世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

「バスのチケット一枚ください」


このブログの中で個人的に気に入っているカテゴリーがこの「イタリア悲喜こもごも」です。今繰り返し読んでもつくづくユダヤ人に間違ってポークエキスの入ったラーメン食べさせちゃった友達の話は笑えるし、ボヤ騒ぎでバイトの上司にボロッカスに怒られてふてくされたあの日も鮮明に覚えているし、バスの無銭乗車でコントロールに捕まって嘘ついたことや、フィレンツェで濡れ衣着せられたあの日も全く昨日のことのように覚えています。ついでにいうと、モロッコでも嘘をついてバレてボロッカスに怒られたことや、友達が自分の国籍を韓国と英語で伝えようとして間違えて北朝鮮って言ったせいで捕まりそうになったことや、イタリアの滞在許可証を見せろと言われたバーリの駅での話、偽造クレジットカードが入った箱を駅のトイレで見つけて真っ青になった知人の話がすごく怖かったのをいまでも忘れられません。


イタリアに住んで本当にいろんなことがあって、もちろん文化の違いだけじゃなくて言葉の壁も随分あったし「そんなのおかしいだろ」ってことももう本当に数えきれないほどあったしめっちゃくちゃ怖いこともたまにありました。でもまあ人というのは絶体絶命の危機に立つと処世術を必ず学んでいきますので可愛い子には旅をさせるのは正しいと思います。そういういろんな経験が自分を力強くしていくのだから。


私が海外を一人で旅行することを好む理由はもう何度も書いたので細かくは書かないけど、これだけは言えるのが、海外の地に足を踏み入れた瞬間に自分の中でスイッチが切り替わる感覚はあります。身構えるというのもあるけど、それと同時に昔の防衛本能がすっと降りてきて、めちゃくちゃ自分に自信が持てるというかすごくしっかりするようになる。それがとても心地がいいというのは事実すごくあると思う。いまでもたまに戻りたいなと思うこともしょっちゅうだし、あの頃も「またいつでも戻ってくるだろう」と思っていたから日本に帰ってきたんだけど、所が変わったからと言って人生が変わるわけでもないのもよくわかってるし、何よりも住むところを探すのがめんどくさい。だから海外に住みたいと思うのを躊躇する。アパートくらいで?と思うかもしれないけど、そうなんです。旅行と滞在はぜんぜんわけが違うから。


ああ生まれてきてよかった。そう思える時がなんべんかあるだろう。その為にいきてんじゃねえか。と、寅さんが言っていた。そうか。自分にはそう思ったことがあっただろうかと振り返ってみるけど、残念ながらそんな風に客観的に思ったことはまだないです。寅さん、私は未熟者のようです(涙)。だけど、近頃人生とは疑問を持ち続けることなんだなと思うわけです。なぜだろう、どうしてだろう、いろんな不満を解決することがゴールだと思いがちだけど、別にそれが全てじゃないんじゃないかって思いました。だってどのみちどう転がっても不平や不満はまた生まれるものだし、それよりもどういうふうに生きていくのが理想か、というのをイメージしてみてそれに近づけるようにすることの方がもっと建設的で、たとえ周りにとやかく言われようがそんなの全く耳にすることなんかもないと思う。私はだれかに何かを強要するようなことは絶対やらない。だから同じように自分もだれかにとやかく決めつけられるのがとても好きじゃありません。


こんな自分なものですから強いと言われることもあるけれど、強くなんかありません(弱くもないけど)。強いふりをしているだけです。私はこの言葉が嫌いで昔からわりかし敏感です。だからそんなこともわからないのかと憤ることもあります。みんなそれなりに色々あるんだから。



話は脱線したけど、ようは今日何を言おうかとしたかというと、イタリアに行く時に「これだけは」というフレーズを一つだけ覚えていったことを今日ふと思い出したのでそれを書きたかったのです。だいぶ脱線してすみません。

今思えばなぜに?!と思うけど、これが実際役立ちました。


Un biglietto dell'autobus, per favore.


テレビのイタリア語会話で当時ジローラモがカメラ目線で何度も繰り返していたフレーズです。


バスのチケット一枚ください。


un biglietto dell'autobus, per favore. は私が覚えた記念すべき使える日常会話の最初のフレーズで、2014年に久々にローマに行った時も、バールでバスのチケット買う時に使いました。実に懐かしかったです。



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写真は私が通っていた学校のある la piazza dell'orologio(時計広場)。
でっかい時計がついてる塔がありますけど、あの二階に教室がありました。



この話、前もしたかな。
だとしたらすみません。長くブログやってるともういろいろ忘れます。