ハバナ4泊5日最終日の朝。
このサロンともおさらば。
この風景ともおさらば。
最初来たときは度肝を抜かされた風景だったけど、、ハバナのローカルな場所ってちょっと私がイメージする雰囲気とはだいぶかけ離れてる。友達は「ブエナビスタの風景そのもの」と言っていた。が、ブエナビスタを観たのはもう20年前になる??覚えてません。
ホテルもチェックアウトを済ませたら、おばちゃんはきちんとノートに毎日の出納を手書きできっちりつけていてそれはとても正確で真剣だった。おそらく国に申告するからなのでしょう。「国にきっちり管理されている」という雰囲気があった。それをしっかりこなしている姿は実に立派だと思った。
私もローマのペンション(共同部屋の安宿)に入り浸っている頃、あんなにルーズなイタリアでも宿の監査はとても厳しかった。収容人数に対してシャワーとトイレの数のキャパがルールに沿っているか、きちんと売上を申告しているか(脱税していないか)、外国人パスポートの管理チェックなどを抜き打ちで立ち入り監査が入り、営業停止処分なんかもよくあったけど、ハバナと違うのはイタリアの場合は国営ではないということと、やっぱりマフィアの保護があるかないかも重要だった。
ハバナとはすこし仕組みが違う。
でも、食糧難であるハバナではレストランよりも民泊は大きな収入源になるのは間違いなく、それだけ厳しく管理されているのだと思う。国からの厳しい追及も想像するに容易い。
このホテルはとてもきれいに掃除されていて清潔だった。
チェントロから遠いことだけがちょっと難点だったけど。
フライトは午後なので、午前中は最後のハバナ散歩をしに行く。
タクシーはもう予約済。
その分の現金とチップも取ってある。
あの角にある建物は地元の人が買い物する商店。
さほど豊富に食料があるわけではないけど、彼らには当たり前の風景。
電化製品店はもぬけの殻。
歩道は穴ぼこ。
カラフルにペンキが塗られている建物はお金持ち??
「LEALTAD」通りはホテルに戻るための目印。
周り全員地元の人しかいない地元街をたった一人で歩くアジア人(しかも女性)。
本当に勇気がいった。。。
(でも歩くしかないから)
人力車が時々「ハローレディ」なんて呼び込みしてくるけど怖くて乗れないよ。
ここはチェントロの観光地エリアなので雰囲気ガラッと変わる。
スペイン領土だった頃に彼らが持ち込んだ?イスラム風タイルが興味深い!
(異文化の伝承のさらにまた伝承、みたいな)
(興味がないせいか写真が雑、、、)
途中にある縫製工場。
ここはハバナで一番安心できるエリア。
最後のコーヒーを飲みに来た。
(やっぱりこの界隈にホテル取ればよかったな)
ホテルに戻る。
挨拶とお礼をしてタクシーに乗る。
ピカピカのアメ車。
最後空港まで行く間、ハバナの流れる風景を車窓から見ながら運転手の男の人と少し会話をする。
車は自分の車?と聞くと、会社配給の場合がほとんどだとのこと。
自分ではとてもじゃないけど所有なんてできないらしい。
「日本製の車がいいけど、高くて買えない」
大型観光バスだってほとんど中国製。安いからだそう。
中国産業はこういうキューバのような人たち向けにも貢献しているのだと知る。
儲かるわけだね。
ちょっと聞きにくい話を聞いてみようか。
ところで国の偉い人たちってどこに住んでるの?
すると青年は今まで大音量で流していた音楽を急に止め、真面目な顔になる。
その時のギャップがすごくてちょっとびっくりする。
そして、「どこに住んでいるか知らない」という。
え、そんなことってあるの?
でも青年曰く知らないんだそう。
ガイドブックに「あまり政治的な話はしないようにしよう」と書いてあった。
ハバナではやはりタブーなのか。
(イタリアでもマフィアの話はタブーなので絶対してはならない)
なんかやはり似てる、、、イタリアと。
目には見えない境界線が時々うっすらと見えてくることがある。
怖いね、、、。
話題を変えよう。
学校は?
「大学では建築を専攻しました。だけど就職先は国家が決めます。だから自分たちが望む選択肢は選べない。農家をやれと言われたら農家をやるだけです」
ご飯の話になる。
「キューバの食事は楽しめましたか」
え?、、、えーと、はい。美味しかったです(ウソ)。
「何を食べたのですか」
(噛みきれない)パンとか、(チョコの味がしない)チョコムースや、(生)肉。
「美味しかったですか?」
Absolutely. あ、でも牛肉とか食べてないかも。
牛肉食べたことある?
「。。。。ないです」
なんで?
「牛肉は、、、めったに手に入りませんので食べたことがないかもしれない」
シーン。。。。。
ああハバナよ!!
空港について、タクシー代とチップを現金で払いお別れをする。
出発の3時間前に到着したけど大正解。
長蛇の列ができていてチェックインまでが気が遠くなりそう。
(前述の通りエアメヒコはアメリカ系エアラインの系列なのでweb check-inができませんでした)
1.5時間ほど待ってやっと出国審査をすませる。
長かった、、、ほんと早めに来ておいてよかった。
残ったお金で最後空港で腹ごしらえしようと思ってレストラン(というか売店)に行くも、超絶マズそうな具なしパスタとヨレヨレのサンドイッチしかない。
はい、無理~!なので、水とクラッカーを買う。これで十分。
このクラッカー、塩味効いてて美味しかった。
っていうか、まともな食事をハバナにきてからあまりしていないのでこれですら美味しく感じたのだと思う。
空港の出発フロア。
飛行機乗る前にトイレをすませようと行くと、ロシア人が苦笑いしながら飛び出してくる。どうしたのかと思ったら「扉がないのよ!!」とのこと。
。。。。。。。
中に入ると個室の扉が全部ない。
目の前は洗面台の鏡があるので丸見えなんです。。。。
もうマジで舌打ちしたくなるね。
でも入るしかないでしょ。
個室に入ったら隣の個室でおばちゃんが
「おトイレ一番、扉は二番」
って言ってて超ウケました。
その通り。
ハバナよ!!!
空港はWiFiもないしつまんない。
おそらく私のことだから日記を書いていることだろうと思って読み返して見たら案の定いくつかずらずらメモがあって「パンは恐ろしい食べ物に見えた」とのこと。自分で書いてて笑える。
最後、カフェで書いた日記より。
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今日はハバナ最終日。これよりメキシコへ移動する。トリニダーのコーヒーが飲めるカフェで最後のコーヒーを飲んでいる。お隣りのお店にはいつものテーブルにいつもの茶色い犬がご主人とおぼしき人の足元に座り広場をじっと見ている(前回は鳩に吠えていた)。たぶんハバナはずっとこんな風に変わらないのかもしれない。街はスラムだ。生ゴミが何週間も前から山積し目も当てられない。人々にとってそれは日常なんだと思う。アメリカ資本が入ってくれば社会主義は崩壊し、ますます治安は悪くなり貧富の差が開く。人々のモラルの問題はそう簡単には変えられない。もちろん根は悪い人たちではないのだろうが彼らのバランスを保っているのはフィデルが築き上げてきたキューバという国なのであり、ひとたびこのバランスが崩れた時、この人たちの生活は一体どう変わって行くのだろうと少し不安に思う。人々がどう変わっていきたいのか、それとも変化ではなく改善だけでいいのか。だってまともに働かなくたって生活はできるのだから他に何を望もうというのだろう。インフラの整備だけで当分はいいビジネスになりそうだしポンテンシャルは十分にあるのだろうけど、ここまで根付いた彼らの生活を変えることはなかなかうまくいかなそうだ。お年寄りも多いしね。
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でもやっぱりキューバ人は改革を求めているのではないかと思う。
昔のままでいてほしいなんていうのは自分勝手な観光客のエゴだ。
もっと稼ぎたいだろうし、生活が楽になりたいと思うのは当たり前のこと。
衛生面も改善されもっと快適に過ごせることは悪いことじゃない。
治安のバランスをどこまで保てるかは深刻な課題だと思うけど、
キューバの面影はいい観光資金になるのでそれはある程度残しつつ、国民の自給力を養わせてやるべきだと思う。
それには強いリーダーが今のキューバには必要。
そうじゃないとベネズエラみたいになっちゃうかもしれない。
とても難しい問題。
貧しいだけなら他にもたくさん同様の国はある。
だけど、キューバほど先進国とのギャップを日々見せつけられている国は他に例を見ないのではないかと思う。
制限された人生の中で、彼らは一体私たちと自分の人生に何を見ているのか。