世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

ウチヒサールの House of Memories

昨日の夕方にホテルのそばの見晴し台から遠く眺めていたウチヒサールの町。



イメージ 1



それが今や目前に。


イメージ 2



振り返るとこんな景色が広がっていました。
ああ失敗した。下りの方が景色がキレイだったかも。。。


イメージ 12



進みます。
もはや地図はなんの訳にも立っていません。
地球の歩き方、ギョレメでもらった地図、どれもここの詳細の地図はありませんから、自分の勘で進むしかありません。


ここが入り口。
人っ子一人いない。


イメージ 22



昨日カメラの望遠で見た小さな窓の集合体はやっぱりホテルであった(多分)。

イメージ 29


岩肌というか山肌というか、そこに這うようにしてびっしりと建物が建っている。


ズームで覗いてみると、いるわいるわ、たくさんの観光客。
そうそう、昨日なんだろうと思っていた塔(左側)は、近づいてみてわかりました。
コーランの放送が流れる塔でした。



イメージ 30



しばらく坂道を上っていくと、風景もだんだん人の手入れが入ってきます。
これは風見鶏?
(注:本物の鳥ではないです)


イメージ 31



この脇には大きなハトの巣が。


イメージ 32



汗だくになって歩いていると、前方に若い男女6人組がキャーキャーいいながら歩いている。
どうやら観光客のよう。
風貌からすると、ロシアかウクライナかあるいはポーランドか。
いずれにしてもその周辺であるのは間違いない。

イスラムの国に似つかわしくなく、男子は上半身裸、女子は水着だけで歩いている。
しかも異常にテンションが高いので、昨晩のドラックがまだ抜け切っていないのかと思われる。
その一派の男の子が駆け寄ってきて「写真を撮ってくれ」と頼まれました。
見ると携帯は懐かしのBlackberry
時代遅れ過ぎるのでますますロシア系であることを確信し、「1、2、3」と言ってシャッターを押したはずが、私もよく使い方が分からずにうまくシャッターが押せない。ラリッてる少年少女達は洞穴みたいな窮屈なところに半裸のまま突っ込んでこっちを向いて全員笑顔でポーズを作ってくれているも、私がうまいこといかない。しばらくして少年が「4、5、6」というから「7、8、9」と答えたところでシャッターが切れた。

お礼に私も撮ってくれるというのでお願いしたらなかなかいい写真を撮ってくれました。
望遠レンズと普通のレンズじゃ何がどう違うの?としきりに不思議がったあと、その軍団は猿のようにイエイホー!と叫びながら私が来た道を下って行ったのでした。
同じ方向じゃなくてよかった。


1人で旅しても実にいろんな出会いがあるものです。



どんどん坂道を上がって行きます。
ここまで来ると上がるのみ。
下がることはない。


イメージ 33




さっき歩いてきた道。


イメージ 3



オシャレなレストランを発見。
そういえばそろそろランチタイム。
朝気球に乗って遅めに朝食を取ったけど、あまり量は食べてないし、第一こんなところで食いっぱぐれたら一環の終わり。
こういう時は決断力すごく重要。

ただし、レストランで高い料理というよりは、安めの食堂で軽く済ませたい気分。
さて、そんなとこあるかな。


イメージ 4



なんせこんな感じですから。



イメージ 5



このあたり、どちらかというと「ただいま建設中」的な雰囲気が漂っているんです。
または、バカンスシーズンに向けて「ただいま準備中」なのか、まるで活気がない。


イメージ 6



ガラーン。

イメージ 7




観光客用のミニバスが停まっていて、そこの脇の建物から中国人らしき団体がワラワラと出てきた。


イメージ 8




看板がちょっと意味不明だけど、花壇がかわいい。


イメージ 9




ロンドン、パリ、ニューヨークもいいかもしんないけど、ウチヒサールの素朴感もいいよ!



イメージ 10



こういうところで不動産買って、ホテルと飲食の経営するのもいいかなとよぎる。
手作りしてさ、一から。
トルコ人の夫とか持つのかな~。
冬はやることないよ。




ペルージャですら長居できなかった私ですからやっぱりダメですね。
でも田舎はいいです。
大好きです。



イメージ 11




子供の頃からこういう場所に憧れたものでした。
安野光雄さんの「旅の絵本」のまんま。



イメージ 13




こんな絶景みながらホテルに滞在なんてすてき!

と思う反面、向こう側には朽ちた家並みが並ぶ現実が。
実に対照的ですね。
ここの町は崩壊してるのか、発展しようとしているのかちょっと謎です。
ただ、観光以外で生計を立てることが出来ないんだろうなあ。
(それはカッパドキア全体に言えることかもしれない)


イメージ 14


はあ、はあ。
上り坂キツい。
汗ダラダラ。

こういうところはサンダルとかビーサンじゃ無理。
スニーカーがじゃないと膝や足首を痛めちゃう。


イメージ 15




と、そこであるお店を発見。
みるとそれはまさに求めていた安食堂。
すかさず呼び込みのトルコ人が話しかけてくる。
いったん無視して通り過ぎるも、いやいやちょっといけてるんじゃない?と引き返す。

House of Memories 

名前はダサイけど。。。




イメージ 16




いい感じじゃない?
っていうか、ここ逃したら絶対にもう食堂には巡り会えない気がする!!!

しかもこういうスタれてそうだけどこぎれいな安いお店って大好きなんです。


決めた。
入る。
2Fに行ってもいいかと聞くと、いいよと言う。



イメージ 17



ちょっと早かったからお客がいない。

階段を上がると・・・。

ああっ!

トルコにきて初めてみました、タバコ室!!!!

靴を脱いであがって水タバコをするとこでしょう?違うのかな。ただの談話室だったりして。


イメージ 18



遠くからみるとこんな感じ。


イメージ 19



奥に行くとこんな感じ。
カワイイ~。


イメージ 20



テーブルからの景色。


イメージ 21






歩いた歩いた。
午前中かけて歩いた。

ようやく休憩。



イメージ 23



さっそく店員の少年がメニューを置きにやってくる。

このあたりから気付き始めたのだけど、トルコっていうのは息子がよく働く。
小学校とか中学とかその頃から家の手伝いをする。
親は呼び込みとか金庫番とか近所付き合いをメインとし、実労働は息子がやる。
息子はそれを苦とも思ってないっぽく、とにかくよく働く。
きっとその子の親たちもそうやって大人になってきたのかもしれない。



ここまで引っ張っといて言うのもなんだけど、実は食欲がない。
何かお腹に入れないと体力持たないから(特に旅先では)、何かお腹に入れたいけど全く食欲ゼロ。
お酒を飲もうという気持ちにもなれない。

仕方がないから前菜の盛り合わせとコークを頼む。
少年は駆け足で一階へ降りて行く。
お客が誰もいないからといってチンタラ働くという概念がないらしい。
しかも英語もちゃんと話す。
こんな発展してんだか衰退してんだか分かんない町で。



テーブルクロスがカッパドキア仕様。
かわいい~。
印刷じゃなくて刺繍~。


イメージ 24





しばらくして地元の人がやってくる。
おじいさんと、若い男女で。

いいね。
地元の人がやってくるのはいい兆候。

その後、ドイツ人の夫婦も入ってきた。


私の注文したやつがきた!

ちょっと写真が逆ですが縦の方が見やすいからこのまま説明しますね。


イメージ 25



時計回りに、

クスクスと野菜のトマト味
茄子とひき肉の詰め物
マッシュポテトとタイムのレモンがけ
チーズ春巻き(皮がパリッパリ)
さやいんげんの煮込みトマト風味
あずき豆の煮物
赤ピーマンと野菜を細かく刻んで練ったもの
ぶどうの葉でくるんだお肉
きゅうりとハムのタルタル


でした。

とんでもなくおいしかったですーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!


どれもこれも食べるのがもったいないくらい完璧でした。
むせび泣きたいくらいです。
食欲がない私にはちょうどいい量、ちょうどいいバランスでした。


もうほんとに出るのが名残惜しいくらい素敵なお店でした。
本当はもっと写真撮りたかったんですけど他にお客さんもいたし、遠慮してしまった。
(これは最初の誰もいない時に撮ったやつです)


イメージ 26





しかもお店の奥に裏道に抜ける出口があって、


イメージ 27




そこを出ると秘密の小道があって、上の広場にいける近道になっているのでした。


イメージ 28






そして広場に出てからようやく気付いたのですが、私が辿ってきた道は町の裏手だったようで、メインは反対側の通りにありました。どおりで人気がないわけだったのですね。


でもウチヒサールに行く機会がある方はこの「House of Memories」を訪れてほしい。
他のメニューはよく知らないけど、前菜がおいしい店って結構アタリが多いと思います。


と思って、今ネットで調べたらトリップアドバイザーでヒットしました。
ここ訪れた外人たちも絶賛してます。
しかもウチヒサールのレストランで堂々の2位!




私も口コミしちゃおっかな。