世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

Chez Prune

私は20代の頃はずっとバックパッカーだったので、いつも日焼けしていてTシャツにジーンズ、ビーサンかスニーカーで旅をすることが多かった。だから、スーツケースを軽快に転がしながら、ヒール履いてとてもいい香りをふりまきながら、さっそうと歩く女性旅行客というのにとにかく憧れた。少なくともパリはTシャツにジーンズだとしても、どこかセクシーさとエレガントさが共有していないとフィットしないという勝手な個人的価値観があるので、パリに行く時はきばりすぎない、かっこいいおしゃれをして行くように心がける。






だけど、なんか毎回行ってみると気後れしちゃうのは一体なぜなのだろうか。

自分なんかどんなに頑張っても、パリの人たちにはかなわないような感じがしてしまうのだ。

それはウィンドウの表現一つにしてもアクセサリーの付け方にしても色の配分であったりとかインテリアだったり、度肝を抜かれることが多くて、そんなセンスにとても触発されていい刺激になる。
でも何よりも心地良いのは、
常に斬新で洗練されていて、価値観はどこまでも広く人々はどこまでも自由であること。

判を押したように似たようなものが大量生産され、どこへ行ってもチェーン店ばかりが並び、低年齢層ばかりをターゲットにしたマスメディアがはびこっている東京とは真逆のパリ。





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ここは私のお気に入りのカフェ&ビストロ「Chez Prune」。

サンマルタン運河沿いにあるこのお店は遅くまでランチもサービスしてくれる。インテリアも落ち着いていて居心地が良いのと、何よりお食事が美味しい。初めてパリに来た時に、この界隈に住んでいたスッチーさんの家を数日お借りしたのだけど、その時に教えてもらったとっておきのお店。
以来、パリに来た時は必ず訪れる。


このお店のお料理も度肝を抜かれた経験の一つだったからすごい気に入ってる。
パリに行って定番のものなんか注文しちゃダメ。
「今日のおすすめ」とか「今日のランチ」を頼んで何が出てくるかが楽しみなのだから。
しかも味は絶対に裏切らない。





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<本日のランチ>
生ハムとパスタと野菜の冷製サラダ
なすとパプリカをのキッシュ
細かく刻んだ牛肉を薄い皮で包んで焼いたオーブン焼
(ガラスの器に盛ってある豆はよく分からなかった)

これで確か13ユーロくらいだったかな。


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私のテーブルの横に40代後半くらいのフランス人の4人組が座った。
横に腰掛けた女性のバックや上着がドカッと私の荷物の上に覆いかぶさっていたけど、その女性は全く気にする様子もなくベラベラ喋り続けてアペリティフを飲んでいた。
そういう気遣いのなさもフランス流。


ウェイターさんは私のように一人で食事にくる人にとても親切。
出て行く時にはウインクすらしてくれる。


人々は思い思いのおしゃべりをしながら出ては入り、入っては出て行く。







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カフェはけして安くはないし、物価は毎年高騰し、若年層の失業率はますます高くなる一方で、
フランスはやっぱりカフェ文化が根付いているところだなとつくづく思う。

きっとその分、他のことにはあまりお金をかけないんだと思う。





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多分ね。




Chez Prune
71, Quai valmy 75010 Paris