世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

スタンゲッツ/ジルベルト(とベレーザ)

むかし、女性の上司がいました。

その人は小柄な美人で声も美しく、言葉もきれいに操ることができるスーパー上司でした。
もちろんお仕事もガンガンやるタイプ。
死霊、じゃなくて資料を作らせればピカイチ。
プレゼンさせればその美貌と声と、完成度の高さ+頭の回転の速さに周囲はノックアウト。

ところが更なる上の上司がこう言ったんです。

「美しく、完璧で流れるような語り口であればあるほど、それは失敗だ。」

どうしてどうして?!と尋ねると、

「きれい過ぎた完璧な語り口は、何の説得力も持たない。」と断言するんです。

ふーん、そんなもんかなーなんてその時は思っていたけれど、近頃はちょっと納得。

分かりやすく説明すると福田さんと小泉さんみたいな感じ。
福田さんは確かに口調は滑らかだしスルスルした話し方だけど、何かこうイマイチ響いてこないのに対し、
小泉さんの場合は確かに発言の一部一部は一応ストンと着地してたような気がする(何が言いたいのかという問題は別として)。あくまでもこの二人の比較論として、ということだけど。


この話が何に関連しているかというと、
ボサノヴァという音楽もそれに近いような気がちょっぴりするってことです。(ハハ。強引かもね。)

セリーヌ・デュオンがウララと歌う歌よりも、
私はこっちの素朴で無作法な感じ?のする歌の方が響くような気がするんです。



ボサの良いところってそういうところじゃないのかしら。




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GETS/GILBERTO


スタンゲッツとジルベルト、ジョビンらのコラボレーションアルバムです。
1963年にレコーディング。

Stan Getz(ts)
Joao Gilberto(g.vo)
Antonio Carios Jobim(p)
Tommy Willams(b)
Milton Banana(per)
Astrud Gilberto(vo)

これって本当に夢の競演なんです。
何がどういいかっていうコメントはあえて省略!
ジャズもボサもそうだけど、何がいいかを説明するのって本当にできない。。。なんでだろ。
あ。
でも本音をちょっと言えば、スタンゲッツがちょっと強すぎる感もあるから、個人的には「惜しい!」とどうしても思ってしまう時もある。好みの問題ですけどね。

(このジャケットもよく見ると抽象的なところがかっこいい気がする)

たまにボサを「カフェ音楽みたい」なんて言われると、悲しくなってしょんぼりしてしまいます。
音楽をインテリアの一つとして認識しているわけではないからです。


私が初めドンピシャではまったのがBELEZAという女性のカルロス・ジョビントリビュートアルバムで、
ボサとジャズの合いの子みたいなメロディにすっかりやられちゃった。
当時は「これがボサの変形だ!」と思っていたけれど、こっちのゲッツとジルベルトのほうがもっとうまく融合されているように今なら思う。

でもそのBELEZAのアルバムも宝物の一つだったので、どこで生活するにも必ず持ち歩いていたからケースにもヒビが入ってすっかりボロボロ。残念ながら今やこのCDは廃盤になってしまい、中古やさんでしか見かけません。BELEZA自身も名前を変えてなぜかサンバに移行してからはすっかり消沈してしまいました。
でもいいんです。
溺愛アルバムに間違いない。


ベサメムーチョ」の歌詞を、ハウスシェアしていたコロンビア人がスペイン語と英語バージョンで書いてくれてこのCDを聴きながらよく一緒に歌ったものだけど、やっぱラテンの人なのでほんとはもっとノリノリ系のテンポの方がよかったみたい(笑)。


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それにしても寒くなってきました。
冬が近づいています。
「ホッカイロ、使い出したらもうオバちゃん」(自作)
そんなちんぷなプライドにしがみつくbeabeaでございました。

おそまつ君。