世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

バチカン美術館とシスティーナ礼拝堂

バチカン美術館に行きます。
数えきれないくらい行った、私の人生を変えたと言っても過言じゃない場所です。
アパートホテルから徒歩5分もあれば入り口につきます。



月曜日に行ったのですが、空いてました。
ラッキーです。
普段は長蛇の列で数時間待つこともザラです。



エントランスがご覧の通り近代化してました。
以前はこんな吹き抜けのガラス天井ではなかったんですが。


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外は雨。
こんな日は絶対美術館日和です。



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時間がないのでショートカットして、メインだけみることにします。

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地図の回廊。


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ここの天井の装飾は何度みても圧巻です。
バチカンがいかに権力があったかがもうお分かりかと思います。

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昔はイタリア中にお城がいっぱいあったのね。



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続いてタペストリーの回廊。


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最後の晩餐ですね。

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回廊の間にある窓の外はバチカン市国の内部がみえます。
世界中から集まる司祭があの窓のどこかで今日も聖書を読んでいるのかもしれないなど、この景色を見る度に妄想が膨らみます。


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回廊を過ぎていよいよバチカンの建物内部に入って行きます。

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なんといってもこの美術館はカトリックお膝元ですから、宗教絵画以外の作品などはいっさいありません。どこをみてもイエスがいて、マリアがいて、歴代の教皇がいます。

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手前の祭壇なんて古くて由緒ありますね。
上にはマリア像があります。



バチカン美術館にきたら目玉のシスティーナ礼拝堂に行く前に、ラファエロの間もどうぞお見逃しなく。

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この部屋は戦いの間、のような感じ。
壁4面には全て戦争の様子が描かれておりました。

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床のタイルもモザイクです。

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ここからがラファエロの間。

「聖体の論議
天と地を分けた世界、天にはイエスがいます。

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アテネの学堂」。
この絵にはプラトンなど著名な哲学家がたくさん似顔絵されていると言われています。




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これはミケランジェロをモデルにしたヘラクレイトスという哲学家。


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ラファエロはもともと教皇のお気に入りの画家でした。ハンサムだったようで女子にもモテましたが若くして他界してしまいます。ある日バチカンの部屋の壁画を依頼され、住み込みで筆を走らせていたのですが、そのお隣の礼拝堂に絵かがれたミケランジェロの絵が気になってこっそり覗きにいったところ、その壮大な大宇宙を見て衝撃を受け、自分の能力のなさに愕然として慌ててこの絵を描き直したと言われています。


さて、ラファエロの間を通り過ぎるといよいよメインのシスティーナ礼拝堂です。

入るや否や、写真撮ったら「No FOTO!!!」とすごい大声で怒られました。
その怒号があまりにも突然で仰天したため、このように写真が超ブレてます。

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そうだった。
思い出した。
システィーナって写真撮影禁止だった、忘れてた。
だから手元に写真が残ってなかったわけだ。




(懲りずにこっそり隠し撮り)

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ここは今でも現役の礼拝堂。
一般公開はされているものの、実際は教皇総選挙(コンクラーベ)の時に使用されていることで有名ですね。投票制で数日に渡って選挙を行い、決まらなかったらその投票用紙を燃やします。その煙の色は、教皇が決まらない場合は黒、決まったら白い煙がでるので、内部で何が起こっているかをローマ市民は固唾を飲んで外で見守っていた。という歴史は今も受け継がれています。


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ついでに教皇話。


ヨハネパウロ2世は2005年にお亡くなりになりましたが、私が物心ついた頃には在任されていたので個人的にはもっとも印象深く、ローマ人からも最も愛された方でした。ポーランド人でした。

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ヨハネパウロ2世がバチカン広場でミサをする時は、大勢の人の波が押し寄せ、それはリソルジメント広場を通り過ぎてオッタビアーノを通り過ぎ、反対側のテヴェレ川の橋も渡れないほどの群衆が集まったものだった」という話を今回の旅行で別々の人から2度聞かされました。

亡くなる前の数年間は、大量の薬を投与されて副作用で顔がむくみ、手は震え、立つこともままならず本当に見ていられないくらいお気の毒で、思い出しても胸が痛みます。それでも2000年は歴史に残るミレニアムミサを立派に成し遂げたあの気力と威厳を、きっと一生忘れないと思います。それくらい感動しました。

薬漬けで弱ってしまい滅多にメディアには出てこなくなっていたヨハネパウロ二世が震える手で鍵を差して開けたバチカンの扉はこれ。
私はテレビで観ていましたが、なんか胸が熱くなりましたよほんとに。


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25年に一度しか開かない扉だそうです。
これを見る度にヨハネパウロ二世を思い出します。


教皇亡き後、世紀のコンクラーベが行われました。
次のローマ教皇は誰だ、という今世紀最大のバチカンミステリーが数年前から地元ではささやかれ、次はアフリカ人だとかイタリア人だとかいろんな噂が立ち、煙突の煙をいまかいまかと見守り続けました。人生で初めてコンクラーベを見て、それがあのシスティーナ礼拝堂で行われていると、想像するだけで興奮しました。


そして当選されたのがベネディクト16世
ドイツ人でした。
予想外の展開はその後も及び、2005年に就任、2013年に辞任してしまったのも異例中の異例の展開。ローマ教皇は死ぬまでその責務を全うする終身制なので、このような途中退官はほとんど例がありませんでした。


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ヨハネパウロ二世のあとを担うのはもちろんたやすいことではなかったでしょうが、いろんなスキャンダルが渦巻き退官に追い込んだという説もあります。
イタリア人に聞くと、「バチカンの中で何が起こってるかは、我々には分からないから」と目を伏せることが多かったです。少なくとも、健康だけを理由に辞めたわけではないということは周知の事実のようでした。



その後に再びコンクラーベ

人生でこんな短い周期でコンクラーベをみることができるとは思わなかったし、混乱したバチカン内部がどう収束するのかが気になって気になって、毎日ニュース追いかけました。


そこで次はこの方、フランチェスコ教皇
アルゼンチン人。


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愛嬌があってお若くて、比較的評判は悪くないようです。
しかも実際に拝見する機会に恵まれました。
あとでアップしますね。
(ちなみに私はカトリック信者ではありませんのであしからず)



話をシスティーナ礼拝堂に戻します。



上部天井はミケランジェロの作品、脇はペルジーノの作品です。
天国への門をペテロに渡すシーン、旧約聖書の哲学者、予言者、新訳の創世記が描かれています。


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奥の正面祭壇部分は「最後の審判」です。


高校の頃、最後の審判の感じは「最期」って教えてもらったはずなんだけどなあ~。違いましたっけ?テストに出たから覚えてるんですよ。でも今は「最後」が正解みたいです。なんでだろうなんでだろうなんでだろう。


なんで「最期」説に説得力があるかというと、これは天国と地獄のシーン、つまり死後の世界だからです。



中央には躍動感あるイエスキリストと右にはマリアが寄り添っており、その周りを囲むように十二使徒がいます。上段は天国、下段は地獄。聖書にも載っていない、架空の世界と裁きの世界をミケランジェロは死ぬ間際まで描き切ったのです。
そして、礼拝堂の天井画には創世記から天地創造エヴァの大罪、ノアの方舟を綴り、キリストがこの世の中を作ったという世紀の起源を題材にしたんですね。






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そしてこの大壁画の修復が終わったのはもう20年前??
塵やほこり、汚れをぬぐい去り、鮮やかなミケランジェロの色感が甦ったのです。







当時は裸の群像だったのであまりにも汚らわしと怒った当時のバチカン関係者は、別の画家に依頼して腰布を描きたしてしまいましたが、その時の修復で一部は取り外し、なるべく原画に近い姿に近づけるよう頑張りました。
(ですがイエスキリストの腰布は残すよう決めたようです)



礼拝堂の話、長くなりました。








出ます。

また回廊を歩いて出口へ向かいます。




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来たときとは別の回廊です。

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出口にはおみやげやさんが並びます。

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さ、有名な階段下りますよ。
昔はここが美術館の入り口と出口でした。
昇ったり下ったりする人であふれていましたが、今は出口専用でした。


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天井。

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グッゲンハイムがこっちを真似たんですね、明らかに。




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出口。


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外に出ると懐かしい風景。

このカフェ、まだあったんだ!(電飾が一部消えてる)



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お店の看板についてるリボンのイルミネーションが・・・・・・ダサい。



こういう場所(バチカンでてすぐとか)にあるカフェは悪徳カフェの場合が多いので、警戒して一度も入ったことはありません。イタリアはそういう悪徳系が多いので日本の感覚でフラッと入ると残念な思いをすることが多いので気をつけてくださいね。コーヒーがまずいとかパンやお菓子が古いとか店主が愛想悪過ぎるとかおつりが戻ってこないとかお店が汚いとかいろいろ。


長くなりましたがこのへんで。