世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

おもてなしジャパン 2015

3月に一気に気温が上がって桜が不意打ちのように咲き始めたかと思ったら、4月になった途端に寒くなり花曇りどころか冬の終わりに逆戻りしたかのようなお天気になってしまった。


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日本に来るのがこれで3度目の友人兄と、2度目の来日となった友人妹。一週間半に渡る東京ツアーも昨日で無事に終わった。彼らにとってあいにくの天候だったこの桜シーズンだったと思いきや、もともと天気の悪い国を幼い頃から転々としているせいかそれほど気にしている様子もないようだった。


一番感動してくれたのはやっぱり「うかい亭」。
あいにくの雨も慕情が増して憂いのある風景となり、まるで異次元空間のおとぎの国のようで賞賛する言葉が見つからないとまで絶賛していた。


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うかい亭は高尾山へ。
こちらは鶏肉が美味しいのでガイジンも喜ぶだろうと。
(東京タワーのふもとの「とうふや うかい」も素晴らしいのだけど、お豆腐だけじゃ物足りないかと思ったし、そもそも桜シーズンで満席だった)


彼らは私と一緒じゃない時はとにかく毎日トンカツばっかり食べてたみたいだったから、たまには本来の和食もいい。個人的にはさっぱり優しい味付けの和食にとてもホッとした。





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そのあとは高尾山入口のふもとにあるトリックミュージアムへ。
ああいうの海外には多分ないだろうと思って連れて行ったら案の定ツボ。
生首のトリック部屋では私が生贄役となり、激しい悶絶の表情をしてやったらまあ腹抱えて抱腹絶倒の大騒ぎ。ありがとうございます。そのリアクションがないとやってるこっちも虚しくなるので。




帰りの車の中で朝から仕込んでおいたカステラをおやつに出したらこんどはそのパッケージがかわいいと大絶賛。もちろんカステラの味にも狂喜乱舞。


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鎌倉、鶴岡八幡宮


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大仏。

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日本家屋の一軒家でランチ、中華料理。

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個室は満席だったので広間を予約したものの、HP写真のイメージと全然違ってガッカリ。イマイチだったし高かった。もっと明治大正ロマンのような雰囲気だと思ったのに!写真詐欺だわ。


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雨の日曜日、雨にも濡れず且つ明石からはるばる彼らに会いに来てくれたイタリア時代のお友達がスムーズに東京駅に移動できるようにどこにしようか散々悩んで結局六本木ヒルズでランチ。
ここはたまにランチにくる野菜中心のお店。
メンチカツにいっぱいキャベツが入っていて、ソース以外にポン酢がついてくるところが何より気に入っている。


まあここでも何がおかしかったのか忘れたけど全員で大爆笑し、隣りのテーブルから白い目で見られた。



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ミッドタウンの桜。
前回秋に来た時はクリスマスイルミネーションの時期だったからまた違った雰囲気を満喫できたみたいで、何度もここにきては山ほどの写真を撮り、「今では海外で日本人が写真撮りまくる気持ちがよくわかる」としきりに言っていた。
(1日で1000枚とか撮ってる)


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他にも赤坂の忍者レストランに連れて行っていろんな仕掛けを楽しんでもらったり、焼肉を食べに連れて行ったり(自国と比べてお肉が薄すぎて不満げだった)、カツ丼食べさせたらイマイチな感じだったり(多分半熟卵に抵抗があるのだと思う)、神保町でスープカレー食べさせたりした(辛さのグレードを低めにして注文したつもりが思いのほか辛くてしんどそうに食べていた)。


最後はみんな大好きしゃぶしゃぶナイト。
食べ放題で存分に召し上がっていただいたあとに、こっそり深夜の弊社へ潜入。
そこから見る東京タワーと、誰もいないオフィスのスリル感を味あわせて。



以上、おもてなし週間終わり。



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実は前回も前々回もこの兄妹は自分たちで行動計画を練って来日した。全く手がかからず今回もそうかと思いきや、実際は全くのノープランでやってきた。だからちょっと(というかかなり)慌てていろいろ考えた。


こうやってみるとちょっと手厚いホスピタリティーのように見えるかもしれないけど、彼らは特別。他の人だったら間違いなくここまでしない。


ローマに住み始めて間もない頃、言葉なんか全く分からなくてアジア人というアウェイ感もあって心細くて毎日必死だった私を、広い心とユーモアで接してくれた友人(妹)。モスクワでは彼女の家族に本当にお世話になった。ボリジョイバレエで白鳥の湖を見たし、ボリジョイサーカスで動物の曲芸をみた。モスクワの地下鉄も案内してもらったし、あのあたりではかなり高級そうなレストランでお肉もご馳走になった。全部彼らがアレンジしてくれて、私に一銭も出させてくれなかったので大量に余ったルーブルをどうしようかと思い、たいして欲しくもないロシア民芸の塗り物のお椀みたいなのを空港で買ったりしてルーブルを掃いた。しかもあの頃の自分なんてまだ若すぎて何も考えてなかったし無知もいいとこだったから、何か失礼なことをしたのではないかと今思ってもヒヤヒヤしてしまう。


彼らが後々にこのバカンスを振り返る時、楽しかったと思ってもらいたい。
時間とお金をかけてはるばる日本に来てくれたのだから。
しかもそんなことって人生のうちで何度あるだろうか。
そのうちの数日くらい精一杯誰かのために何かをすることがあってもいい。
私なんてほとんど自分勝手に生きてるからなおさら。


そういうのってつくづく損得じゃない。
ホスピタリティー精神ってやつかな。
友情関係を損得なんかで図ったら終わりだ。



彼女たちも相当疲れただろうから、国に帰ってゆっくり寝て過ごしてくれれば。
しかし彼ら滞在中トンカツ何回食べたんだろうか。
タルタルソースとエビフライの話をしたら名残惜しそうにしてた。