世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

本屋の話


先週いわさきちひろさんの画集を買いに本屋さんへ出かけてきました。
子供好きな友人へのクリスマスプレゼントとして前から決めていたのです。


おそらく比較的大きな書店でしか取り扱いがなさそうだし、できればゆったりできるソファで日当たりのいいカフェでのんびり過ごしたいと思ってひらめいたのがここ。




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そしたらですね、、、、

なかったんです。

いわさきちひろさんの画集が。

思わず「えっ?いわさきちひろがない??」って言っちゃった。

日本人を代表とするイラストレーターの一人だと思っていたので、こういう大きな書店でそれがないってちょっとありえないような気がして驚いたのです。
(外国ばっかに目を向けて日本人の魂を売った見せかけのうわっつら本屋めが!!)



この本屋はオシャレなんですよね。今でも話題だし。外国の本や雑誌が洗練されたレイアウトと雰囲気でディスプレイされていて規模も大きいから完全に雰囲気に飲まれてここに来ればある程度の本が揃うと思ったのは大きな間違いでした。そもそもこの書店の母体はもとが本屋じゃなくて映画などの娯楽がメイン。強いのはどちらかというとそういうエンタメの類なんだとはっきりわかりました。もうかなり信頼度ダダ落ちです。代官山のついでにちょっと覗くことはあっても、本を探しに行くことはもうないと思います。




結局丸善に行って買いました。
安心するよ、日本の老舗書店。



ところで本屋さんって、なんでも一緒なイメージありませんか。
子供の頃にあった商店街のナントカ書店の時代よりも今は大きく進化を遂げており、本屋によって傾向と趣向が全く変わる時代になりました。それも一重に、本屋のバイヤーのおかげなのです。彼らのセンスがちりばめられた本屋と自分の趣向がピッタリ合う感覚は、お気に入りの食べ物屋さんを見つけた感動に近いです。



本は毎日毎週山のように出版されます。それが新旧お構いなしにずらりと並んでいても、どれがなんだかさっぱりわかりませんよね。
そこでバイヤーが登場し、自分の一押しや話題になってないけどレコメンします的なものをピックアップして並べるのです。ただなんでもかんでも仕入れてただ羅列するような時代は終わりを遂げているのです。



だけど地味な本屋は派手な本屋と違ってポップも作らないしオシャレなディスプレイもしませんから、書棚を見てそのセンスを感じ取るのです。







私が気に入っていた一番の本屋さん。
もうなくなってしまいましたが、昔ながらの本屋さんでした。
大手出版社のすぐそばなので賄賂でつながっているかと思いきや意外と健全。そこは文庫本が出版社ごとではなく作家ごとに分類されていました。だから好きな作家の文庫が全部すぐに確認することができるのです。これは大きなメリットです。浅田次郎作品を探したくても「えーとあれは新潮社だっけ、それとも文春文庫だっけ?」と出版社の索引を頭の中で検索しなくても済むのです。本来はそれを他の本屋でもやってほしいところですが、おそらくいろんな政治的な問題があってできないのでしょう。




次に、自分が興味のあるテーマに沿った本があるかどうかついでに欲しい情報があるかどうかということも大きなポイントになります。それはバイヤーとのセンスが合うか合わないかで大きく変わってきます。




そういう人がいると感じる本屋がとても好きです。用がなくても行っちゃう。




これはむかし足繁く通っていた本屋さんのブックカバー。


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このカバーが大好きでした。

しかもこのカバーはかなり独特な折り方をしていて、読み終わって取ろうとするとなんだか複雑で簡単には取れないようになっていました。この本屋でしかしない折り方です。なんかそういう本屋っていいなと思います。



また、ここは昔の古い書店でお店に入ると歴史を感じる本屋の匂いがしました。
寡黙なご主人も健在です。
小さな書店で種類も少なかったけど、自分の好きなジャンルが多かったので十分楽しめました。近頃めっきりめんどくさがりやになった私が探す喜び(→自分にとってはこれもかなり重要)を見つけることができる本屋さんでした。
しかも深夜23時過ぎまで開いてたんですよね。奇跡!



数年前に知らない間位に閉店してしまったのですが、私と同じようにあの書店を愛する人がいたらしく、その有志が発起して経営者が変わり、今は本屋のセレクトショップみたいな感じに生まれ変わりました。コーヒーとか雑貨もあって、わりとそういう本屋のさきがけみたいな感じだったので今でもたまに雑誌にチョイチョイ紹介されてますが、通るたびにあの本屋を思い出しては郷愁にふけて胸が小さく痛むのでした。





長くなりましたが、つまり何がいいたいのかというと、代官山の本屋にはがっかりしたということと、本屋は全部同じようでそうじゃない。それぞれの個性があるのですという話でした。






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私より詳しい方がいらっしゃいましたのでリンク貼っておきます

本屋の「フェア」とか懐かしいなあ。
今は神保町の三省堂くらいしかやらないんじゃないでしょうか。