世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

ノートルダム寺院の楽しみ



パリに行ったら真っ先に訪れるスポット。



ベタベタな観光スポットなんだけど、やっぱりあの薔薇窓のステンドガラスを見ると「パリにきた」って実感する。


私が最初にパリを訪れた時は7月のあたま。

長い寒い春を抜けてようやく一足お先に夏も訪れていた。

そして一番最初に向かったのが、ここ、ノートルダム寺院だった。夏の日差しがとても強くて、薄暗いロンドンにいた私にはそれが何より気持ちよかった。セーヌ川だってその陽射しに反射してとても眩しい。河岸の古本屋だってポン・ヌフだってどことなく元気だ。暗いフランス映画の気配はどこにも感じない。


パリの夏はとても開放的。




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私はこういうベタな観光スポットは嫌いじゃない。
こういうところを散歩しながら、私のように観光にやってくる外国人のさまざまな言語を耳にしたり、例えばブラジル人がたくさんの親戚に手頃なおみやげを大量に買う姿をみるとローマを思い出して懐かしくもなる。





私がノートルダムに行く理由がもう一つ。
ノートルダムの裏側の外観もとてもクールでかっこいいからである。正面はあんなお弁当箱みたいに死角ばっているくせに、裏側はとってもギザギザしているそのギャップにやられる。そして何といっても夏はこの庭園にたくさんの花が色とりどりに咲き乱れる。低い庭木の下にはベンチがたくさん置いてあるので、バゲットサンドとガスウォーターを買ってきて、ここでランチをするのが大好きだ。もう3回くらいはそれを繰り返している。表通りの喧騒とは異なるその庭で、ノートルダムのギザギザを眺めながら、のんびり過ぎる時間に身を任せるのだ。



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私はどんな小さな町に行っても教会があれば、なるべくお邪魔してみることにしている。

教会はなぜかホッとする。

異教の外国人が顔を覗かせてもその懐の広さを感じる何かがそこにはある。

都市によって教会の様式も異なるのでそれを比較するのもおもしろい。




例えばベルギーのブリュッセルにあるサンミッシェル寺院の外観は、パリのノートルダム寺院と全く一緒。
唯一無二のノートルダムと思っていただけにとてもショッキングだった。


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そんなふうに教会を訪れることも多いので、夏は必ずスカーフを持参するようにしている。

ノースリーブで中に入ることはさすがに抵抗がある。

厳粛なカトリックの国、イタリアですっかり身についたマナーである。








パリだったらまずノートルダム寺院に真っ先に向かう。


同じようにローマだったらまっすぐにバチカンへ向かう。



ミケランジェロピエタを見て(行列がなければ)ペテロの足をさすり、祭壇に掲げられている大椅子の上を飛ぶ白い鳩を仰ぎ見ながらとても厳粛な気持ちになり、またここまでたどり着いた自分のルーツをひしひしと感じるのだ。


こうやって書くと、まるで密やかな儀式みたいだ。


だけど、それが私の小さな決めごとなのである。


なんか分からないけど、それをしないとどうにもこうにも何も始まらないような気がするのだ。