世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

北川民次展「メキシコから日本へ」

先日、北川民次展「メキシコから日本へ」を観に行ってきました。

 

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場所は世田谷美術館。有名どころというよりも、今まであまり耳にしてこなかったような作家さんの企画展などやることが多く、必ず毎年何かしら訪れています。砧公園という大きな公園の奥にあり、週末は家族連れやワンちゃんも多く、平和な雰囲気が漂うとてもすてきな場所にあります。

 


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北川民次(きたがわたみじ)は20歳で渡米し、働きながら絵を学んだ後、1920年代のメキシコへ生活の拠点を移したあと、やがて日本に帰国し画家として活躍したそうです。

 

絵を学んだのはアメリカとのことですが、いわゆる縁取りがしっかりと描かれている版画のようで風刺画のようでもある独特の画風はメキシコのイズムをしっかりと引き継いでいるようでした。

 


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キュビズムを取り入れた全体のバランスも見事でした。

 


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そしてディエゴ・リベラと接見した記事をみつけて思わず読んでみると、民次がリベラとフリーダ・カーロの当時の家におじゃましインタビューした内容は大変興味深く、当時問題児として有名だったリベラが民次を大変歓迎し親切にしてくれたこと、いかに彼が日本のアートに執心し影響を受けたかを話してくれたとありました。他人事ながら我が事のように嬉しいです。

 

 

そしてよく見るとディエゴ邸が写真に写っているではありませんか!

(下記右上、私は見逃さない)


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さらにこれは民次が実際に描いたリベロとカーロの家です。めっちゃデフォルメされています。

 

 

 

 

本物はこれですよ~!

この家が民次の文献に写真付きで出てきてるあたりになんともいえないムネアツ感に包まれます。

 

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私がメキシコに行ったのはもう6年前になりますが、ここを訪れた日のことは今でも鮮明に覚えています。念願だったので感激しただけでなく、ここに行くまでと行ったあともかなり大冒険でした(路線バスに乗ったり迷子になったりした)。つくづく興味のあることはかたっぱしからやっておいたほうがいいものですね。

 

 

これも民次作品。カラフルで線がしっかりしていて配色も見事、やはり全体的なバランスがなんとも言えませんでした。正直どの作品もとてもすばらしかった。

 


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行ってよかった。

 


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今回の企画展のキービジュアルにもなっていたロバの絵。晩年は絵本画家としても活躍したそうで、世田谷美術館のキュレーターさんはこれを一押ししたのですね。

 


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すぐ隣りに飾ってあったメキシコ人の肖像画。かっこいい。

 


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これは民次が作った版画。かっこいい。

 


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民次が描いた絵本の挿絵の一部。あたりまえだけど上手い。

 


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民次がカゴメ社(ケチャップの)に頼まれて描いた本社ロビーの下絵、額装作品。

 


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ケチャップの会社だけにトマト農園をイメージした作品。

 


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どこか懐かしい作品ですね。

 


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民次作品にはどういわけが、カラーという白いお花がよく登場します。

 


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あと教会もよく登場します。

 


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トマト農園の絵の中にもたくさんのシーンがちりばめられていて、想像力をそれぞれ掻き立てられるようなすばらしい作品でした。

 


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図録、買ってくればよかったかな。。。

 

 

 

世田谷美術館にて。


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ここはいつもこういった普段なかなか耳にすることのない作家さんの企画展をやることが多く、個人的には大好きな美術館です。

 


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館内にある本館までのアプローチもめずらしいし、なんといっても全体的に見やすい導線設計となっています。いつ行ってもどこか新鮮味を感じるユニークな建築で大好きです。いつかここも老朽化なんていって建て直しになってしまったら寂しいと思います。

 


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11月はなにもかもうまくいかない月間だったのでとても疲れており(体力もかなり消耗した)、気休めに絵画鑑賞でもしようかなと思って行ったのがこちらでした。とってもいい滋養になり、やはりこのような時間が必要だなとしみじみ思いました。

 

公園を歩いて駅まで行く道中なんかもおだやかな気持ちになります。

 


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メキシコのアートはなかなか観ることができませんが、まさか当時現地で活躍している日本人がいることが今回はとても新鮮な発見でした。先見の目があったんですね。すばらしいです。民次の作品に嫉妬した画家も当時は多くいたのではないでしょうか。

 

 

 

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