パリに行ったら必ず訪れるお気に入りのスポットです。
今回は、想像もしなかったものに出会えたのでかなり感激しました。
その興奮を皆さんにもおすそわけできればと思います。
モンマルトルに行くには最寄り駅「ABBESSES」までメトロで行きます。
ちなみに左側のホームの電光掲示板にPorte de la Chapelle行き、と書いてありますが、そこが私が以前一ヶ月住んでいたぼろアパートのあったところです。
パリのメトロの駅は、「駅によってそのホーム内部のデザインが異なる」のが特徴。
これがとにかく最高なんですよ。
メトロ駅めぐりのために一日中地下にいてもいいと思ってしまうほど衝撃的なデザインばかりで。
「パリのメトロは治安が悪くて怖い」という人にこの前出会いましたが、私から言わせてもらえれば、
「バカなんじゃないの?」って思います。
アベスのメトロのホームはこれ。
いかにもパリ!!!!!!!
それにしても「アベス」と書くだけなのに、BだのSが何個も何個もつきますね。
このホームに降りたあたりから次第にテンションが高くなってきます。
パリのありとあらゆるメトロの中で、「ここの駅にくるとワクワクするわ」っていう駅、パリを何度か訪れたことのある方はそれぞれ心の中にあるんじゃないでしょうか。アベスの駅は間違いなくそのうちの一つです。インパクトあります。
では興奮しながらホームを出て地上へ向かいます。
Sortieとは「出口」という意味です。
ダリのポスターもかっこいいですね。パリはほんとにアート好きにはたまらない場所です。
どんどん登っていきます。
壁はタイル張りになっています。
するとエレベーターが登場しました。
地上にあがるにはどうやらそれに乗った方が楽そうでしたし、オランジュリーで立ちっぱなし歩きっぱなしだったので休憩もしたいしお昼も食べなくちゃいけないしでエレベーターに乗りかけたその時に、ふとその脇をみると、何かがチラッと視界に入りました。
はて、と思い見にいくと・・・・。
一面に広がる花畑が!!!!!
写真は全部一発撮りです。
どうぞ、アベスの螺旋階段に広がる、この駅だけの魅力を存分にお楽しみ下さい。
どうですか。
すっかり陶酔し切ってクラクラとしながら螺旋階段を登りシャッターを切るわたし。
歩いても歩いても次から次へと現れる個性あふれる壁画に魅了されてしまいました。
登り切ったところに出てきたのは、あのポスター。
そう。
グラン・パレでスタートしたばかりの大企画展「モネの大回顧展」!!
最後のこのオチは強烈なパンチを私に与えました。
やはりグランパレで2008年に行われたピカソ回顧展では784,000人という恐ろしい動員数を叩き出し、あまりにもの来場者数が押し寄せたため、最後の3日間は24時間解放して動員させたと言われている伝説の企画展。
今回はそれをしのぐのではないかと言われているモネの大回顧展は今回のパリ旅行の目玉の一つ。
ここでも興奮が高まります。
なんたって、モネのお膝元、パリでの開催ですからね。
そう、そしてアベスの駅は「あれ」で有名なところなんですよね。
その説明書きが地上に出る間際の壁に書いてありました。
「あれ」とは、アールヌーボー建築の歴史建造物、ABBESSESの駅のファザードです。
アールヌーボーとは1900年代にギマールという建築家が生み出した当時の新建築様式のこと。
草木などのデザインを鉄骨やガラスといった異素材を組み合わせてデコラティブで立体的な表現を具現化させ、パリ万博の際に一気に建立されたもので、現在もその原型をとどめています。
このレタリック体もギマールのデザインなんだそうです。
しかしまあ、かっこいいですね。
後ろからみるとこんな感じ。
しっかりと町並みに溶け込んでいますね。
広場の周りはとても小さな広場になっていて木々が植えられていて、小さなメリーゴーランドもあります。こういうのもいかにも「パリ」な感じです。
モンマルトルにはこのような「いかにもパリ」な要素がギュッとつまっている、いわば私のようなお気軽な観光客のアドレナリンが高くなるようなスポットがたくさんあるから、だからこそこのように毎回訪れるんだと思います。
(ただし、住むには大変そうです。坂道が多いし夜は治安も悪いし日当りも悪い上に、建物が古いから水回りとか悪そうなイメージがあります。事実、このあたりは家賃も安いです)
18e Arrt とは「パリ18区」という意味だそうです。
私は今回初めて知りました。
少し雨が降った後だったのでこの木の下にあるベンチも濡れていました。
次なる目的地の場所を確認するために、私もここに座って地図を確認しつつ少し休憩。
いかがでしたでしょうか。アベスの駅。
「ホームに降りて地上にあがる」
それだけの行為なのに、このようにたくさんのアートにふれあうことができました。
アベスの駅はパリの観光スポットとしても有名なのはもちろんなんですが、私は何度もここを訪れていた気でいたようで、実際降りたのは初めてだったことに今気づきました。いつもクリシー大通りの方にあるANVERSというメトロの方を利用していたのですが、そこがアベスだと思い込んでいたようです。だから、地下の螺旋階段にこんな風景があるとは全く知りませんでした。パリに関してはもうガイドブックを読むことはなくなりましたが、この建築については有名でもこの螺旋階段アートは全く聞いた事もなかったので、何も知らずに偶然めぐり会えた私はとっても感激しました。
多くの建築物や景色をみてキレイだと思うことももちろんそうなんですが、「日常の景色に感動する」ことが出来るのはやはりパリだけだと思います。しかもこういうアートって、まねごとじゃできないことなんですよね。そう、まねごとじゃダメなんです。
この前ラジオで誰かが言ってたけど、「最後に残るのは自分の個性」なんです。
それがないと、ダメ。
モンマルトルの散歩道、まだまだ続きます。