世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

アンナ・カレーニナ/トルストイ

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毎年、お正月休みは年越しが過ぎたらすることもないので、長編小説を読むことにしています。
いちいち毎年何を読んだかなんて遠い過去のことまでは覚えてないけど、確か一昨年は「レ・ミゼラブル」、去年はレイモンドチャンドラーのなんか、今年はトルストイのアンナカレーニナを読みました。

外国の古典文学は時代背景が相当古いので読んで理解するのも時間がかかるし、私も普段なかなかじっくり読書する時間がないので何ヶ月かかけて読み進んでいきますが、読み終わったあとの読了感はまるで長旅を終えたような気持ちで感慨深いです。


アンナ・カレーニナはどんな本かを一言で言うと、2つの物語が同時進行していく本です。
タイトルは「アンナ・カレーニナ」なのに、実は主役がもう1人、リョーヴィンという男がいるんです。

アンナは裕福な宮廷夫人で不倫に走って堕落していく愛の破滅を、
リョーヴィンは素朴な田舎暮らしを通して現実的な生活論を解いていく、と言った展開です。

古典文学は大方そうですが、著者のありったけの政治社会経済理論を物語の主人公に代弁させていくので(だから長編が多いのだと思う)読む側を引きつけるにはその力量が圧倒的に著者に委ねられます。翻訳の方もさぞ苦労されるかと思います。面白かったかどうかと言われると・・・この本に関しては正直うーん、です。
ロシアの農業事情に精通していたり、貴族社会に属していた当時のロシア人には間違いなくウケたのでしょうが、2013年を生きる凡人の私にはちょっとトルストイさんの論議は難しかった、というか土俵にもあげてもらえない感じでした。




とはいえ、ロシア文学ってやっぱり読み応えがあります。
だけどやっぱり「カラマーゾフの兄弟」にはかなわない。
一生のうちで読んでいてよかったと思える本です。
村上春樹さんの次に宝物の本です。
ジョン・アーヴィングポール・オースターに並んで大切に保管されています。
カラマーゾフ」については村上氏同様、レビューすることは恐れ多くてできませんのであしからず。