世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

あの夏フィンランドで 小野寺誠

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大好きな街、西荻窪の古本屋さんで今年の夏に買ったこの本が大変おもしろかったです。

 

1960年代に訪れたフィンランドで出会った現地の女性と結婚し暮らす著者小野寺氏のエッセイなのですが、まずはフィンランドとはどういう国だったのかという話が義父の語り口で始まり、次の章では著者が語り部となり、家族一家の話を語る物語形式になっていましたがもうとにかく読ませるのなんのって、あっという間のノンストップでした。

 

 

1940年の頃、フィンランドの地方都市では日本人は珍しく、仕事ももらえなかったので経済的に苦しくわれることはどんなことでもやらざるを得なかったことや、北国ならではの人々の陰鬱さや頑固さ、身勝手さや浅ましさなどを読んで、久しぶりに外国で暮らすことの大変さをしみじみ思い出してしまいました。

 

結局人はどこにいても、何をしても、誰といても、自分を取り巻く環境というものは変わらないわけで、どのみち人間関係に悩み、異国に馴染みきれない疎外感みたいなのは解消されないまま、家族と別離しフィンランドを去ることになった著者が最後に放つセリフ、「泣きたいのはこっちのほうだ」にグッときてしまいました。

 

 

フィンランドという国はとても開放的でオープンマインドだと思ってきたし、友達も何人かいたこともあるから基本良いイメージしかなかったけど、これほど閉鎖的で保守的であるのもあの寒くて一日の日照時間が短く夏もほぼないような雪深い荒野みたいな場所なら仕方ないのかなとなんとなく合点がいってしまいました。

 

昔の記事にも書いたけど、保険も教育も引退後の生活も安定している国なのに(もちろん納税額もハンパないが)将来は南ヨーロッパに移住したいと思ってる国民が圧倒的に多いという。ほんと?なぜにわざわざあんな整備の整っていない国へ??と思いましたが、やはり辛いのかも。最果ての地は。

 

「お金を使わないライフスタイル」、例えば冬はスキーやそりで遊んだり家で本読んだり、そういうのも憧れだったけどもしかしたら「それしかやることがない」のかもしれません。言い過ぎだったら申し訳ない。

 

 

なんか現実のフィンランドを教えてもらったような気がして目から鱗みたいな本でした。

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