世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

ルルドの泉で

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(あらすじ)
不治の病により、長年、車椅子生活を送ってきたクリスティーヌ(シルヴィー・テステュー)は、奇蹟の水が湧き出ることで有名な聖地ルルドへのツアーに参加する。そこには、病を抱えた人や、家族を亡くして孤独な老人、観光目的の主婦たちなど、奇蹟を求めて様々な人たちが参加していた。そんな中、別段熱心な信者でもなかったクリスティーヌに奇蹟が起こる。立って歩けるようになったのだ。オシャレをして意中の男性とも急接近し、“普通の女性”としての喜びを実感する彼女だったが、その出来事は、周りの人々の羨望や嫉妬といった様々な感情を引き起こすこととなる…。

※Movie Walkerより抜粋


相当哲学的ですから、安部公房の「砂の女」とか松本清張の「砂の器」が好きな方なら絶対おすすめ。そうじゃなければ意味不明なだけなのでおすすめしません。
映画のキャッチフレーズは「なぜ彼女だけに奇跡が起こったのか」なんだけども、それがメインではないです。逆を言うと、個人的な見解を言わせてもらえば「奇跡と信仰に対する猜疑心と背徳心」です。


簡単にまとめると(すごく難しいけど)、誰しもが抱えている胸の内が時折そっと表にでてくるような映画です。


観たあと、一週間は余韻に浸りました。
こういう映画っていい映画の証拠。


ちなみに主役のシルビィー・テステュー、映画「サガン」の主役。私は「悲しみよこんにちは」が大好きで昔っから何度もみた映画でしたので、サガンの破天荒な人生を複雑な思いで観ましたが、この女優さんって名だたるフランス女優と違って、痩せていて背も低くて小柄な印象の薄い個性派女優さん。(こんなこと言ったら失礼だけど)見てくれメインのどこぞの大衆映画と違ってこういう素朴な女優さんをストーリーに沿って起用するあたりもセンスを感じました。