私が今回好きだった作品はこれ。
「浅瀬(逃走)」1901年
素晴らしかった。
彼の晩年に近い作品ってものすごく宗教的概念を強く感じます。
あくまでも勝手なイメージですが、私はこの作品を煉獄へ通じる場所ととらえます。
そう考えると不吉な鷲の姿も納得できるし、馬はそこへ導くキーとも考えられます。
だけど背景にはそこはかとなく美しい木々や自然が彩りどりに咲き誇り、不安の中にも何か徹底的な美の追求があるように思えます。信仰心の深かった彼はタヒチに就いたあとも熱心に教会を建築したりミサに足繁く通ったり、歳を重ねるごとにその心はますますかたくなで献身的になっていただけに、彼のそういった神に対する信念が絵に投影されたという仮説を思わず立ててしまいたくなる。または、そういうイマジネーションを彷彿させるような作品でした。すごいね。
あくまでも勝手なイメージですが、私はこの作品を煉獄へ通じる場所ととらえます。
そう考えると不吉な鷲の姿も納得できるし、馬はそこへ導くキーとも考えられます。
だけど背景にはそこはかとなく美しい木々や自然が彩りどりに咲き誇り、不安の中にも何か徹底的な美の追求があるように思えます。信仰心の深かった彼はタヒチに就いたあとも熱心に教会を建築したりミサに足繁く通ったり、歳を重ねるごとにその心はますますかたくなで献身的になっていただけに、彼のそういった神に対する信念が絵に投影されたという仮説を思わず立ててしまいたくなる。または、そういうイマジネーションを彷彿させるような作品でした。すごいね。
もう一つ、同様にいえるのがこちらの作品です。
「女性と白馬」1903年
これなんかも全く同じ印象を受けました。
中心の白い衣をまとった人物と馬、そして丘の上にある教会の白がとても神聖な三位一体の構図を取っている様に感じます。この作品は特に死後の直前に描かれたものでもあることから、自分の死を意識したのは明らかではないかと思います。
もう一つの目玉作品として「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」という大きな大作がありました。そちらも彼の哲学感がギュウギュウに詰められていて、なおかつどこかルネサンス絵画的な側面を匂わせている感があります。ボッティチェッリも似たようなパースで世界観を作り上げましたから。そして人間の犯した大きな過ちでもあるエヴァの禁断の果実が中央に置かれているのが非常に印象的でした。これぞ原点・・・。この世に生まれて間違いを犯し、死んでいくというシンプルなストーリーの中にゴーギャンの深さが絵画となって表れているあたりはさすがに彼の確かな表現力と才能あってのことです。素晴らしい作品でした。
死を肯定的にも否定的にも描いたゴーギャンの人生って孤独と自我の戦いだったのかもしれない。
個人的にはそういうところがすごく魅力的なんですけどね、。
他にも優れた作品は数あれど、私は画家の晩年の作品って結構好きです。
本来の自分の在り方が一番素直に出てくる時期ではないかと思うからです。
そういう意味でゴーギャンは完璧ですね。
ここまでしっかりと忠実に想いを残すことができたら間違いなく天国で成仏できるはずです。
本来の自分の在り方が一番素直に出てくる時期ではないかと思うからです。
そういう意味でゴーギャンは完璧ですね。
ここまでしっかりと忠実に想いを残すことができたら間違いなく天国で成仏できるはずです。
作品数は少なかったけど、なんか言いたいメッセージはしっかりと伝わったので、なかなか良い展覧会だったのではないかと思います。
※実物の作品はもっと明暗がはっきりしていて色彩が数段鮮やかになっています
チャオ。