世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

トレド事件簿①

トレド。世界遺産に指定された小さな町。土色の小さなこの町には世界中の観光客が、今日も明日も訪れる。

なぜ世界遺産なのか詳しくは知らないんですが、とにかく古い町だってことは分かる。
写真だけみるとすごくきれいな場所なので、「じゃーちょっくら行ってみるか」という事になり足を伸ばす。

>トレド全景
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正直に言っちゃっていいですか?!
別に何もありません。印象としては、静か、古い、閑散としている。これのみ。
町を歩く地元の人も少なかった(あれは日曜日だったのかもしれない)。これくらい古い町が世界遺産に指定されるなら、イタリアの田舎は遺産まみれです。そんなものよりも、特筆すべきことは他にもありました。。。

【トレド事件簿①:パンフおじさん】
建物の影に座って休憩していた時。
あるオジサンが近寄ってきました。そのオジサンは片手に旅行会社のパンフレットを数冊抱えてニヤニヤ笑いながら話しかけてきました。風貌からいって、ちょっと変だなってことは一目瞭然。

「どこからきたのだね君たちは。」
「ジャペーン、です。」
「今日は暑い日じゃ。」
「そうですね。」

ま、会話はそんな感じでチンタラ続きました。すると、抱えていたパンフレットをスッと出して「あげる。」と言ってきました。でもそんなのもらっても仕方ないので、丁寧にお断りしました。第一、タダで見知らぬ人から物をもらうって事ほど危険なことはないのです。
案の定、彼は突然顔色が変わり、どうみてもインフォで『ご自由におとりください』コーナーに置いてあるようなそのパンフを無理矢理押し付けてきました。しばらく押し問答が続いた後、彼がこう言いました。

「金よこせ。パンフレット代よこせ。」


こらこらオジサン、言いがかりはよしてください・・・。
するとオジサンはものすごく怒り、手にしたパンフを握り締めながら叫び始める。
「俺をバカにしやがって!いいか、あー?俺はな、マフィアの組織とつながってるんだ、ハッ!さっさと金出せこのブタマンが!!」
周りにいる半袖半ズボンの観光客にはジロジロ見られるし、オジサンはまだ私達を「売春婦!!メス犬!!」と叫び続けるし、まったくどうしようもありません。

「ささ、退散しよっか。」
旅友を促して立ち上がり、罵倒を背中に浴び続けながらも無視してその場を立ち去る。
旅友は「マフィア」という言葉にすっかりおののき、怖い怖いと本当に怯えてしまいました。でも、マフィアって言ったって、あんな田舎のへんなパンフレット持ってるクレイジーなオジサンが言う事なんて、ポメラニアンがキャンキャン泣いてるみたいなもんじゃないですか(第一、本当のマフィアってすごく紳士なんですよ・・・)。

トレド市内の観光を続けるも、旅友がすっかりへこんでしまってかわいそうだったし、テンションも下がったし他に観る所もなさそうだったので帰ることにしました。

その帰り道で、これまた事件が勃発するのです。
あの日もトレドは暑かった・・・。