世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

ゴッホを辿って~オーヴェール・シュル・オワーズ

パリはとりあえず後回しにして、フランス田舎町を歩きに行きましょう。
そうそう、私がフランスのリピーターである大きな理由はここにもあります。
印象派(Impressionism)絵画を敬愛しているという点。
私が最初にゴッホに出会ったのは、高校の時。美大を目指していた友人が熱く語って見せてくれた絵がきっかけです。
Impressionismにはまったのはそれからずっと後の事でしたが(まずはイタリア美術にほれ込んだ為)、ゴッホだけは特別な存在でした。部屋には必ず彼のポストカードが置かれてました。
無意識です、無意識。好きなものは無意識。


今回からは数回に分けてゴッホを取り上げます。
ただしここは旅ブログです。美術に興味があってもなくても楽しめるようにまとめていこうと思います。
また、今東京にはちょうどオルセーがきているので、絵画を観る前の参考程度に見て頂けると、ちょっと嬉しいです。

オーヴェール・シュル・オワーズ(Auvers sur Oise)
パリから北へ、電車で約2時間で到着するとてつもなく小さな町。(そういえば変な黒人に後つけられた。思い出した。)
ここはゴッホ終焉の地です。

ルートマップをまずはゲット。
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どうしても見てみたかった「ラヴー亭」。この建物の屋根裏にゴッホは下宿していた。

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ラヴー亭とは食堂の名前。(建物にはラヴーホテルと書いてある・・)
今でも営業しているけど、メニューを見たらものすごく高い。そしてスノッブな香りがプンプンしたので、ここでゴッホの余韻に浸って食事をする夢はあっという間に消えた。
しかしメインは別に食べる事じゃないので、「ついにきた」という興奮でドキドキしてチケットを買い2階にあがると・・・おみやげ屋と化していて、ゴッホゆかりの建物のかけらもない。すごくガッカリ!フランス人の団体旅行客が結構いた。ゴッホはやはりフランス人にも愛されているんだろうな。

もう終わりか。
と、諦めかけた時、一つの扉が目に入る。
そっとその扉を開けると、そこには屋根裏へ続く薄暗くて狭い階段があった。そこを登っていくと、ゴッホが人生の最後を過ごした部屋へとたどり着いた。

狭い。小さい。部屋は2部屋続きで広がり、こざっぱりとレイアウトされていた。
けれどここには当時彼が死ぬ間際まで描き続けたキャンバスや油絵の具の臭いでいっぱいだったんだろう。そう思ったらちょっと胸がつまる。

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この部屋の隣ではゴッホのスライド上映などをやっており、それも観た。(英語だったのでホッ)

ラブー亭を出て、次はゴッホが実際に描いた建物を探しに行く。
この日はとっても暑い日で(あれは確か10月)Tシャツでもいいくらい暑かった。そして私以外に歩いている人なんて誰一人、いない。
なだらかな坂道をテクテク歩いていくと眼下に広がるオーヴェルの街並み。きれいなんですよ。

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ガシュ医師の家へ着く。真四角の箱のような真っ白い家を入ると、整然と並べられた家具や椅子。当時から格式の高い人だったという事がうかがえる。
これは窓からみたオーヴェールの田舎風景。ガシュ医師やゴッホもこの庭を眺めた事と思う。
実際ゴッホはこの庭を描いているが、その中でも右側の木だけは絵と同様、今もこうやって存在している。
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オーヴェール教会。
ゴッホはこの教会を暗闇のような不安定な空気で描いていた。しかし今もこの教会は存在し、補修も修復もされていない簡素な教会として存在している。内部はゴシック式でシンプル。派手な装飾もステンドガラスも何もない、素朴な教会。
扉は重くてさび付いていて、なんだかゴッホがこういう町を好んで住んだのが何となく分かるような気がした。彼の人間性や絵をみればそれがよく分かる。

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ついにゴッホのお墓へ行く。

ここにゴッホと、弟テオが眠る。

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太陽が燦々と当たる、壁沿いに二人は寄りそっていた。

はっきり言って観光シーズンを過ぎた時期だったので人は誰もいなく、私1人だけ。
ゴッホとテオのお墓の標識なんてもちろんなく、正直ためらった。「どうやってお墓を探したらいいんだろう。まさか墓石一つ一つを見ながら探すわけにもいかないし。」
でもね、不思議だけど一発でみつかったんです。
導かれたのかな。

お墓を出ると鳥の声だけしか聞こえない。
太陽はじりじりと照りつける。
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お墓からの帰り、歩きながら感動で胸が詰まって一杯になったのが、次。
「・・・ゴッホの世界だ・・・・・」


ずうっと前から変わらない景色。
変わらない色。
変わらない音。

オーヴェールで一番、感動した場所。


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