世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

ポルトガル最終章~ピンクの壁のネコ~

ではリスボンダイジェスト、恒例の感想文形式で。

ボーロ
ボーロとはポルトガルの食べ物で甘いパンみたいなやつ。5日も滞在したので馴染みのスーパーができ、ボーロの焼き上がり時間に合わせて買いに出かけた。素朴でとてもおいしい。

タラのフライ
海のそばなので肉というより魚。ボーロと同じスーパーで売っていて、これもたまらなく美味。ロンドンのフィッシュアンドチップスなどとは格段の差。地中海で捕れた魚と冷凍の魚の違い。

カフェ
シチリア級に素朴なカフェが多い。地元の文化に根付いた飾り気のないカフェで、気さくなバリスタに「日本語はポルトガル語から由来されている言葉があるの知ってるかい?」と聞かれた。なんだろう?と言ったら「ボタンはポルトガル語だよ」と教えてもらった。

ペンションのおばちゃん
良い人だった。あまりに良い人なので、日本に帰ったら地球の歩き方に投稿して紹介しますねと言ったのに、結局何もしていない・・・うそつきの私。

顔面イボイボおじさん
奇病なんでしょう。旅友が「怖い」と本気で怯えていました。
毎日広場に立っていて施しをもらっていました。
シントラへ向かう列車の窓から、偶然そのおじさんがいつもの広場へ向かって「出勤」途中の姿を見かけた。
線路のレール沿いをうつむきながらとぼとぼ歩いている顔面イボイボおじさん。難病を抱えながら明日もあさっても広場に立ち続け、施しをもらい、毎日レール沿いを歩いて家路につくのだろう。地球上のどこかに神様が本当に存在しているのならば、生きる試練を与えた以上、一日のうち一回でもおじさんに安らぎの瞬間を与えて欲しいと思う。

ファド
路上で売っていたファドのCDを買おうかどうか死ぬほど迷いましたがやめました。(日本でも買えると踏みとどまった)

ニワトリのおきもの
これはどうしても欲しかった。私ってどーしようもないおみやげものがすごく好きなんです。

イメージ 1


ポルトガルを出る前日の夜はエスクード(当時の通貨の呼称)をパーフェクトに使い切っていたので残金が足りず、わざわざこれのために両替するのもどうかと思い諦めようとしたら、旅友が自分の残金を渡して「これを足しにして」と言ってくれた。ありがとう旅友(涙)。すごく嬉しかったので、今でも大切にとってある。しっぽが一度割れましたがセメダインで完璧にくっつけました。二人の小銭をかき集めて買ったやつですからとても大切。
通称「バルセロスの雄鶏」幸福の象徴。濡れ衣を着せられた若者が奇跡を起こした逸話からそう呼ばれている。


路面電車
リスボンと言えば坂道を走る路面電車!何度も見ましたが、なぜか写真は一枚もありません。


最後に。
リスボンで撮ったとても思い出深い写真を。これを見ると記憶が鮮明に蘇ってくる。

ペンションの部屋で窓の外をボーっとみていたら、向かいの家の窓に一匹のネコがいるのを見つけた。いつものように「プスプス」と呼んだらギロリと睨まれてネコは再び深い瞑想の世界に耽っていました。その姿があまりにかわいいので写真を撮ったのですが、全然どこにいるのか分かりませんね。現像してガッカリ。


イメージ 2
※カーテンの陰で寝そべってます



ペンションは午後の早い時間に入ったので他のお客さんはみんな観光に出払っていて誰もいない。
裏通りに面している建物なのでとても静か。
午後の太陽は容赦なく照りつけるけど、日陰はヒンヤリとしていて気持ちが良い。
シャワーも浴びたしこのままシエスタな気分、気持ちがよくて眠りに落ちそうになる。
向かいのネコと同じだ。


日本という国から偶然迷い込んできた私は、世界の反対側の一角でリスボンの小さな裏路地にいる。

そして知る由もなかったはずのネコを見つめながらぼんやり考え事をする。




私にとっての至福。




オブリガード、ポルトガル

地味なところがすごくいい。