世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

初夏のジャズ

今年の春に私が愛聴していたラジオ番組「Jazz On」が終了してしまってからかなり途方に暮れ失意にうちひしがれている私に朗報が入ったのは数週間前。「Jazz On」の司会をされていたジャズピアニスト、グレース・マーヤさんが、行きつけのお店でライブをやるというニュースでした。


グレース・マーヤさんって日本人なんですが、幼少の頃からインターナショナルスクールに通い、アメリカやドイツも長いこと住んでおられたそうです。だから発音がネイティブでとってもナチュラル。うらやましい。やっぱり英語の歌って限りなくネイティブじゃないとどうしても違和感はぬぐいきれない。



ここは私がよくいくお店です。
このお店は普段はカフェなんですが、ギャラリーも兼ねていて新鋭的なアートや写真などの個展もよく開いている。最近オーナーがかわってお料理の味もかなり安定してきた(よかった)。


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この日はピアノ、ボーカルをマーヤさん、あとはギターの萩原亮さんの二人で演奏。演目はとりあえずジョビンの定番曲をいくつかと、シャーデー、オリジナル曲をいくつか、ドイツ語の歌を一曲などバラエティに富んでいました。ラジオでご自身の曲は滅多にかけなかったので実際の演奏を聴いたことは幾度かしかなかったのですが、正直言ってイマイチだとずっと思ってただけに今回ライブで観てそれが誤解だったと判明した。とってもお上手だった!特にバラードは結構表現力があるというか、耳当たりのとても心地よい歌を歌う。ラジオの司会の時もわりとセクシーボイスだったのでやっぱり地がいいんだろうな。

同時に店内は中平さんという写真家の方のジャズジャイアントたちのポートレートがところ狭しと展示されていて非常に魅力的でした。(ただしモンクについては顔のアップが凄すぎて言われないとわからなかったけど)


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それにしてもジャズのライブでギターは久しぶりに聴いた。うちにはケニー・バレルしかないけどあとで聴いて余韻に浸ろう(ちなみに今はスタン・ゲッツ。これもシビれるね~ビリビリ!)。そうそう、ケニーバレルのバックにはトミー・フラナガンがピアノを弾いてるんだけど、私はこういうふうに背後に回るピアノの役割も好きで、聴いててかなりグッと来る時がある。ベースのソロなんかもかっこいいんですよね、間近でみると。


あ、そうそうインターバルのあとにスペシャルゲスト登場!!

なんと日野皓正さん!!トランペットのビブラートが美しくて迫力あってやっぱ管楽器が入るとそれはそれでキッチリ締まります。日野さん、どうやらマーヤさんから電話もらって「あ、じゃあ行くよ」的なノリでお見えになったみたい。嬉しいサプライズでとても盛り上がりました。


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※白いスーツが日野さん、左の帽子をかぶっているのがマーヤさん、グレーのシャツは荻原さん(隠れちゃった)。


ジャズはやっぱりこういう狭い室内のギュウギュウなお客さんと一緒に聴くのが楽しい。

軽めのジャズボーカルは夏らしくてとても季節感があっていいと思う。
更に、またブエナビスタを聴きたくなったなと思うたびに、毎年夏を実感するんです。


早く梅雨が明けるといいな。