お待たせ致しました。 ある日うちの近くのTUTAYAに行き「シャイニングのキングバージョンを探しています」と言ったら、 ストロベリーガムの臭いをプンプンさせたメガネの店員さんに「シャイニングはキューブリックしかないですよ」と白い目で見られ、仕方がないのでちょっと足を伸ばし大きなTUTAYAで発見するもレンタル中。ようやく手に入れたってわけです。 前置き長い?はい、いつもそうです。 さて!さてさて!! このドラマバージョンはキューブリックのと展開が全然違う!(みんなの言ったとおりだ~) 【1.トランス一家】 序章、長いですねー。長い。でもここでこのトランス一家の背景がじっくりわかる。ジャックは相当のアル中であったことや、DVで家族が崩壊しかけていた事、ダニーが特殊な能力を持っていた事。これらの背景を理解しておかないとラストが展開できない、ある意味必然的な前半のストーリーでした。ジャックのそんな背景なんてしらなかった。そもそもDVをしている時点でバツバツ!めちゃめちゃ冷たい視線でジャックを見る私。 【2. オーバールックホテルのしかけ】 これがジワジワとね~。あのボールはクリケットのボールだったのですね。なるほど、本当のエピソードはそういう事か・・・。双子の姉妹は出てきませんでした。あれはキューブリックのオリジナルな演出だったのですね。ギャングに殺されたオーナーの話とかも知らなかった。というか、ジャックの小道具は「斧じゃない!」ちょっと衝撃。そしてホラー独特の「驚かせる」シーンにも、いとも簡単にひっかかりビクッと体を震わせてしまう私なのでこの手の映画をみに映画館には行かない。 【3. 217号室】 あぁ~・・・・怖い。あれだけ入っちゃダメだって言ってるのに!しかも結構この部屋のシーンは長くておもしろかった。217号室の女性はジャックに絡みませんでしたね。シャワーカーテンの奥に潜む恐怖。。「サイコ」を思い出すなぁ。このシーンってキューブリックでもこっちでもそうだけど、めちゃくちゃ怖い!!っていうか、最高です、217号室の女。 【4. ジャック】 後半、観ていて思ったけど、やっぱり一番怖いのは人間そのもの。 ジャックが容赦なくウエンディを叩きのめすシーンはちょっと辛かった。最近映画を観ていてこういうシーンをみると悲鳴を上げてしまうので、やっぱり映画館には行けない。ものすごい感情移入ですよね(笑)。「あれはジャックじゃないのよ」といくらウエンディが言っても、私は「ジャックじゃん。」とまたまた冷たい視線を投げかける。ジャックはどんどん最低の人間に変わっていきました。自分の非力を認めようともせず、もはやコントロールする事もできず。心の弱いところにつけこまれたのね。と思って観ていたら・・・ すみません。 私、泣きました。 なになに?!キングのシャイニングってヒューマニティ溢れるストーリーじゃないですか! 悪魔に取り付かれた凶暴で下衆な奴、と思っていたらふいに「本当のお父さん」に戻ったジャック。 その一瞬にジャックがダニーに言うセリフ。 そしてホテルを出る時のダニーと残されたジャックの、最後の二人の心の会話。 あんなにジャックを毛嫌いしていた私は、ここでもまんまとひっかかり、ブィーンと鼻をかむ。 ジャック、あなたってとても素敵な人だったのね!!(←簡単) 10年後のダニーの卒業式にジャックが現れるシーンでとどめ刺されました。良かった・・・。 グッドエンディング。 (キューブリックのダニーは二度とお父さんを思い出したくないだろうし・・・) キューブリックのシャイニングが、謎のホテルを舞台とした恐怖をモチーフにした映画だとしたら キングのシャイニングは、人間性の恐怖がテーマですね。 いずれにしても、ホテルそのものが迫り来る恐怖を描いたキングはさすがです。 二つともそういう異なる視点から作っているので、甲乙はつけれませんね。 キューブリックの求めるヒューマニティってきっとキングとは異なるだろうし。 ダニーは最後までお父さんを信じてあげていましたが、私だったら信じない。 だから私の場合は、これまた容赦なくまっぷたつにされていた事でしょう! そして317号室の女になっていたかも(゜m゜*)プッ アディオス!