世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

週末ソウルー土曜日(三清洞:北村地区)

土曜日の午後はエステチームと街歩きチームに分かれて行動する事となる。


私はエステにあまり興味がないので街歩きチームとして友人と二人で次の地域、三清洞(サムチョンドン)へ向かいました。


ここは、都会の喧噪から離れた静かな地域で、伝統的な韓国の住居とカフェやアートなどの新カルチャーが融合された、ソウルでも個性的な場所の一つ。友人のガイドブックを見た瞬間から絶対にここははずせないと思っていました。


インフォメーションに立ち寄って散策マップ(日本語)をもらい、それを見ながらツラツラと歩いていくんですが、目にするもの全てがカメラ意欲を湧かせるというか。


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「韓屋造り」という建物が点在するこの地域一帯は北村地区と呼ばれるそうです。



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このように伝統家屋とジュエリーショップや古着屋さん、カフェなどが一体化しています。





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売っているものもこのような焼き物もあったりして、ただ歩いているだけでもワクワクしました。



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こういう風景は個人的にハマるショットなんです。


古きものがそのかたちを残しながら現代のものに馴染んで息づいている。








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カフェも山のようにあふれていました。

こういうソウル独自のアイデアとかカルチャーがしみ出ているようなカフェでお茶したかった!!

それがたとえ西洋化されていようが、そこにあるのは韓国のものに違いはない。



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しかもこの北村地区で特筆すべきは、地元の人が長蛇の列をつくるような食べ物屋さんが多い!!


絶対に間違いないに違いない!!


さっきケーキを食べてきた自分を呪いたくなった。




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焼きそばよりも、みんなが食べてる小龍包みたいなやつに惹かれました。




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そんな界隈を通り過ぎていくと、このような並木道の通りに出ます。

まだお目当てのスポットにはたどりつきません。本当はもっとみたい場所があるのです。




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インフォメーションのおばさまに訪ねても「どこかの小さな小道を曲がれば見つかるかも」と実に曖昧な回答が。友人から預かってきたソウルガイドブックには確かにイラストレーターの書いたかわいい地図が載ってあるけど、それは単なるイラストに過ぎず、アバウト過ぎて全く頼りにならない。

私はバックパッカーが染み付いているので「地球の歩き方」がとても恋しくなりました。
(あれも昔に比べたらだいぶ俗化しちゃって頼りなくなりましたけど)




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このあたりなんだけどな~と思いながら歩いていくとこじゃれたカフェがいっぱい!




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これもカフェ。



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急な階段が続く坂道の向こうは突き当たり。その道沿いにはおしゃれなカフェがひしめいています。


むむ!?

何やら上の方を見るともう一本道があるみたい?

あそこかな?

どうやってたどり着けるのだろうか??



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この階段をまっすぐ上ってもすぐに石壁に突き当たってしまう。

けれど絶対的な予感がする。

上に見える道の方に行けばきっと目的地にたどり着くに違いない!!

入り口を見つけるのだー!



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まわってまわって、少しなだらかな坂道を見つける。

そこを上っていくとまたまた穴場的なカフェ発見!

ほんと、歩いているだけでワクワクする地域なんですよね~。




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なーんて思っていたら、突然目の前に!!!!!!


これこれ!!!



これが見たかったんです。


お目当てのスポット、その1。










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これはこのあたり一体の地図が家屋の壁面に手書きで書かれたものなんだそうです。

かなりむかしの地図なんですって。

私たちが迷子になるのも無理はない。

だって地図で見ても分かる通り、これほど小道が入り組んでいるのだから・・・。






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この建物に沿って、狭い階段が上の道路まで続いています。






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道幅はとても狭いので、カメラを構える時は限界まで引かないと撮れません。




こういうのもとてもユニーク!




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こんな場所がソウルにあるなんて、全く想像もしていませんでした。






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そしてこのあたりからどんどん伝統家屋が見え隠れしてきます。

このあたりがお目当てスポット、その2。



お隣の国とはいえ、建物はやはり異なりますね。
天井が低くて平屋がメインだったようです。屋根が瓦であるところは同じ。こういう寒くて雪の多い場所では耐久性がある瓦屋根の方が一般的だったのかもしれません。玄関や柱は木造です。



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それにしても立派な扉。装飾も見事です。感心してしまいました。



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4時を過ぎた頃からだんだん曇ってきました。空気も少しピリッとしてくるように。






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ここはカフェといってもコーヒーではなく中国茶のようなものを出すお茶屋さんです。

ほそ~い松の木が何ともいえない奥ゆかしさをかもしだしています。

ずいぶん古い木ですね。

建物そのものはいくらか修復していることと思いますが、本当の古さはこういう庭木で分かります。





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屋根がうねっています。


すごい特徴的な屋根です。




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ソウルの概念がくつがえるようです。




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坂道は激しい急勾配なので、雪が積もったらここは絶対に歩けないです。







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そうは言っても坂道沿いに暮らす人々は玄関を出たらまずこの坂道と向き合わないといけないので、一体どのような靴で出かけるのか大変興味深いです。





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家並みはかなり高台にあるので風が吹いたりするととても寒そうです。





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さっきのお茶屋カフェが気になるので戻って入ってみる事にしました。




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お店の人は英語も日本語もできなかったけどすごく優しくて親切で、ここでも韓国人の親日ぶりに感動させられました。どうしてみんなあんなに優しくしてくれるのだろうか。


メニューの上から3番目のウジョン(雨前)というお茶を注文してみました。

「4月20日の前に取って」とやたら書いてあるんですが、4月20日は一体なんの意味があるのだ?!



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でてきた茶器がまた意表をついた。


ほんとにステキ




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でも出てきた時は「????」でした。


まず左の茶色と白の斜線模様のものから時計回りに説明すると、

1. 急須のふた置き
2. 落花生のかたちをした木製の茶こし
3. お茶椀(これで飲む)
4. お茶うけ(いったん茶こしを使ってお茶をここに入れたら、3.のお茶碗に入れ替える)
5. 急須



茶葉が少ししか入っていないのに結構濃い味でました!!



友人は蓮の葉のお茶を頂きました。



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店内は靴を脱いでお座敷でこのように中庭に面してお庭を楽しみながらお茶します。

我々の席はたまたま離れのお座敷で、テーブルが2つしかない席でした。

奥にはオトナのカップルがヒソヒソと静かに会話しておりました。



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大満足。

こういう時間の過ごし方がしたかった。



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外を出ると、あたりの景色は三清洞(サムチョンドン)の一帯を見下ろす事もできて、遠くには小高い山もみえました。セザンヌの描いたヴィクトワール山にとてもよく似たかたちの山でした。






そして、それは大きな大きなオレンジ色の夕焼けが。






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完璧。


パワフルで雑多なだけじゃない、あまり知られていないもう一つのソウルの姿をこのようにお届けできて、個人的にはとても嬉しく思います。