世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

At The Deer Head Inn/Keith Jarrett

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数あるキースジャレットのアルバムの中でも、ライブ感溢れる雰囲気を体感できる一枚。
ここ数年彼のアルバムはコンサートホールやスタジオ録音が多いので、ジャズクラブでの気さくなピアノと客席の一体感を味わうにはもってこい。






まだ僕がハイスクールを卒業したばかりの頃、ある日見知らぬ男から一本の電話を受け取った。
それは「The Deer Head Inn」というジャズクラブで一日限りのトリオ出演をやってみないかというオファーだった。

その頃僕は週48ドルで電気会社の仕事をしていて、傍らでショッピングセンターにあるバーである意味大衆向けの商業的なギグを演奏していた(そこにピアノは置いていなかったからマリンバとかやっていた)。
だからThe Deer Head Innでの演奏は僕にとって最初にピアノを演奏した記念碑的場所とも言える。たくさんの有名なプレーヤーが毎週末訪れては客席に座り、僕が演奏するギターを聴いた。それを観てスタンゲッツからオファーを受けた事もあった(しかもギターで、だ!)。何年もの月日が過ぎて、店の内装もオーナーも変わったけれど、あのクラブの本質は何一つ変わっていない。

だから僕はもう一度あのステージに立ってみようと思った。
もう30年もあのクラブでピアノを演奏していないし、当時一緒に組んだPaul Motianとは既に16年もご無沙汰している。だから同時にこれは記念すべき再結成と言っても過言ではない。

このライブの夜は、暖かくてちょっとムシムシしていて、小雨が降って霧がかった秋の夜だった。
客席は満席で表のポーチにまで長い行列ができ、ドア越しに演奏を聴いた。
このアルバムでジャズが何かであるかという事を皆さんも感じることが出来ると思う。


~キースジャレット自身のライナーノーツより



このジャケットの表紙はそんな一日を物語っていたのですね。。


Piano Keith Jarrett
Bass Gary Peacock
Drams Paul Motian

1. Solar
2. Basin Street Bluse
3. Chandra
4. You don't know what love is
5. You and the night and the music
6. Bye bye blackbird
7. It's easy to remember




このアルバムをご近所に迷惑がかからない限界までの大音量で聴くのが究極の癒し。


マイルスのSolarから入り、ラストのIt's easy to remember のロマンティックで「さりげない」締め。
You and the night and the musicというタイトル、キースの事だからさぞかしメロディアスに仕上げるかと思いきや、ピリリとアレンジした全体のまとまり感。聴き飽きてもううんざりなYou don't know what love isはキースジャレットだからこそ、聴ける(これはすごいことだと思う)。私が大好きなBye bye blackbirdに関して言えば、こっちのアルバムのテイクの方が全体に愛情がこもっていて好きだ。


実を言うとこのアルバム、結構前に買ったんですがほぼほぼノーマークでした。
ジーンズみたいに何本も持っていても気に入ったやつしか履かなくなるのと一緒で、キースコーナーでも置いてきぼりをくらっていたのですが、最近CD棚を整理してここしばらくやっている「おいてきぼり再聴強化月間」をしている途中にひろったものです。ここ数ヶ月、かなり頻繁に聴いてるアルバムの一つ。