さて、次なるメキシコの旅先は、
サンクリストバル・デ・ラス・カサス
という町です。
一度じゃ絶対に覚えられないので、日本人はほぼみんな「サンクリ」と呼んでいます。
が、なんかそういうの恥ずかしいので私はいつもこの町をわざわざフルネームで「サンクリストバルテラスカサス」と呼んでいます。口頭ですと時々最後のほうがうまく言えなくなるのですが、筆記の場合はMacがそのうち予測変換してくれるので大丈夫だと思います。よろしくお付き合いください。
さて、このサンクリストバルデラスカサスという町は、実に興味深い。実に実に興味深い町です。オアハカは観光客向けのカラフルな中南米の素朴な町、に対してサンクリストバルデラスカサスは「本気の原住民」が住んでいる歴史深い山里の町です。
ただ問題が一つありました。
オアハカからサンクリストバルデラスカサスまでは夜行バスしか手段がないということです。
またこのパターンか。。。
ええ、慣れてますよ。海外で夜行や長距離バスなんて。夜行列車でモロッコからイタリアを三日かけて横断もしたし、スペインでは駅前で野宿だってしたことある。でもあれは大昔のこと。そろそろ徒労あふれる移動パターンはもう卒業したいしメキシコで夜行バスって第一怖い。
飛行機で行けないかなと調べてみるも、
だってサンクリストバルデラスカサスのあるチアパス州はすぐお隣りなんだもん。
現実を受け止めしぶしぶ夜行バスで移動することに。
今回サンクリストバルデラスカサスに行くにあたり、こちらのブロガーの方の記事を、それはもう100回くらい熟読しまくったのではないかと思います。この場をお借りして感謝御礼申し上げます。
この方もほら、夜行しかないって。
この、最後の「皆様どうかお気をつけて」が、予測もできない恐怖をあおりました。
夜行バスはインターネットで予約かな。と軽い気持ちでいたところ、とんでもなく胸くそ悪い思いをしたので記述だけしておきます。
メキシコは大きい国です。従って長距離バスが縦横無尽に走っているのですが、あいにくまだ予約Webサイトのインフラが追いつかず直接バス会社にコンタクトができませんでした。従って、私はおまとめ予約サービス「ClickBus」を利用しました。※2018年3月時点
- こちらは基本的に一等車のみ扱っているバス会社を集めた予約サイトのようです
- サンクリストバルデラスカサスまではADOとOCCという二社がありましたが、いずれも一等車で差異はあまりなさそうです
- 事前座席予約ができました
- 早期割引がありました(1ヶ月以上前だと結構安いみたい)
- クレジットカード決済でした(心配でしたが特に問題はありませんでした)
- E-Ticketなのでバウチャーを必ず印刷して持っていきましょう
もちろん現地バス乗り場のターミナルにある窓口で購入も可能ですが、オアハカはとにかく時間がない一日滞在だったので、当日乗ろうと思ったバスが満員で乗れない、とか、バスの窓口を探して観光する時間がなくなった、などというリスクは取りたくないので絶対web予約!と決めていました。
いや〜参ったのが、私が去年このサイトを予約した時はスペイン語オンリー。なので絶対死んでも間違えないように真剣に予約の手順を踏みました。そもそもメキシコのどこの馬の骨かもわからないサイトでチケットの予約をすること自体がリスクをはらんだ大冒険なのに、言語がスペイン語一択なんてハードル高すぎ。まばたきもせず涙も乾いたんじゃないかってくらい目をしっかり見開いて真剣に、1)日付、2)時間、3)出発地、4)目的地、5)早期割引プラン、7)希望の座席番号、8)クレジットカード番号を、50回くらい確認して「購入」ボタンを押しました。
するとGmailに無事コンファメーションが送られてきて、どれどれと内容チェックしていたら。
乗車日付が違う。
なんでーーーーーーー!!!!!!!絶対に間違ってない自信ある!!!!
だって元々信用してないもん!!!!泣きたいけどもう涙も乾いてるよ!!!
早速カスタマーセンターにメール。
「すみません、日付が違うからなおしてくれませんか」
数日応答なし。
「すみません、先日もメールしたのですけど日付が違うのでなおしてくれませんか」
数日応答なし。
「すみません、またメールしますが日付が違うのでなおしてくれませんか」
やっと回答。よくわかんない英語だったけど、日付が正しく訂正されたコンファメーションが届く。どれどれと確認してみると、今度は値段が違う。バウチャーには403ペソと印字されているのに、カードは559ペソでチャージされた。
「こないだはどうもでした。でも値段が間違っているので確認してもらえますか」
数日回答なし。やっときたかと思ったら全部スペイン語に舌打ち。スペイン語分からないです、と返信したら英語でこう回答がきました。
予約を変更したら金額はその日の適用レートになるのです。Terms and Conditionsをよく読んでご理解ください。
「でもWebサイトには今日の段階でまだ403ペソって表示されていて、どこにも559ペソなんて表示されていませんが?」と食いついてみるも、
そこからはもう徹底的に無視されました。。。
ムカつく悪徳窓口め。
でもふと気づいたんです。約160ペソの差額。日本円にするといくら?
160MXN= 877JPY
あほくさ。
たかが877円のためにガミガミ言ったところで時間の無駄。安い勉強代だよこんなの。
と思い直し、バウチャーのコピーを予備含め5枚くらい印刷して持参しました。
それがこちら。
シート番号は4。これが重要。一番前の窓際、運転手さんからすぐ近く!
これを狙いたくて事前予約したようなものです。あ〜これでもう安心💙
ほら。
これで何かあってもすぐ運転手さんに助けてもらえる。
これぞ秘境で夜行バスに女ひとりが乗るためのコツ!
危機管理&安全第一でレッツゴー!
と思ったら、出発間際になってそれまで空いてた隣りの席にオヤジが乗ってきた。
絶対に違うシートを予約していたくせに間際になってちゃっかり移動してきたふとどき者😡!しかも、、めっちゃくちゃ香水臭い〜〜〜😡😡車酔いするからほんとにやめて〜。夜行バスなのにわざわざ女性の横に来るってどういうことー??怪しいしくさいし予約もしてないくせになんなの!
もうカンカンになって眉間にしわを寄せながらおもむろにマスク装着。海外では滅多につけない日本人特有の白マスク。今回は少しでも香水臭をガードしたいので問答無用で即装着😡😡😡もう憂鬱&イライラで超不機嫌マックス。
が。
メキシコの長距離バスってテレビで映画とかドキュメンタリーを放映するようで、この日はアフリカの野生動物の番組を流しておりました(一番前の座席なのでスクリーンもバッチリ見えるのです)。これがちょっとおもしろくてつい興味がいってしまい、野山を駆け巡るチーターの様子にすっかり魅了されておとなしく番組に見入る私と割り込み香水オヤジなのでした。あのオヤジ、もしかしてこれが観たくて前にきたのかな。
ということで、チケット予約から始まりここまでたどり着くのになかなか時間を要しましたが(日付変更のあたりは大奮闘しました)、めんどくさいことはもうある程度お金で解決しようという開き直りが旅を少しでも心地よくする秘訣の場合もあります。とはいえ、間違ってるものは間違ってると正々堂々言い切るべきだと思います。
ちなみにメキシコ内で長距離移動するときは(特に女子は)問答無用で一等車がいいと思います。二等車ですと時間がえらいかかるらしいのと、バスターミナルが辺鄙なところにある場合も多く、明け方あるいは夜暗くなってからそんなところに行っちゃうのはちょっとあり得ないと思います。身ぐるみ剥がされるか負傷するかレイプされるかの危険度がぐーんと上がるのでやめましょう〜。オアハカは治安もイメージもすごく良いのですが、先述の通りいきなり危険センサーが発動したエリアもありました。あとで知ったのですが、危険探知したあのエリアは二等車長距離バスの発着所があるところでした。 怖い。バックパッカーは基本貧乏旅をすることに意義があるのだけど、メキシコをなめてはならない。ここではやっぱり二等車って避けたほうが賢明な選択です。体力温存とリスク回避のための数千円は出し惜しみしないように。
なお、夜行長距離バスに乗るときのお約束。
- 冷房がキツい場合が多いので厚手の上着必須(いらない場合は枕になる)
- 腹巻きベルトにとにかく貴重品全部入れたら上着をすっぽりかぶって二重ガード
- イヤホンはしない。No music protects yourself.
- っていうか、iPhoneを人目に触れさせないのは鉄則も鉄則
なお、オアハカ一等車バスターミナル(ADO/OCC)の乗り場の情報は、上記ブロガーの方の記事をご覧になってください。2018年5月時点でも完璧にあってました!
(ただ一等車バスにwifiはありませんでしたがどのみち使わないので問題なし)
追伸:確かTripAdvisorだったと思うんですが、このオアハカ=サンクリストバルデラスカサス路線はとにかくクネクネ道が多くて激しく車酔いするとの情報を複数の外国人がよせていました。おそらく道路がきちんと整備または舗装されていないとか、バスのクオリティーが良くないだとか、そういうのもあるんだと思います。よみがえるトルコのバス、、、。いろいろ鑑みて日本から酔い止め薬を持参して服用しました。おかげで爆睡しちゃったけど、一応防犯対策はしっかりした上での話です。基本的には爆睡もほどほどに。割り込み香水オヤジも大丈夫で、明け方にどこかの町で降りて行きました。
アディオス。