世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

働くニホンジン

とある授業で。

渡されたプリントに「働く人々」というタイトルで各国の労働について説明が書かれたテキストが載っておりました。あー、きたか。。と思いました。大体においてワークホリックと呼ばれるだけあり、この手の話題は当然我が国ジャポンに集中するに決まっているのです。

よりによって渡されたプリントには古めかしい紡績工場でミシンをかける女性の写真が載っていて、苦しそうな悲壮感が漂ってるんです。


日本はとにかく労働を好む。朝から晩まで働いて、家族で夕飯を食べる事もできない。父親は残業で深夜まで働いているからだ。

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対して比較対象されているのが欧米諸国。どの国だったかは忘れましたがどこの国も大体似たようなもの。


彼らはきっかり5時に仕事を終え、子供たちや家族と団欒を過ごす。彼らにとってはプライベートが何よりも優先だ。

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なんかこれじゃあまるで日本バッシングみたいな感じがするじゃないですか。まぁ事実が書いてあるわけなんだけど。すると案の定クラスのスペイン人が鋭い視線で挑戦的に尋ねてきた。


Q なぜ日本はそんなに働くの?
A 忙しいからです
Q どうして夜まで働く必要があるの?
A 忙しいからです
Q 家族の団欒は大切だと思わないの?
A それは当然思います
Q じゃあなんで働くの?(テキストを見ながら)こんな体を駆使して働いちゃって、どうかしてる。
A 日本はこの頃高度成長化の手前の産業革命の時代なので仕方ないんです
Q フン。働くのが好きなのね
A 連帯責任感が強いからだと思います


そしてファイナルアンサー。

A 悔しかったら死ぬほど働いて日本よりも成長してみやがれウスノロめ!!!ノロノロ働きやがってこの後進国めが!!!(by ローマのボスバージョン)

・・・とは口が裂けてもいいませんでしたが、言いたいところを我慢させて頂きました。

働きすぎ日本は確かに度を越えているかもしれませんしそれは否定もしない。
けれど、その姿勢は海外ではとーってもネガティブに捉えられているので、責められるとついかばいたくなるのは私の愛国心からなるものと思っています。

ポーランド人で神学を学ぶ人とランチをした時にこう諭されたことがあります。

「神は6日間で世界を作り上げた。従って7日目は休息日となる。それが日曜日である。あなた方ニホンジンも神の7日目は休まなくてはならない。アーメン。」

なるほど!ちょっと説得力がある!
信仰は自由である。けれどそれを押し付けるのは間違っている。
という持論の下にこれは即却下。

日曜日に働く人がいるからこそ、その恩恵を受ける人がいる。そういう基本理念が日本である。

誰かがやらなかったら別の誰かがやるしかない。
ヨーロッパのように誰かがやらなくても知らないよ、という理念とは真逆なのである。
そうじゃなかったら彼らの国があんなに道路が汚れていたり、非道なお役所体制であるはずがない。

しかし、これは結構相手のツボを刺す直球発言であるからして、私はストレートに明言したことはなく、
ただ毎回バッシングを受けるたびに心で反芻するだけである。言及せずに途中でとどめる事は私の配慮や優しさと彼らには受け止めてもらいたい(ほんとかな 笑)。だって明らかに相手を激怒させちゃいますもんこんなこと言ったら。その後は売り言葉に買い言葉になって収拾つかなくなることが目に見えるから言わないだけです。


そしてこのような時にいつも思うのです。
潜在的に日本に対する愛国心がちゃんとあるんだなぁと・・・。



これらについては皆さんいろいろ思うことがあるでしょう。
だって言われるまでもなく誰しもが働きすぎるのはよくないって思ってるはずです。
私だって欧米人みたいに1ヵ月バカンスが欲しいし、そうしたら残りの11ヶ月は今よりもっと頑張るぞ!多分。
でもそういうんじゃないんですよね日本の社会って。


私はこういう国際比較論みたいなのが大好きなので、授業で取り上げられると俄然張り切っちゃいます。
しかし知識がないと対抗できないことも多いので唇を噛み締めることもよくあり、誰かどこかに日本人がいたら救いを求めたくなることもよくありました。でもどんなに苦しくても自国に対する誤解がある場合はそれを解かなくてはなりません。じゃないと、彼らは永遠に日本を間違った解釈で判断し続けていくからです。これから先彼らが日本人とこのような話をする機会に恵まれるかどうかなんて分かりません。だからこそ、今!(勝手な正義感)直球ではなく、やんわりとね。

さぁ、あのメガネのスペイン人に対抗できるようなアンサーを考えてみてください。私は相当やっつけられました(笑)。とにかく日本のワークホリックが気に入らなくて仕方がないようで、授業のあとも不満げに私を見つめていました。まぁまぁ、スペインがいいんだったらそれでいいのにね。5時に帰れる環境は素直に羨ましいですもん。


バイ。