世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

摘発されたベネト通りの「カフェ・ド・パリ」

こんな記事の見出しを見つけた。

新興マフィア、首都進出 イタリア 有名店に投資、資金洗浄

イタリアマフィアの新興勢力「エンドランゲダ」の首都ローマ進出が著しい。最近の経済危機にも乗じて、経営危機に陥ったレストランやホテルに投資しては麻薬取引などで得たヤミの収益を洗浄しているとされ当局は警戒を強めている。


そして取り押さえられたのは、ローマで屈指の有名カフェの一つであるベネト通りの「カフェ・ド・パリ」。
このマフィア組織エンドランゲダのアルバーロ一家はこの有名店を4年前から所有していており、コカインの密輸で儲けた利益をロンダリングの目的として経営破たんしかけた店舗に投資し経営に加わっていたとのこと。



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ここでまず注目すべきはこのマフィア組織。
現在イタリアには、シチリア(地図⑲)の「コーザ・ノストラ」。有名なのはアル・カポネやラッキー・ルチアーノもそう。いわゆるマフィアの大御所とも言えます。
そしてカンパーニャ地方(地図⑮)の「カモッラ」、プーリア州(地図⑯)の「サクラ・コロナ・ユニタ」とカラブリア(地図⑱)にあるこのエンドランゲダが4大マフィアと呼ばれています。カモッラはナポリのごみ処理問題などでも物議をかもしだした話は記憶に新しいところ。

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警察に摘発された今回の組織は、予想するに、彼らと敵対するどこかの地下組織が警察と手を取り合って加えた「社会的制裁」なのかなぁ~と私なんかは思ってしまいます。黒の巣窟イタリアに正義なんて存在しないからです。むしろ、イタリアだけに限らず、世の秩序と平和は案外そういったアンバランスな相対関係によって成り立っているのではないか・・・などと思ってしまうような記事でした。





はっきり言えば、ローマなんてマフィアと隣りあわせで生活してます。
むしろそうすることによって秩序が守られているといっても過言ではなく、目に見えない線が引かれているのも事実です。人はその線から先に立ち入らないようにルールを守って生活しています。これはかなり重要な掟ですから間違えないようにしないといけません。一歩足を踏み入れてしまっては絶対にいけない線なのです。






ところで数年前にイタリアから里帰りしていた友人とお買い物をしていたらこの地下組織と全く同じ名前、コーザノストラという名前のアパレルショップがあって友人が思わず絶叫してました。海外の言葉って知らずに使うととんでもないことになっていたりするので気をつけたいところ。




また、この問題のお店となったカフェ・ド・パリ。
ベネト通りはバルベリーニ広場からつながるローマでも有数のとても美しい通り。そこを通ると必ずこのカフェの前を通ります。しかし、ここのオープンカフェがとてもめずらしく、ここの前を通ると必ずジロジロ見てしまうほどとにかく奇妙!

歩道のはじっこ、道路側にビニールハウスみたいなスケスケの建物が建っていて(およそ12帖ほど)、中はメルヘンなインテリアになっています。「パリ」を意識したのでしょうか。多分当時のローマっ子はパリのイメージがそうだったのかも。でもどうしてビニールハウス風なのかは分かりませんが。


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私のカフェ・ド・パリの思い出。


それはローマで唯一、「氷」を入れてくれるお店だったということ。

ベネト通りは大好きな通りだったし、カフェ・ド・パリの前を通るたびに氷入りの飲み物を飲んだ思い出が蘇ってきて懐かしく思ったりしたものなので、今回の事件はとても残念です。


チャオ。



P.S
ご存知かもしれませんが、ローマではどんなに暑くても飲み物に氷を入れるという習慣はありません。キンキンに冷えた飲み物を飲みたくてバールに入っても、生ぬるいやつしか出てこない。店内はクーラーなし(クーラーの習慣もないので)。

じゃあ一体イタリア人はどうやって涼をとるのか?


海に行くんです。そして日焼けするんです。あとはジェラート食べたりスイカ食べたりしてます。