世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

マルセイユからモナコへ

マルセイユでブイヤベースを食べた」


そう友人に聞いてから私の脳裏では常にそのフレーズがリフレイン。


マルセイユでブイヤベースを食べた」


たったこれだけのシンプルなセリフなのに、地中海の港町でねじりハチマキの荒々しい男たちの声をバックにとても濃厚なブイヤベースを仲間と和気あいあい食べる。そんなイメージが漂ってくる(勝手な想像です)。日本でお上品にナプキンでお口ふきふきしながら食べるんじゃなくもっと豪快に!だから私もマルセイユでブイヤベースを食べたいと思っていた。


しかし。


マルセイユってすごく危ない街だともっぱらの評判。
イタリアでいうナポリやバーリ、ブリンディシ級に怖ろしく危険な町と聞いたら警戒しないわけにはいかない。私の海外生活の経験上、危険な町や危険な人っていうのはもうだんだん勘で分かってくるんですね。だからひとたびマルセイユに足を踏み入れた途端、よからぬ危険性を感じちゃったんです。住んでる人の目つきで大体分かっちゃいます。


というわけで、私と旅友は素通りすることに決定。
旅をしていて危険を省みないほどの冒険心は不要です。
時には的確な判断力と潔い諦めも必要。
といってもマルセイユがそこまでおそろしいところなのかどうか、実際のところは分かりませんけど。




これはTGVに乗ってマルセイユへ向かう途中の写真。
眼下に広がる地中海に感動して写真を撮ったら、前に座っていた黒人男性にギロリと睨まれた。
田舎へ行くと大都市に住む有色人種の方々と違って雰囲気がもっと粗野な感じになってくるんですよねやっぱり。


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そしてそのままモナコへ移動。

それにしてもマルセイユからモナコ、ニースにかける鉄道の旅は本当に美しいのでぜひお薦めです。
私たちはユーレイルパスだったから強制的に2等車しか乗ってませんが、窓から入る風と痛いくらいに照りつける太陽と時々見える地中海の海、そんな車窓の景色は絶景で海に飛び込みたくてうずうずしてくるような風景です。


というわけでモナコへ途中下車することにしました。

モナコってすごいんですよ!駅が!!
写真がなくて残念ですが、金ぴかキラッキラのいかにも「成金の町&バックパッカーお断り」っていうつくりなんですよ。ついさっきまではあんなしみったれたマルセイユだったのに、さすがモナコ王国。


駅を降りたら日本人の一人旅バックパッカーの日本人に話しかけられました。
旅の途中ではこういう小さな出会いも楽しい。だけどパックパッカーの会話って大体が旅自慢になるか、どれだけ無茶したか自慢みたいになるのであんまり好きじゃないけど、いろんな情報をゲットできるのでバカにはできない。

モナコについたら何をする?

Tシャツにショートパンツ、ノースフェイスのリュックにスニーカーの私たちがモナコで一体何をする?
ブイヤベースはもう通り過ぎちゃったし、一応リュックの中にワンピースを一枚だけ忍ばせているけどモナコのゴージャスな雰囲気にはまるでそぐわない。


というわけで海水浴しました。これだけでも十分楽しめますから。

海がコバルトグリーンで足元はとにかく無限に透けていて気持ちよかった。

海で浮き輪につかまって浮かんでいたら、遠くの浜辺で、真っ黒に日焼けした肌が固くなっちゃった地元の女の人の会話が聞こえてきて、あぁここはアメリカンイングリッシュを使うんだって思ったのを覚えてます。それまでずっとイギリスで鼻にかかる英語ばかり耳にしていたのでこういうちょっとしたことが妙に耳に残ったりします。やっぱモナコは観光客のアメリカ人が多いんでしょうね。


帰り道、泳ぎ疲れてブラブラ歩きながらカジノの前を通り過ぎ、「モナコと言えば」クイズをしながら駅へ向かいました。その途中に撮った写真。とりあえず撮っておくかーっていう感がします。笑える。



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そうだ。モナコでは旅友に怒られたんだ!
海辺に敷くゴザを買ったのに電車に置き忘れてきちゃったの。

どんくさいって怒られた。怒られるとどうしていいか分かんなくなりますね(笑)。


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でも旅友に怒られたのは旅の中でもそれ一回きり。

私たちは結構うまくやっていたんです。


それにしても経験してみたかったな。



マルセイユでブイヤベース。