世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

④モロッコの従兄

さて、コーランの祈りで目を覚ました後の二度寝のあと、いよいよ張り切って市内観光へ。
前日の列車で出会ったとっても優しい人の紹介で、ガイド(いとこ)と待ち合わせの駅前へ。

駅前は常に賑やかで、たくさんの人。車。都会。
その雑踏の中で私達は自分らの幸運に感謝しつつ、素敵なガイドを待ち受ける。

すると人ごみの奥に何やら怪しく丸いサングラスをかけた長身の男がこっちを見ている。
その男は私達を見るやいなやどんどん近づいてくる。
ま、まさか・・・・・。
「こんにちは。俺、ガイド」超不満げな顔。
いささか不安を感じつつ、挨拶をして私達は車へ乗る。前日の優しい人とは従兄と思えない程の悪人顔。
「やばいかも」と思いつつも旅友が「銀行によらねばならぬ」と申し出るとムッとした顔で銀行へ。
待ってる間もずーーーっと無愛想。
いやなのか?え?ガイドが嫌なのか?

まぁいいやと思ってフェズの旧市街へ向かう途中、車は急にスローダウン。
従兄は一気に不機嫌倍増。従兄は車を降りる。はい、タイヤパンク。
「チッ!!!!!」と大きい舌打ちをしてそこから今度はタイヤ交換を始める事30分。
旅友は「そんなでっかい舌打ちせんでもいーやん」と苦笑。

そんなご機嫌ななめの従兄と、さぁフェズの旧市街へ行きましょう。

これはフェズ旧市街の「町並み」。通りは全部こんな感じで人がひしめきあってます。
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運搬法は全てロバちゃん!!!
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道幅が狭いので車は入れないのです。ありえない量の荷物を担がれしんみり歩くロバちゃん。
このおじさんが鬼のようにみえた。頑張れロバよ。
従兄は相変わらず黙々と先を歩く。会話は全くないけど私達はここで異国情緒に興奮気味。


するとある絨毯屋に連れて行かれる。買うつもりはない(バックパッカーだし)のにミントティーをだされておもてなしされたけど、買わないと分かると従兄は「次!」と店を出る。写真なんて撮る雰囲気は全くなしでした。

通りかかったパン屋さん!釜の中に入ってるみたい。パン屋さん、アナログでいい感じ?
従兄はつまらなそうに「次!」
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お昼ごはんは、現地では高級店と思われるような誰一人モロッコ人のいない店に連れて行かれ、タンジールというモロッコ料理を食べました。おいしかった。私達の通貨で考えたら安かったけど現地通貨では結構高かった。従兄め~。ま、ここはおいしかったのでよし。でも従兄は相変わらずムスッとしていて会話もなく、気まずい空間がひたすら流れる。すると店員さんがバラ水をふるまってくれました。これがとってもいい香りで私はすぐに気に入った。
それに感づいた従兄、「次!!」

連れて行かれたのはバラ水を売っているお店。
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散々そこでお勧めされて結局買わなかったのよねー。
というのは、どこに行ってもそうだけど「とんでもない押し売り作戦」なのですよ。「つかんで離さない」みたいな。うざいんですよこれ、ほんとに。
あれあれ、従兄はもっともっとご立腹に。

そしてモスクだの何だの(嫌々)連れて行かれたけど私達も結構疲れてきた。そしたら従兄はこういう。「おい。写真撮んねーのかっ!」(←遂にキレる)
仕方ないからおとなしくシャッターを切る。でもこれ、空シャッター。
だって撮りたくないところで撮りたくない。
旅友に「ねぇ、写真本当に撮ってる?」と聞いたら「まさか。全部フリだよ。」
笑えた。

あの優しい電車の人はこういった「よい旅を」。

お次はいよいよ「あの皮染めるやつみたいね」です。