世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

外国人の雇用規制

新聞を見たら一面に「雇用にまで保護主義」という見出しがあった。

未曾有の経済危機による不況は日本よりも海外の方が深刻だ。
更に、海外に住む外国人よりも地元国民に雇用を優先すべきだ、という労働者のデモが起きている。

イギリス東部の石油精製所では雪の降る中労働者が「英国の仕事は英国人労働者のものだ」としてストライキを起こし、会社側が採用枠を割り当てる妥協案を示したことからようやく沈静化した。

更に欧米6カ国を対象に行ったあるイギリスの新聞社の調査によると、8割近い人々が「失業した外国人は出て行ってほしい」と答え、仕事を奪う外国人という警戒心がとても強くなっているという。


こういった動きはイギリスだけではなくヨーロッパ全土で加速しているが、実は今に始まったことではない。
ただし、この経済危機は更にそれを煽る結果となっているのは誰の目から見ても明らかだ。


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方位を変えてマレーシア。
インドネシアやネパールから大勢の外国人労働者を雇い入れていたにも関わらず、今後は特定の業種においてはビザの発給や更新には応じず、「外国人労働者は汚い(dirty)、危険(dangerous)、困難(difficult)の3Dに限定する」などと公言した。

これはまるでヒトラーかブッシュかと思ってしまうような無責任な発言である。つくづく宗教的な矛盾を感じずにはいられないし、呆れると同時にあまりにも子供じみた思考による国の行く末も心配である。


地元国民を優先的に雇用することは救済対策としては妥当なことだと思う。
しかし賃金の安さから外国人労働者の需要が海外は圧倒的に多く、ある意味共存しながら生活している部分も多い。また、自国の長引く不況により、わざわざ海外へ出稼ぎに行き毎月国へ仕送りを送る人々だってザラである。とてもじゃないが自分の国で生活するには経済も生活も不安定すぎるからなのである。私が知り合った外国人の友人の半分はそういう目的でヨーロッパへ訪れていた(来れるだけまだマシだ)。
だから外国人労働者を切ってしまうと、次にやってくる怖ろしいのが治安の悪化である。

職を失った外国人労働者が行き場を失くし、そのまま不法滞在で居座った場合、犯罪の増加や治安の悪化は容易に想定できる。これは外国人が危険だというのではなく、そうならざるを得ない社会情勢に外国人はどうにも太刀打ちできない現実があるからだ。彼らのその後のケアを国がどのようにハンドルしていくのかが、もう一つ残された大きな課題であることに間違いはない。このような外国人が「漂流」し始める前に手を打たないととんでもないことになる。
(深いから簡単にはいかないだろうけどね)


こういう記事を読むといろんなことを考えるのだけれど、
海外で地道に働きながら頑張っている友人たちがどうか巻き込まれませんように、と願うところがまず最初。

危険な目に遭わないようにどうかお気をつけて。