あんなに楽しみにしていたグアナファト、時間が間に合わず事前リサーチほぼゼロ。
ランチの店も無難に「地球の歩き方」に頼ることにします。
すごく混んでいましたが、一人で食事するにも気後れすることのない雰囲気。
お昼のセットメニューを頼みます。
これは薄味のオニオンスープに、タスコでも食べた薄焼き揚げ煎餅みたいなのが浮いています。鳥の皮なのかトルティーヤなのかがわからずじまい。
これもいまだになんだか分からないのですが、味は茹でたブロッコリーの茎そのもの。
もしかしてサボテンなのかなあ。
チーズと塩胡椒で味付け。あっさりしてます。
牛肉のシャンピニオンソース風。これってメキシコ料理じゃなくね?
まあ全体的に写真を見てもわかると思いますがあんまりパッとしない(すみません)ので、お会計すませてさっさと出ます。
お店の雰囲気は悪くないので、「なんでもいいから腹ごしらえしたい」時はいいと思います。
じゃあ早速お散歩しましょうかね。
ここのソカロ(メキシコの町には必ずある中央広場みたいな公園です)は、正確な長方形をした樹木が特徴的でした。
その樹木の下がオープンテラスになっていて、たくさんのレストランやカフェが並んでいます。
今度旅をする時はあえてこういうところで食事なりお茶しよう。
広場の前には大きな劇場がありました。とってもヨーロピアンな造りになっています。
古い教会もあります。
この街の特徴は「カラフルな建物」につきます。
建物のどこかしらにカラフルな色が入っています。
もし私がここの住人で「一色選んでいいよ、おたくの家の壁の色」って言われたら迷わず即答でピーコックブルーを選びたい。
この色、メキシコでよく見かけた。
メキシコシティ、ローマコンデサ地区の一角や、
バラガン邸の前にある庭や、
フリーダカーロ博物館などもそうだった。
昔雑誌でピーコックブルーの壁の部屋を見てとっても感動し、実際にやってみたいと思ったけれど、まず日本にこの色のペンキがない(ベンジャミンムーアでも取り扱っていなかった)のと、やっぱりコンクリートに直塗りじゃないとこういう色は出てこないかもしれないと思います。壁紙に塗ったら結構色がキツくなるかもね。
なんてことを考えながら散歩しています。だから退屈はしません。
それにしてもメキシコ人の色彩感覚には恐れ入る。
あとで知ったけど、この街に「くちづけの小道」という場所があるそうです。はす向かいのお互いの窓から身をのり出すとくちづけができるほど狭い道、という所以らしいですが、この辺りも建物が密集していますね。家族喧嘩もきっと丸聞こえです。
メキシコの地方都市、どこに行ってもほぼ登って下ってを繰り返してきたような気がする。平坦だったのはオアハカくらいか。
ただいま「マッチ箱を散りばめたような街」のど真ん中にいます。
先端恐怖症の人は失神するであろう有刺鉄線。
なんだろうね、猫防止かな。
こういう段々になっている町というのはどこに行っても絵になる。ギリシャのサントリーニやクロアチアのコルチュラ島なんかの場合は、この奥に真っ青なエーゲ海なりアドリア海が見えるんだからいいですよね。老後はそういうところで一年の半分くらいのんびり日向ぼっこして暮らしたいです。
油絵に描きたくなるような風景です(描けませんけど)。
広場におりてきました。グアナファトの中心地は横に広くて、ソカロ以外にも街のヘソ的広場が点在しています。
観光客も多いけど地元住民もすごく多い。学校とかもこの辺にあるようで、小学生がわらわらと建物から出てきました。
ジューススタンド。
街のシンボルの教会。
きれいなところですね。
あ、そうそう。この広場でアイス食べました。レモンだったかな。
こうやって写真を見ていて思ったのですが、グアナファトは他のメキシコの地方都市に比べてより植民地時代の名残が強いですね。街並みがすっかりヨーロッパに似ていてだから何となく懐かしさというか、親しみやすさを感じるのかもしれません。もともとこの街も鉱山で栄えたらしいのですが、今は外資資本と観光業の二本立てのみならず、グアナファト大学という歴史ある大学のおかげで地元人口も多く、経済としては潤っている印象がありました(人も車もとにかく多かった)。日本の車メーカーも多く進出していてこの街周辺に暮らす日本人もかなり多いらしいです。 メキシコに暮らすってどんな感じなんだろう。一昔前のイタリアみたいな感じなのかなあ。きっといろいろ大変なこともありそうな気がするけど、その分生きていくことそのものにもたくましくもなるのでしょうね。
グアナファトを歩いている時も例外にもれず写真撮りまくりだったんですが、何となくこの「作り上げられた虚構」みたいな雰囲気に実はいささか辟易していました。もっと素朴な町並みを期待しすぎていたのかもしれません。
だけど、こうやって旅行から2年半が経ち、コロナになって往来が非現実的になると、いつでも好きな時に飛び立てると思っていた世界が少しだけ遠く感じて、グアナファトはもっともっと遠く感じます。2018年から2019年、2020年は自分にとってもいろんな出来事や転機が続き、その疲れが今どっと来ているような気もしていて、この不自由な期間もちょうどいい休憩期間だと感じるようになりました。今はちょうどMAXやる気なし子なので、どのみち旅には行かなかったと思います。
しいて言うならパリのマティス回顧展を観に、ふらっとパリに行ってささっと帰ってくるくらいはやりたかったかな。パリはロックダウンとテロでもう当分叶わなそう。残念です。
さて、次はこの街のハイライトへ移動します。
ヒントはあの山の上の銅像みたいなところです。
この写真に写っている建物、丘の中腹一番上Cの文字が書いてあるホテルはどうやら街の絶景を眺められるらしく、本当は泊まりたくてそこまで歩いていってみたけど満室でダメだった。そういうバックパッカーの名残みたいな行き当たりばったりも嫌いじゃないけど、時間が限られている場合は無駄以外の何ものでもありませんでした。深く反省。