世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

絶望ハンドブック 坂口恭平

坂口恭平さんというお名前を近頃あちらこちらで聞くようになり、お気に入りの本屋さんの書評も良かったので買ってみた。

 

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実際に躁鬱を患っている著者が、鬱で絶望まで落ちた時の自分に向けたメッセージがエッセイとなっている。

 

躁鬱の時の自分はそれぞれ別人格であることや、落ちた時の自己否定感など、読むとなかなかハードだと思うけれど、文字を書くという継続的な行動が唯一の救済になるということで紡ぎ出されるる文章や物語が意外にも哲学的でおもしろかった。表現が正しいのかどうかわからないけどどこか普遍的というかロシア文学っぽい暗さというか、そういうものは案外そんじょそこらでは書けないような気がする。この人ならではの世界観みたいなのがストレートに響いてくる感じ。

 

 

著者は本以外にも音楽を使ったり絵を描いたり編み物をしたりする。音楽は聴いたことがないけど、絵や編み物は天才レベル。

やはり才能のある人というのは多かれ少なかれどこか絶望の中に生きているような気がする。おそらくドストエフスキーとかカフカはかなりの鬱だったのは間違いなさそう。多くの作曲家や芸術家など、 彼らの出来上がった作品はそんな苦しみから生まれたものであるのだと、なんとなく悟った。それが名作となるのだから、才能とは皮肉なものだとも思ってしまう。

 

 

さて、開いてみるとまさかのサイン本?!

 

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印刷かな?と思って裏をみるとインクが透けているので直筆みたい。嬉しい。


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サイン本といえば、去年東大そばの古本屋さんで、昔の村上春樹さんや柴田元幸さんが翻訳したアメリカ文学傑作選と一緒に500円で買ったオノヨーコさんの著者。

 

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まさかのサイン本!!!

 


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友達が「誰かがいたずらしたのでは?」といい確かにそれもあるかもと思ったけど、裏表紙の印刷してある筆跡を見る限りご本人の字に近いので間違いなさそう。

 

 

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本はかなりフェミニストな内容でした。。

(私がまぁまぁ苦手なネタ)

 

まぁしかしこれが書かれたのか1986年。

当時ここまで世の中女性上位であっていいはずだと言い切れる日本人はいなかったでしょうから、やはりオノヨーコ女史はほぼ外人だったんだなということが当時からよくわかる本でした。オノヨーコさんのサイン本、嬉しい。

 

 

いつか村上春樹さんのサイン本ほしいな。