オアハカ、町歩き続編。
実はこの後訪れたもう一つの小さな町とこのオアハカの記憶がかなりグチャまぜになっており、どっちがどっちだったのか記憶の糸がなかなかうまく解けない。
なんでかというと、いずれもソカロを中心とする街の区画が全く同じカタチをしているので、思い出そうとするとそれぞれがオーバーラップしてしまうから。
なだらかに走る通りと低層階の古い建物。歩行者天国のような賑わい。
メキシコ地方都市の特徴なのかな。
なぜかホッとするから不思議だ。
テキスタイル美術館を発見。
入場料無料でそういえば藁みたいなので作った創作物の企画展みたいなのもやっていた。
おお!オアハカ州の民族衣装の展示コーナーに胸踊る。
こういうのが本当に好きで。きっとそれぞれ絵柄に意味があるのだろう。
昔ながらの機織りもあった。
ミシンも使いこなせない私が機織りを操るとは到底想像もできないけど、できることならやってみたい気もする。
美術館、この壁もシビれた。
普段は日本にいて極力シンプルなデザインばかりに見慣れているから、この壁みたいに土壁風の素材を使って風通しをよくしたり光を取り入れたり陰影をつけるという五感に染み渡ってくるようなデザインを見ると、はっと気づかされるような、小さく心が揺さぶられるような気持ちになる。これこそが旅の醍醐味じゃないかな。少なくとも自分にとっては。
これも美術館のエントランスからパティオに続くアプローチ。
実に見事。
ここにはどうやら空間づくりのプロがいるみたい。
この美術館に刺激を受けて(流されて)ふらりと立ち寄ったお土産やさん。
いや〜ここはマジでテンション上がってめちゃくちゃ買い物してしまった。
オアハカ刺繍のお洋服が欲しくて試着までして買った。
お土産も買って伝統の置物も買ってたったの三千円くらいだった。
現金がないのでおそるおそるカードで決済したけど、スキミングされたとか金額ごまかされたとか不当な請求をされるなどの事件は帰国後チェックでも一切問題なし。
ただし中国製じゃないかどうかだけは念入りにチェックする。そういう意味では正規店で買うのは強い。と思うけど、イタリアのパターンもあるからなあ。。なんともいえない。
町歩きに戻る。
大学生らしき団体がたわむれる裏通りにあったカフェ兼お庭。
ここは通りがかりに見つけた、もともと泊まろうと候補にしていたホテル。
緑あふれるパティオが気に入ったのになんで泊まらなかったんだろう。
多分これから夜に乗るバスターミナルから遠かったのと、一泊だけなら安い方がいいと思ってケチったのだと思う。我ながらセコいけど、移動は楽な方がいいから。
休憩〜。
家族経営のカフェで、7歳くらいの女の子がうやうやしくサーブしてくれたのでチップはずむ。
コーヒー、美味しい。
この辺りからメキシコもコーヒーが美味しいことに薄々気づく。キューバも想像以上に美味しかったけどメキシコも負けていない。いいね。日本でもフェアトレードとかでメキシコやキューバの豆をもっと積極的に入れればいいのに。社会貢献にもなるしコーヒー党も満足するに違いない。
再び町歩き。
青年街角楽団を発見。
今度は今まで歩いてきた方と反対側のゾーンを攻めに行く。
この平屋建てのカラフルな壁に吸い込まれるように歩き進む。
ムラのないきっぱりした朱色。ダイヤのくりぬきと白の縁どりがアクセント。
これはいかにもメキシコなブルー!
ブルーと緑と茶色っていうのが本当に衝撃だった。
山吹色とクリーム色のグラデーションにブルーの文字、グレーのタイル。
シビれる。
うう。。。
この通りは一体なんなんだ。
きっとオアハカのおしゃれピーポーがいるエリアに違いない。
窓際でギターを奏でる少女。絵になりすぎ。
ぜひともカフェに入ってみたいところだったけど、さっき7歳くらいのうやうやしい少女のところでコーヒー飲んだばっかりだし、お水関係はまだ怖くて躊躇しちゃう。だから泣く泣くスルー。
カフェに入りたい理由はただ一つ。
インテリアがみたい。
(だったら入りゃよかったな)
レストランも入ってみたかった。ここはメキシコ名物モレのオンパレード。
(私が昼に食べたのはモレヴェルデ。モレも種類があって黒いのとか緑とかある)
ここはアジアンレストランみたい。友達と訪れたいような場所。
メキシコ、やばい。。。もろ、好みかも。
数年前に初めてトルコを周った時にも感じた、素朴な居心地の良さをここでも感じる。
土、木、石、植物、毛糸、綿。
そういう素材を組み合わせてここまでの表現ができるということに衝撃が走るような気持ちになった。
バランスって単なる色合わせだけじゃないんだなって。
素朴でかわいい。両手を引かれたお子様もかわいい(笑)。
巨大なハリボテの人形!
アンティークショップがとにかく好き。蚤の市も好き。
日本には絶対ないようなものがあるから。
今度蚤の市一人買い付けツアーしに行こうかと思ってるほど。
いい建て構え。屋根の壺もいい。
向こうには山が見える。そろそろ夕暮れになってきた。
メキシコは訪れた5月の季節、日暮れはおおよそ19:30。
ぼちぼちホテルのそばに戻る。
ホテルのそばもすごくきれい。ゴミも落ちてないし怪しい人もいない。
リヤカーのお店もそろそろ閉店。
夜になると今度はバーが出現し、大人の時間で賑やかになる。
この建物の屋上はバー兼レストラン。
ここもそう。
温度に敏感で日光を嫌がる日本人とは対照的で、屋外を好む人たち。
断然外の方が気持ちがいいよね。
お散歩中に見たレストラン、行ってみたいけど一人旅が夜に行くのは至難の技。
ということで、昼間から目星をつけていたタコス食堂。
メキシコ上陸初タコスだったので、とても期待したわりには普通。
とうことで、ホテルに戻り荷物をピックアップし、地図を何度も確認して頭に叩き込んでからフロントにお礼を言ってホテルを出る。
オアハカ、お金すっからかんになりかけて本気で落ち込んだけどなんとかことなきを得て、町の美しさにすっかり心酔し、もっともっともっといたかったと、後ろ髪をずるずるズルズル引かれながら後にした。
オアハカ。たった一日だったけど一生忘れないと思う。
なんといってもキューバショックから私を救ってくれた最初の町だしね。