世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

ギリアンフリンの作品

なんとなく最近の本でも読んでみようと思って手に取った本。

ギリアンフリンとはアメリカのミステリー作家。
ここしばらく最近にデビューされた新鋭作家だそうです。
写真をみたらなかなか素敵なお顔立ち。


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ところが作品の内容自体はエグいしリアルだし、ホラー慣れしている私でも読むにはちょっと嫌悪感を感じるほどにキツいR15級のストーリー展開ばかり。
だけど、同時に人の心理や人間関係の深い部分に触れるような美しさもある。
そして、最後の最後の数ページまで結末が全く予想できず、読者を確実に裏切る大どんでん返しの連続。最後の数ページまで引っ張って引っ張って終わり数ページまで展開が読めない、手に汗握りどれもこれもおもわず頭を悩ますような展開(電車で読んでて実際頭を抱えました)。天才です、すばらしいです。


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これまで出ているのは上記3作品。
「ゴーンガール」は夫婦、「冥闇」は家族がテーマ。
いろんな人間関係の中で普段心の中だけで考えていること、あえて口に出さない思いが書き綴ってあるので、誰もがもしかしたら思い当たるかもしれない胸の奥の琴線に触れるような美しさと繊細さがとにかく見事。それだけでも物語として完結できそうなのに、さらに究極の極悪サスペンスがもう一つの大きな軸となっています。

「KIZU」はデビュー作なんですが、もったいないので後回しにして他のを読むことにします。しかもすでに文庫は絶版だったのでamazonの中古で買いました。
この作家の新作が出るのが待ち遠しくてたまりません。



いずれもアメリカでは映画化やドラマ化するらしいです。
映像化してもいいけど、原作は本当にキョーレツにエグいので(「冥闇」は特に)心臓の弱い人には厳しそうで不安です。


こういうハードな小説を読む時いつも思うのだけど、そういう真っ暗で救いようのない暴力性、できれば目を背けたくなるような生々しさというものほど人の心に響く力強さを持っているのだと思います。なぜなら、人の真相というのは誰かしらそういう闇を持っているからです。その強弱をうまくコントロールできているかいないかでバランスを取っているので、闇がなかったら世の中は一気にバランスが崩れてしまうのだと思います。それをどうとらえるかは人が選べばいいと思うので強制ではありませんが、私はそういう勇気のある作品がなんにせよ好きです。