメーンなので、お店の賃貸や資金は全部兄貴から出資してもらって仕入は年に数回、店番は日本人をカモにできるため日本語が出来るバイトを雇って普段はのんびり暮らしているのです。レジを締める夕方にのみ現れてまたモトリーノ(バイク)でブゥイ~ンと消えていきます。以前も言いましたが、ローマの商売の殆どはユダヤ人が仕切っているのは紛れもない事実ですから。
ボス(一番上の兄貴)がリッチメーンなので、お店の賃貸や資金は全部兄貴から出資してもらって仕入は年に数回、店番は日本人をカモにできるため日本語が出来るバイトを雇って普段はのんびり暮らしているのです。レジを締める夕方にのみ現れてまたモトリーノ(バイク)でブゥイ~ンと消えていきます。以前も言いましたが、ローマの商売の殆どはユダヤ人が仕切っているのは紛れもない事実ですから。
しかもこの人はとにかく口が悪いんですよ!もうおかしくて笑えるくらい口が悪い!!
終いには「俺はなぁ~。シェリル・クロウと付き合ってたんだぜぇ~。ウヘヘ。」なんて言い出す始末。
嘘だと付き返すと「ああ笑うがいいさ!証拠写真も持ってきてやるさ!!」と言って見せてくれたのは単なる集合写真。これじゃ証拠になんないよ、というと「この○○野郎のトンチキが~」ってまた罵詈雑言。
終いには「俺はなぁ~。シェリル・クロウと付き合ってたんだぜぇ~。ウヘヘ。」なんて言い出す始末。
嘘だと付き返すと「ああ笑うがいいさ!証拠写真も持ってきてやるさ!!」と言って見せてくれたのは単なる集合写真。これじゃ証拠になんないよ、というと「この○○野郎のトンチキが~」ってまた罵詈雑言。
そして彼はとても絵がうまかった。
仕事中によく自分の手のスケッチをしていました。うまいじゃん、なんで画家にならなかったの?っていうと「俺の才能が有り余りすぎるからさ」と意味不明な発言をよくしていました。まあ見た目も超怖いからあまり接客向きじゃないんですけどね。私は最初この人を見た時、その風貌があまりにも怖ろしくてヤクザだと本気で思って怖くて一言も口をきけなかったくらいです(本人はカッコイイと思っている)。
仕事中によく自分の手のスケッチをしていました。うまいじゃん、なんで画家にならなかったの?っていうと「俺の才能が有り余りすぎるからさ」と意味不明な発言をよくしていました。まあ見た目も超怖いからあまり接客向きじゃないんですけどね。私は最初この人を見た時、その風貌があまりにも怖ろしくてヤクザだと本気で思って怖くて一言も口をきけなかったくらいです(本人はカッコイイと思っている)。
協調性もゼロ、経営能力ゼロのこの弟を、ボスはとにかくかわいがり手をかけてあげていました。歳も離れていたし末っ子だったというのもあるでしょうね。
事件①レジの金額があわない ・・・「分かりきった泥棒ネコ」
ある日、私たちはいつものようにボスにこってりしぼられました。
レジのお金が5,000円も合わないんです。
しかもピッタリ、5,000円。
不自然だ、誰かが盗んだに違いない、しかも数日前にも同様の事件があったのでもうボスは怒り心頭。
いつものように散々罵倒され続けました(ほんとに、どんなに彼に怒られても全然怖くなかったんですけどね)。
しかし私たちは気付いていました。
ボスの弟が手伝いに来た時に限ってレジのお金が合わなくなることを。しかもきっかり50,000リラ。
セコイな~どうせなら100,000リラくらい持っていけー!!
レジのお金が5,000円も合わないんです。
しかもピッタリ、5,000円。
不自然だ、誰かが盗んだに違いない、しかも数日前にも同様の事件があったのでもうボスは怒り心頭。
いつものように散々罵倒され続けました(ほんとに、どんなに彼に怒られても全然怖くなかったんですけどね)。
しかし私たちは気付いていました。
ボスの弟が手伝いに来た時に限ってレジのお金が合わなくなることを。しかもきっかり50,000リラ。
セコイな~どうせなら100,000リラくらい持っていけー!!
まぁ、弟のお店は先にも述べたように全く流行ってないんです。
彼が手伝いに来る時はいつもレジのお金が合わない。
明らかに小遣い稼ぎの泥棒です。
彼が手伝いに来る時はいつもレジのお金が合わない。
明らかに小遣い稼ぎの泥棒です。
事件②ポストカードしか売れない店 ・・・「一日の売上は200円」
ある日、私の友人が数日その弟の店を手伝ってくれと言われ、ぶつくさいいながら引き受けることになった。
「だいたいさ、あんな暇な店で一日何しろっていうのよ。」
「だいたいさ、あんな暇な店で一日何しろっていうのよ。」
案の定その日はポストカード数枚しか売れなかった。
チャオ。今日はいくら売れた?(弟)
チャオ。200円。(友人)
200円!?今日一日何やってたんだ。(弟)
あんたの仕入のセンスがないからこんなことになるんでしょ。(友人)
なにー!!この野郎生意気な口利きやがって~(弟)
チャオ。200円。(友人)
200円!?今日一日何やってたんだ。(弟)
あんたの仕入のセンスがないからこんなことになるんでしょ。(友人)
なにー!!この野郎生意気な口利きやがって~(弟)
しばらくして・・・・・
「ヘイヘイ、一体これはどうなってんだよ。」
弟が手にしていたのはレジのレシート。
今日売れたのはおよそ200円程度なのにも関わらず、友人は間違えてレジの「000」のタブを数回押してしまって、2,000,000円のレシートを打ってしまっていたのです!!!
今日売れたのはおよそ200円程度なのにも関わらず、友人は間違えてレジの「000」のタブを数回押してしまって、2,000,000円のレシートを打ってしまっていたのです!!!
これがどれだけ衝撃なことであるか簡単に説明します。
まずイタリアではめったにレシートを発行しません。
これは税金を少しでも免れるためにわざと打たないんです。
正直に売上を申告したらその分税金を払わなくてはなりませんからね。
だけど全くないのもわざとらしいので、小額の金額が発生した時だけはレジを打つんです。カモフラージュのためにね。
これは税金を少しでも免れるためにわざと打たないんです。
正直に売上を申告したらその分税金を払わなくてはなりませんからね。
だけど全くないのもわざとらしいので、小額の金額が発生した時だけはレジを打つんです。カモフラージュのためにね。
そ・れ・な・の・に。
友人は2,000,000円のレシートを売っちゃったんで、あいにく弟のお店は税金だけで赤字!!!
一ヶ月の売上だってそこまでいった試しがないのに笑える。いや~爆笑でしたねこれは。
一ヶ月の売上だってそこまでいった試しがないのに笑える。いや~爆笑でしたねこれは。
弟と一緒にモトリーノに乗って家に帰る途中、「あの○○マンめ~~~!!」「ぶっ殺してずたずたに引き裂いてやるからな!!バカにしやがって○×△■!!!!」ってかなりハードな俗語を連呼しながら、サン・ジョバンニ教会(ローマ4大教会の一つです)の前を大声で叫びながら走り去った夜を今でも忘れません。私は後部席でまぁまぁとなだめていたのでした。
彼女にあとでなんで間違えちゃったの?って聞くとこういう回答が。
「あんまり暇すぎて手元も狂っちゃったのよね」
最高。
ということで、イタリアを旅してお買い物した時にレシートがでてこなかったら確実にごまかしていることが分かりますが、別に悪いことだと思わずに放っておいてください。イタリアはそれが普通なのです。
税金をまともに払ってる連中がいる方が不自然です。
税金をまともに払ってる連中がいる方が不自然です。
ま、政治の母体自体があやふやなイタリアですから脱税したところで日本のようにマルサがやってくるわけでもありません。袖の下にお金を忍ばせればどうだってなんにだってなる。それがイタリア。
長くなりましたが今日の教訓。
『売上が、200円なら店閉めろ』
ご拝聴ありがとうございました。
Arrivederci e ci vediamo alla prossima volta. Vi faccio a ascoltare la novita' subito.
チャオ。