世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

⑬カサブランカのホテル事件

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カサブランカの近代ホテルにチェックインした後、お腹が空いたのでとにかく出かける事に。
既に外は暗くなり始めていたけど、温かいものが食べたかった。

出かける前に旅友が言った。
「パスポート持っていく?」
うん、と私。
二人で腹巻にいつもどおり現金、クレジットカードとパスポートを身につけドアを閉める。

閉めようとして私、一瞬思う。
「部屋の明かりつけっぱなしにして出かけよう」と。何となく。

そして部屋の鍵をフロントに預け、カサブランカの町へ出る。地図もない。土地勘もない。
外は相変わらず男性陣ばかり。遠出を避け、何となく近場をブラブラ。

すると一軒の殺風景なレストランを通りかかる。
鳥の丸焼きがグルグル回っていて別になんて事ない風景でしたが他に当てもないのでここで食事をしようと決めた。
ところがここ、大当たり!!モロッコ人ではない外人のオジサンが流暢な英語で迎えてくれた。
ここで手始めに頼んだスープのおいしさは今でも忘れられない。。。。
野菜が沢山入ったミネストローネみたいなやつ。くたくたに疲れていた体と心に染み渡るようなスープだった。オジサンの暖かいホスピタリティも相成って素晴らしい時間を過ごした私達。
(ここには翌日も行き、絶品鶏肉料理をごちそうになりました。)

そして満足満足でホテルに戻り、フロントで鍵を預かり部屋に行ったら


「部屋のドアが開いている」

間違いなくドアは10cmほど開いていて、中の明かりが廊下に漏れている。

慌てて私達は部屋に入る。貴重品はもちろん身につけて出かけた為盗まれてはいない。
他に荒らされた様子もない。
お風呂場に隠れている泥棒もいない。
無事ではあったけど、ありえない!!!!!
もしかしたら部屋の明かりをつけて出かけたので、泥棒も「誰かいる」と勘違いし、中には入らなかったのかもしれない。あの時のとっさの判断は正しかった。

しかし、私は強烈な怒りがこみ上げてきた。
鍵はフロントに預けたから、手品師でもない限り「鍵がないとドアは開けられない」。
海外ではどんなに高級なホテルでも、泥棒とフロントがグルなのは当たり前。
こういう事がおこるという事は、当然フロントがどこかでつながってるんです。



怒りのわたしはすぐさまフロントへ。
一体どうなってるんだお宅の管理は!!と、とりあえず無駄だとは思いつつ怒る。
するとフロントは「団体客が入ったから間違えて鍵を渡したのかも」とのたまう。

私達はアジア人女性二人組だから、正直目立つんです。
だからこそどんな場所でも気をつけなければいけないんです。
こういう事件に巻き込まれたら絶対に負けてはいけない、というか相手に「ばれたな」と思い込ませるほど抗議するべきだと私は思います。それだけでも再発を防ぐ防御になるからです。


しかもホテルの部屋で休んでいる時も謎の男から何度も部屋に電話がかかってきました。
用件を聞いても何やらアラブ語で話すばかりで、結構怖い思いをしました。
だからフロントに私達の部屋の側に見張りをつけてもらうようお願いし、30分から1時間ほど、ホテルの男性が部屋の近くで見張りをしてくれました。
その後は特に何も起こらず無事に一夜を過ごしましたが、あれは危険な事件が起こる前触れだったんだと思います。何もなくて良かったけど怖かった。

本当に頭にきました。帰るタイミングが少しでも遅かったらそれこそ、荷物から何から全て盗まれていたと思います。