世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

メリンダとメリンダ

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監督・脚本:ウディ・アレン
製作:レッティ・アロンソ
製作総指揮:スティーブン・テネンバウム


(あらすじ)
メリンダというある一人の女性が突然家にやってきた。
お金持ちの医師と結婚して数年前にNYを離れたが、その後音信不通になってしまった高校時代の友人だった。久しぶりに会った彼女は離婚し養育権を失い、挙句不倫相手に捨てられ自暴自棄のまま立ち直れないでいた。その彼女をしばらく滞在させることから、その周囲の人々の人生も少しずつ変化していく。

「例えばそのようなシチュエーションを軸に物語を展開してくださいと言われたら、あなたはどうしますか?」
というのが、今回のウディ・アレンの挑戦です。
全く異なる二つのストーリーが同時進行していく内容となっています。


どちらのストーリーにも冷え切った夫婦の関係や、大人になりきったあとの友情関係、悲しい過去のなれの果てなど、わりと悲しいモチーフが多く含まれているけど、考えてみればそれも現実的なよくある話。ウディのいいところはこれらを無理矢理結論づけることはしない。


「悲劇だとか喜劇だとかが重要なのではなくて、いろいろあっても楽しく生きてかなくちゃね」というメッセージが込められているような気がする。だからやっぱり彼の作品は好きだ。不思議なのはストーリーの中のセリフは結構ネガティブなんだけど、観終わった後にとてもポジティブになれる。そういう映画は本当に、稀。

どれをおいてもそうだけど身近な、誰しもが抱えるような悩みをゆるくゆるく押し付けずに描いた佳作。
流しながら観てもおもしろい。
深夜に何気に観ちゃった外国映画の類かもしれない。
そういうのって案外心に残ったりするし、こういうまったり感こそがウディ・アレンのセンスと言える。