パリのアパートは予想に反して暖房がよく効いてとても暖かく、お布団もあたたかく、毎日暑くて夢をみてうなされました。
この日は自分がテレビレポーターになっていて、番組の企画でムックリした巨大な生きている白い幼虫を食べるというおそろしい局面に立たされ、どんなに仕事とはいえ絶対に嫌だと全力で否定している夢にうなされて目が覚めました。
ボーッとして起きる。
この日のパリはお天気が悪い。
この日は例の扉事件後半編「マーケットにちょっと行って戻るつもりが家から締め出される事件」が勃発しましたので、目覚めも悪けりゃそのあとも悪いで本当に絶望的な気持ちの日でした。
扉事件 「呪われた扉」
家を閉め出されたその日は憂鬱を吹き飛ばすためのそぞろ歩き。
遠出する気持ちにもなれないので、マレ地区を練り歩くことにします。
まずは「やることリスト」に入っていたポワラーヌというパン屋でサブレを買う。
ポワラーヌはパン屋で、田舎パンという黒パンが有名ですが、このサブレが絶品。
ちょっと焦げてるやつがすごくおいしい。
ただの小麦粉とバターと砂糖なんですが、どうしてこうもおいしいのか謎。
子供の頃近くの教会のバザーで売っていた手焼きクッキーを彷彿させる懐かしの味。
これを買ったあと、今度はおめあての文房具屋さんへ。
PAPIER TIGRE
お友達と自分の分、ボールペン買う。
すごく気に入っています。
そのあとは当初行こうと思っていたマルシェへ。
赤い靴の子供マルシェ という名前らしい。
昔っからあるマルシェで、ここは屋台も出ています。
買い物したあと有名なクスクスを食べるつもりでしたが、家を追い出され小雪の舞う寒い火曜日のパリの空の下で屋台飯ってなんか侘しいから今日はやめ。
この界隈を歩いていたら昔の記憶がうっすらと。
なんか見覚えのある風景。
あ、この本屋さん知ってる。
ずっと昔に来た。
わざわざ。
ここにしかないノートを買いに。懐かしい。
この仰々しい建物はなんだろう。
旧正月らしきボンボンがぶら下がっているということは中国大使館とか?
(3区区役所でした)
充電中の車。
広場につきます。
タンプル公園です。
マリーアントワネットがベルサイユを追い出されて最初に幽閉されていた塔があったところです。
全く知られていませんが。
小雪が舞ってきました。。。。
寒い。
花屋さんがとにかくオシャレでグッときます。
おめあてはこの本屋さん。
アート系の品揃えが多い有名な本屋さんです。
店内からこっそり撮影。
奥にはギャラリーもあるみたいです。
めぼしいものもないので出ます。
BENTOで有名な「ナナシ」を発見しました。客層はほぼフランス人です。
ずっと歩いてピカソ美術館のほうまで下っていきます。
もう一軒おめあての本屋さんを探していたのですが、あいにくなくなってました。
居抜きの状態でもかっこいいです。
おしゃれに見えてしまいます。
あ。
有名な伝統菓子、ゴーフルのお店「MEERT」。
思わず、買う。
ゴーフル、一枚だけ。
店員のフランス人、旅行客と話すのはウンザリだと言わんばかりに目も合わせてくれなかったけど、定番だというバニラ味を買いました。
古着屋さん。
入ってみたけどお金を払うような価値のない古着ばかりで笑った。
(この近くにある小さなブティックでお気に入りのバックを見つけて取り置きしてもらう)
ランチにします。
今日は決めてました。
家を追い出されてから。
ここしかない、と。
店内、それなりに遅めの時間だったのにもかかわらず大にぎわい。
今日のランチ、まずは熱々のじゃがいものスープ。
大きなどんぶりにたっぷり入っているので、これとパンだけでお腹一杯になりそう。
文句無しに安定感のある味で、絶品でした。
メイン。
わー、お肉だったか。。。。
ちょっともう食傷気味なんで(まだソルトビーフの後遺症は続いている)ガッカリ。
とはいえ、いい感じで焦げ目がついています。
実においしそう。
ナイフをいれるととっても柔らかくてびっくり。
一体これはなんだ??
口に入れる。
うう!なんとこれは、レバーでした!!
特大のレバーが3切れ。絶品!!
香ばしく炭火焼されたレバーの下にはマッシュされたかぼちゃが敷いてあります。
そして形容しがたいコクのあるソースがたっぷりで、いかにもフランス料理!
上に乗ってる野菜が謎でした。
すごく中東テイストなんです。
なんていう野菜なんだろう。
(おなかいっぱい)
フランス人はこれにデザートまで食べるんだからすごいわ。
ごちそうさま~。
なにげに黒板を見る。
むむ!
シェフ、日本人ではないか!!
すごい~。
古き良きビストロ風な店内。
ここよかった。
また来るかも。
(この頃には大家から連絡があり、スペアの鍵を玄関マットの下に置いていってくれるということがわかりホッとしているところです)
18:30に鍵を置きに来てくれるそうなので、あまり遠出せずひたすらマレ地区を歩く。
今度はヴォージュ広場へ。
なんとも美しい広場です。
感動しました。
ここに入ります。
ヴィクトルユゴーの家です。
ヒ~!生々しい!
住居の窓から見下ろすヴォージュ広場。素晴らしい景観にうっとり。
東洋コレクションも圧巻でした。(チャイナの陶磁器)
ヴォージュ広場。
スーパーに寄って食材購入。
本当はマルシェで買うはずだったが仕方がない。
スーパーでたらすっかり宵の口。
ヴィラージュサンポール。
かわいらしい雑貨店。
無事にアパートに入りました。
心の底からホッとしました。
すぐ帰ってくるつもりだったので暖房つけっぱなしだったので常夏みたいに暑くなってて洗濯物は全部乾いていました。
さーて、ソルトビーフ後遺症の胃に優しい食事を作ろう。
野菜たっぷりのスープをじっくり煮て食べる。
優しい味が五臓六腑に染み渡ります。
ソルトビーフの記憶もゆっくりと消えていきます。
さらにフランスのブイヨンが衝撃的に美味しかったのにはとても驚きました。
プロっぽい味に仕上がります。ほんとに。
私はたまに海外でブイヨン買って帰るんです。自分用に。なんでかっていうと日本のチキンブイヨンがあんまり好きじゃなくて海外の方がおいしいイメージがあるからです。トルコでも実は買って試しましたがあっさりしてて普通でした。それでもこのフランスのは格段においしいです。お料理好きのお友達のお土産に買ってもいいかもしれません。
ワインは安くてもそこそこイケました。
パンは無論、言うことなし。
買ってきたバター塗って食べたら「おいしい」と思わず声にしてしまいました。
自炊はアパートの醍醐味。
腕がないので大したものは作れませんが。
今日買ってきたゴーフルは食後に。
すごくおいしかった。
幸せを感じる味がしました。
バニラの質が高いのもありますが、やはりバターがおいしいのだと思います、フランスは。
以上かな。
正直この日はドア事件でストレスでいっぱいな一日でした。
寒いし惨めだし落ち込むし、絶望的な気持ちで歩いた日だったので最後は本当にほっとしました。
そのわりには良く歩いたけど。