以前お友達にサプライズで頂いた本。
アマゾンで10円の叩き売りをしていたらしいですが、これって地味だけど結構な名作です。
アマゾンで10円の叩き売りをしていたらしいですが、これって地味だけど結構な名作です。
1.「激突」リチャード・マシスン
(あらすじ)
謎の巨大なトレイラーに執拗に追いかけられる話。以上。
これはスピルバーグの映画でも有名ですよね(確かデビュー作だったような気がする)。あのスリルと恐怖は本でもしっかりと味わうことが出来ました。原作は短編になっているのですが、あれを2時間もの映画にするってすごいなと思ってしまったわけです。
子供の頃、この「激突」が大好きで、テレビでやるたびに毎回ドキドキしたものです。だってあのトレイラー、
めっちゃめちゃ怖ろしいじゃないですか。あの嫌がらせと殺意。そして最後まで犯人の姿が出てこないところがいいんです。余韻がジワーッと残るので、痛快ハッピーエンドじゃなくて「危機一髪だったなぁ、フーッ!」ってため息をつく感じ。
この原作、その他の短編も面白かった。
この著者はそういった余韻のもたせ方がすごくうまい気がします。現実と空想の境界線の描き方が微妙で、平衡感覚が乱されるような、異常世界の中の不気味で暗い大人のミステリー。思いっきり悲哀がこもってます。
読んでから知りましたが、「トワイライト・ゾーン①」第4話(原題:Nightmare at 20.000 feet)の原作も彼なんですね。納得!だからおもしろいんだ。
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2.「クージョ」 スティーブン・キング
(あらすじ)
狂犬病に感染したセントバーナード(クージョ)に次々とかみ殺される話。以上。
映画化もされています(が、相当古いので見つけるのは困難を極めます。「クジョー」というタイトルで確かDVDにもなっています)。基本的には原作の方が断然いいです。なぜならキングにしては珍しくハッピーエンドではないからです。ラストあたりは結構切ないというか、つい本屋さんへ原作のラストだけを読みに行ってしまいました。映画の方は、コミック的なオチになっているので子供向けといってもいいかもしれません。
「クージョ」ではそれ以外に、田舎町に住む問題を抱えた二組のそれぞれの夫婦のお話も平行して展開していきます。相当の悪者も出てきます。浮気相手に振られた腹いせで、「お前の母ちゃんデベソ」的な嫌がらせをしちゃう、ちっちゃい奴だったりします。
クージョは、ウサギを追いかけて穴倉に顔を突っ込んだらクマのプーさんみたいに抜けなくなって、こうもりに鼻を刺されたのが狂犬病の発病のきっかけとなってしまいました。きっかけは意外とカワイかったりします。好奇心と穴倉には気をつけよう!
なぜにこれが長編なのかは謎ですが、結構おもしろかった。
初版は昭和58年になっていますが、むかし狂犬病って結構シャレにならないくらい怖ろしい伝染病だったんですよね。
みなさんもこの夏、レジャー帰りの高速道路。バックミラーにトレイラーが見えたらアテンション。
そしてクージョに噛まれないようにお気をつけくださいませ。