これは去年読んだ本なのでもう忘れかけていますが、タイトルの通り現代イギリスを生きる外国人のそれぞれの物語です。
アラブ系、アジア系、中東系のそれぞれの移民が登場しますが、移民と言ってもほとんどが英語をそつなくこなしイギリスに生まれイギリスに育ったという背景が根底にあります。小舟で海を渡りこっそり入国した移民とは全くわけが違います。そしてこれだけイギリスに住むごく普通の外国人ですら「無意識的な差別」を感じることがある、というのを、それはもう難しい文章で綴っていました。
昨今のブレグジットにおいて、イギリスにすむ移民は一体どうイギリスを感じているんだろうと思って手に取りましたが、私もイギリスにはちょっとしかいなかったしそれもずいぶん前のことなので、現代若者たちの主観がイマイチわかりにくかったです。時代が変わり感じ方も取り巻く環境もだいぶ変わったのでしょう。
自分の生まれた国じゃない場所で暮らすのはけして楽なことじゃない。だけど、生まれた国がたまたま外国でそのまま生きてきた人は、見た目は外人でも振る舞いや生活スタイルはもはや外国人ではない。その人たちは一体イギリスをどんな目で見ているのだろう、そして彼らはどのように移民という自分のもう一つの姿を受け止めているのだろう。という疑問を持って読み進めましたが。
正直よくわかりませんでした。
でも、世の中ってそういうものなのかも。
海外にいれば例えば隣の部屋に中東の人が数人で住んでて言葉が話せないから全くコミニュケーションが取れないとかよくある話で、それぞれいろんな事情で生きてるわけだから、何が正しいとか何が悪いとかいちいち気にして生活なんかしない。移民としての主張はもちろんそれぞれあるのだろうけど、だからと言ってイギリスが悪いのかというとそうとも言えない。ある程度広い懐で許容してきたほうだと思うから。
どうしても一国主義の強いところは何かというと移民を問題に取り上げる。だけど正当にビザなり身分証明証を所持して真っ当に生きてきた移民は少なからず国に税金を払っている。今後人口がますます減っていくイギリスはその恩恵によるインパクトは少なくないはず。労働力も国益の一つと考えれば、移民対策をどこまで本気で考えているのか頭をかしげたくなる。結局投票獲得のための国を挙げたプロパガンダなのだとしたら、国民はもう少し冷静に判断するべきだと思う。じゃがいも耕すだけじゃもうやっていけないんだから。
よくヨーロッパの人は移民のせいで就職難になるというけれど、それは単に努力して勝ち取ればいいだけの話だし、留学生なんかはみんな住み込みのベビーシッターや皿洗いで食いつないでいた。そんなことを言う人は単に底辺の仕事をやりたくないと選り好みをしているだけなのではないだろうか。現に先日も知り合いのヨーロッパのある国の人が「移民のせいで仕事がない」と今のこの時代にまだ言っているのを聞いて耳を疑ってしまった。一方で犯罪率を加担しているのは移民が原因の場合もあるので、ネガティブな要素がそんな発想を助長しているのも致し方ないことだと思う。
と、つらつら書きましたが、実は日本もイギリスと似たような状況に陥ってきているのではないかと近頃思うわけです。少子化で働く人がいない=外国人労働者に頼る、という今後の見込みは確かに間違いじゃないんですが、今もうそんなに少子化の影響受けてるのだろうか。単にコンビニは安い賃金で賄えるから積極的に外国人を雇ってコスト削減しているだけなのに、それを働く人口が減ったせいだ、とは言い難いのではないか。何か、私たちは目の見えないものに操られているような気がするのです。
そんな固いめくるめく想像を馳せながらコンビニでお気に入りのポテトチップスを買って帰るのでありました。
もう眠くなってきたのでろくに見直しもせずにアップします。
乱文乱筆誤字脱字があればご容赦を。