起床。
お天気がいい。
アパートの暖房が昨晩もよく効いて、暑くて夢でうなされた。
この日の夢は去年引っ越した今の家を追い出されるものだった。
もう住民票も移しちゃったし年賀状でもお知らせしたのに、と主張してもダメと言われていやだいやだと言ってるところで目が覚めて起きたら大量の汗をかいていた。
(前の日の夢は巨大な幼虫を素手てつまめと強制された)
この日は少しだけ早く出かける。
オーベルカンフに拠点を構えたら必ず立ち寄りたいカフェシャルボン。
ここのカフェの店員も英語を話していた、、、
パリの下町で英語を話す昔気質のおじさん。。。なんだかいまだに信じられないヨ。
パリはもう英語。
迷わず英語。
フランス人が英語できなさそうだから、、なんて遠慮はもうやめる。
朝のシテ島。
ここは朝が一番きれい。
パリは何度も来てるけどここに入るのは初めて。
コンシェルジェリー宮殿です。
ここは昔牢獄として使われていましたが、現在は観光スポットとして一部一般公開されていて、お隣にあるサント・シャペルというステンドガラスで有名な礼拝堂とセットでお得な入場券が売られています。
入り口に行ったら、50代くらいのフランス人のおじさんが近づいてきて「僕は今日妻と一緒にここに来ようと思ってチケットを二枚買ったのだけど妻の体調が悪くなって来れなくなったから、よかったらその余ったチケットをタダであげるよ」と言ってきた。
あやしい。
こっちも友達と待ち合わせしてるからと嘘ついてあしらってから中に入る。
まずはサントシャペルから。
噂には聞いてるけどすごいらしいですよステンドガラスが。
螺旋階段をちょっとだけ登ると入り口が、、、。
おお!
おお!
おおお~う!
宗教色の強いイタリアはこのようなガラス装飾は皆無に等しく、あっちはそのかわり絵画で装飾することの方が多いので、フランスのこのようなデザインを見るたびにとても感銘を受けます。あと、祭壇は東側にあってバラ窓は西側にあることが多い(ような気がする)。
だから、朝とか夕方にくると陽が射して本当に神々しい。
そのあとはそのまま裁判所の前を通って
お隣のコンシェルジェリーへ。
(どこに入るも必ずセキュリティーチェックを受けるので、コートも脱いでバックの中身も全部開けないとなりません。冬はめんどくさいですマジで。しかもここにいたアフリカ系警備員、Open your bag! ってえらそうにさ~。お前は警官か、って言いたくなるほどうんざりしてきますのでやっぱり冬はダメだなって思いました)
さきほど美しいステンドガラスと朝日に輝く礼拝堂で心が洗われたばかりですが、ここは牢獄になりますので一気に血なまぐさい世界となります。
フランス革命があった当時の恐怖政治の様をスライドや展示物で紹介しています。
これは実際に暴動が起こった場所です。
こうやってみると非常に興味深いのですが、時の革命はほとんど右岸で起こってます。当時のルイ16世はベルサイユという郊外の街に城を構えていましたが、下記13番のバスチーユで武器を強奪してベルサイユを陥落した民衆は、その後暴徒化しパリの恐怖政治が始まります。
断頭台が発明されたのもこの時期です。
発明者の名前がそのまま「ギロチン」と呼ばれるようになりました。
これは確か王族一家が脱走を試みたものの失敗し、パリに幽閉される前の様子。
ルイ16世はタンプル宮殿というところから連れて行かれて断頭台へ立ちましたが、マリーアントワネットはこのコンシェルジェリーに移されたあとに裁判にかけられて断頭台へ立ちました。その時の絵です。
今は展示室になっちゃってましたが、、、ここがマリーアントワネットが幽閉されていた独房のあった場所です(係員の人に教えてもらいました)。
独房の前にある庭です。
断頭台へ行く前に、首にギロチンの刃が入りやすいように髪を切ります。
ここがその部屋です。
ちょうど東京ではマリーアントワネット展というのをやっていて、フランスに旅行も決めたのもあり、年末年始から数ヶ月はそれの類の本を読んでおさらいをしました。日本におけるマリーアントワネットってどういうわけだか「わがままでかわいい少女」とか「ベルサイユのばら」(←読んだことなくて知らない)のイメージがあるみたいですけど、実際はどうしようもなく知能の低い世間知らずな人だったみたいです。それが革命の火蓋が切られて犠牲をよぎなくされたあとにやっと人としての真価が見出された、そのギャップが今でも語り継がれる理由なのでしょう。
本を読んで思うに、やっぱ外人ですからね彼女も。もちろんそれまでの品行にも問題あったのですけど、スケープゴートになりやすかったんだろうと思います。かわいそうになあと同情的な気持ち。
出ます。
ノートルダム、今回は素通り。
賑わう前のカフェ。
セーヌ川。
サンミッシェル。
(ここくると初めてパリに来た時のあの日を思い出す)
平日の朝の風景。
お天気のいい冬のパリの朝。木に葉っぱがないから建物がよく見えます。
セーヌ川の横の歩道。
あ、そうだ。
エクレア食べるの思い出した。
後日フランス人にこの写真を見せたところ、エクレアの左横にある黄色い色したケーキがものすごく有名なんだとか。ちぇっ!
お店の人にフランス語でがんばって「エクレアひとつください」言ったら「カプチーノ?」と聞き返された。。。昔はなんちゃってフランス語でも結構伝わってたんだけど最近ダメ。もうあの度胸も薄れてきてしまいました。もうやだ!
このあとモグモグしながらサンミッシェルのとこにある大きな本屋さんでウロウロ。
30分くらい物色。
さらにそのあとお洋服やさんに入って30分くらい物色。
セールで売ってた5ユーロのシャツを買って出る。
サンジェルマン大通りへ。
ショコラティエの前で立ち止まる。
「オレンジにチョコがかかったやつ買ってきて」という上司の言葉をふと思い出したのです!
すっかり忘れてた。
とりあえず後回し。
だって今からランチしに行くんだもーん。
ほら、右側の建物にFISHって看板が見えますでしょう?
あそこよ、今から行くのは。
ロンドン帰ってきてからもうお魚が食べたくて食べたくて。
昨日のランチでは感じ悪いウエイターのところで結局お魚がいいのがなくてお肉食べたし、今日はお魚!って決めていた。
Boissonnerie=魚屋
もともと魚屋だったのが今はレストランになっているのです。
期待が膨らみます。
店内、超かわいいの!!!
うまく写真撮れなかったけどパリのセンスが光るお店。
しかもなんかアタリの予感が入った瞬間からヒシヒシ感じるのです。
すっごく嬉しいです!!
(ちなみに対面にあるお店はすごい有名店みたいでそっちは行列並んでました)
ヨーロッパ人のランチタイムは13時。
あえて少し時間をずらして12:30にお店に入りました。
えーと。
とりあえずよくわかんないけど「今日のランチ」で。
基本それしか頼まないから。
Flying Fish!!
第一のメニュー。
スープ。
お、おおおおおおおいしいーーーーーーー!!!!
魚介の濃厚なエキスがふんだんに入っているポタージュです。
寒い冬にはぴったりです。
自家製フォカッチャ。
はずれません。
お店の角にはこんなかわいい演出も。
いちいちかわいいです。
さて、メインです!
お魚イェイ!
お魚イェイ!
お魚ホイ!
お魚ピョン!
これは。。。。肉だ=================!!!!!!!!
なぜだ=======================!!!!!!!!
がっかり。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
いや、むちゃくちゃおいしかったですよ。
さすがフランスだなって感じで、失敗した感じはしません。
だけどこの数日のテンションをどう収拾していいのか全くわかりません。
打ちのめされました。
周りをみたらもう地元の人でいっぱいなんだけど、後ろにいるマダムたちも同じもの食べてるし、やっぱりみんなお得な今日のランチセットを食べている様子。じゃあなに、ここのFISHは単なる昔話なのだろうか。
わからない。
いまだにわからない。
デザートを勧められたけど断った。
もう出る。
かくして衝撃的なランチの裏切りに打ちのめされながらお店を出たのでした。
(この日午前の部終わり)