世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

オランジュリー美術館

パリ2日目の朝はオランジュリー美術館からスタート。

この美術館は前日も訪れたチュイルリー公園の中にあります。前日は夏のようなお天気に恵まれた日曜日でしたが、月曜日の朝はすっかりこの通り閑散としていました。


静かで、ゆっくりと時間が過ぎていて、本来のパリの秋を感じさせるようです。






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大にぎわいだった売店も、人気どころか開店すらしていない。
月曜日ですから、きっと午前中は家でゆっくりしているのでしょう。





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前日は大勢の人が腰掛けていた中央噴水まわりのイスも侘しさが。

背景にそびえたつ建物がオランジュリー美術館です。


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オランジュリー美術館は2000年から2006年という実に長い歳月をかけて修復されました。
私が初めてパリに行ったのはその間にちょうどまたがっているので、これまで一度も訪れる事ができなかった美術館です。初めての美術館・・・それだけに期待も膨らみます。


オランジュリー美術館はもともとルーブル美術館の別館だったそうです。
そのせいなのかどうか分かりませんが、この並木道で密かにつながっています。奥に見えるのはルーブル美術館セーヌ川沿いの方にある建物(ドノン翼)です。



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反対側を向くと、グランパレという建物が見えます。
その下を地下からあがってくる道路があり、車がビュンビュン走っています。このトンネルの向こうがもしかするとダイアナ妃が事故に遭った現場につながっているのでは?

左はセーヌ川が流れています。この日は少し曇っていて小雨が降ったりやんだりしていました。


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オランジュリー次回の企画展の宣伝がかけてありました。


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オランジュリー美術館に到着しました。
さぞかし行列が並んでいるかと思いきや、2,3人しかいませんでしたのですぐ入れました。
ネット予約でチケットを購入した人はスルスルと入場できていました。時代は変わりましたね!


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いきなり1階はモネの睡蓮です。





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モネはこの美術館の完成前に、この合計22枚のパネルからなる8点の作品をフランス国家に寄贈することを申し出ました。長い交渉の末作品の展示室をこのような円形にすることで合意されたのですが、晩年の彼は白内障をわずらい作業はかなり難航したそうです。1927年にこの美術館がオープンした時はすでに彼は他界していたので実際の姿をみることはできませんでした。


やがて時を経て美術館の増築工事などが進むにつれどんどん部屋が上につぎ足され、モネがもっとも重要とした自然光による絵画の演出ができなくなってきたのを受けて6年もの修復をし、このように光を取り入れる設計に戻したと言われています。


採光や照明というのは絵を生かすための非常に重要な役割を担っているのは間違いないようです。




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モネについてはまたあとで。



そして、この美術館はモネだけではなく、なんとすばらしいたくさんの名画が展示されています。
地下に降りると長い通路をはさんだ両側の壁に、ルノワールセザンヌモディリアーニ、ルソー、ピカソマティスなどがずらりと並んでいます。その作品の数も半端じゃない。さすが本場のフランスですね。圧倒的で贅沢なコレクション!

しかもマリー・ローランサンの絵がありました!!感動しました!
昔日本でも流行ってましたよね。子供の頃「幽霊みたいな女の人ばかりで恐い」と思ってたのを懐かしく思い出しました。ありとあらゆる美術館をこれまで訪れましたけど、ローランサンの原画は初めて出会いました。いや~まことに驚きました。


実はこれ、ヴァルテール・ギヨームさんという画商、そして建築家だったジャン・ヴァルテールさんという方のコレクションだったそうです。亡後、奥様(この二人と結婚されていた)が遺産を受け継ぎルーブルに寄付すると申し出たものの当時置き場所がなくてオランジュリーに置かれたのがきっかけとのこと。



これはギヨーム氏のお部屋のミニチュアですが、あまりに精巧にできているので写真におさめてきました。よくできてますね。この部屋に飾られている絵のオリジナルはすべて美術館地下に展示されています。それにしても・・・圧巻ですね。泥棒に気をつけないと!家政婦さんとかも気をつけて。


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シャイム・スーティン(1893ー1943)
「若いイギリス女性」

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モーリス・ユトリロ(1883ー1955)
「メゾン・ベルノ」


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どちらも初めて聞く名前の画家でしたが、みごとな作品でした。スーティンの絵は何か言いたい事があるような、そんな絵画でしょう?ユトリロの方は見ているだけでつい引き込まれるような世界があります。私は昔からこのような町並みの風景を切り取ったような絵が大好きなんです。あったかくなるような気持ちにさせられます。どちらも立ち去りがたいほど惹かれました。


気づいたらあっという間にお昼をとっくに過ぎて2時近くなっていたので慌てて美術館を出ます。
次のプランがあるのです。








外を出るとこのような並木道がまた登場します。オランジュリー美術館の並びにあるこの場所からはあらゆるスポットが見える穴場になっています。


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たとえば遠くに凱旋門



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コンコルド広場も全景をしっかりとらえてみることができます。



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噴水すらもバロックな感じがします。


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また、このあたりはジョギングスポットらしく、このようなランナーが山ほどおりました。



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オランジュリー美術館はそれ自体もすばらしかったのですが、それを取り囲む町並みも完璧。

ちなみに月曜日に開館している、パリでは稀な美術館なのでぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
ただし当然混むでしょうから、混雑を避けるためには朝早く行く事をお勧めします。
または、他の方がやられていたようにネットでチケットを購入しておくとスムーズに入れるかもです。


チケットたったの1000円でこれだけの充実感を満喫できるのですから、さすが芸術の都パリですね。