世界ふらふら放浪記

雑記と人生の備忘録

犬ぞりと雪解け水のコーヒー

サーリセルカ村でオーロラは見れなかったけど、もう一つの忘れてはならないアクティビティはこれ。


日本から申し込みをしました。
もうワクワクしてたまりません。

さて、ホテルを出て歩いてすぐそばにある犬ぞり受付所に行く。
防寒着は全てレンタルさせてくれます。
耳を必ず防備してくださいと言われました。以前訪れた日本人のオジサマが耳あてをしなかったために凍傷になっちゃったんだって。しかも走ってる最中に小枝で切れ切れになっちゃったんだそうです(ホラー)。


フィンランド、サーリセルカの犬ぞりの犬たちはハスキー犬ではありません。
雑種みたいな小柄な犬たちが8匹くらいでそりを引っ張ります。
そりの上にはトナカイの毛皮で出来たひざ掛けも用意されています。
そして我々だけでサーリセルカの森の中をを犬にまかせて走ったらどこに連れて行かれるか分かりませんので、地元ガイドのお兄さんがスノーモービルで誘導してくれます(ちょっと離れたところから見守るかたちで)。


出発の前にそのお兄さんのアドバイス

「犬たちは三角形で走ります。その一番先頭を走っているのは犬たちのボス。末端は弟子。彼らも頑張りますが、時々先頭のボスがチラッと後ろを振り向いた時はそりをこぐのを手伝ってあげて下さい。スピードが落ちるとそうやって睨んできますから。」

つまり、サーリセルカの犬ぞりは、犬任せじゃなく二人三脚でそりをこぐのです!


では出発!


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いや~、寒い。

寒いけど、キレイ。


犬たちの静かに走る音とそりの滑る音しか聞こえません。


普段ちまちまと生活していると全く感じないことなのですが、

サーリセルカのような場所にいると、自分が地球の表面に足をついていることが実感される。


樹氷がこれだけ立ち並ぶ雪景色に、心の底から感動してしまいました。




(なんかやっぱり絵本の世界みたい・・・と、いつものように一人瞬間白昼夢に突入)




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しばらくして走ってるとそりのスピードがちょっと落ちてきた。
すると・・・ボスが「チラッ」と後ろを振り返った!!まずい。。。機嫌が悪くなっている。
弟子たちも頑張って走っているので、私たちも必死にそりをこぐのを手伝ってあげる。
しかもボス、結構振り返る回数多いんですよね(厳しい~!笑)。
ちなみにボス以外はけして振り返りません。すごい縦社会です!





ガイドのお兄さんが山小屋で休憩を取ってくれました。



「ちょっと待っててください」というと、ガイドさんがスノーモービルでブイィーンとどこかに行ってしまう・・・(不安)。
その間、そのお兄さんが焚いてくれた火で暖を取って待っていたのですが、その間犬たちと触れ合おうと思って外に出てみました。すると犬たちはじゃれあうこともなく黙々と立っている。しかも驚くことに、全く愛想がないんです。私が撫でてやってもうんともすんとも言わず。つまり、南極物語のタロとジロみたいな友情は成り立たない。ある程度飼いならされているけれど、どうやら単に本能を調教しているだけのよう。ペット犬として飼いならされているわけじゃないんです。


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しばらくするとお兄さんが戻ってきた。


「このそばに小さな川があって、そこから新鮮な雪を持ってきたんだ。これでコーヒーを淹れるからね」

そして手にしていた水筒をそのまま火にかける。
そしてトナカイのハムで作ったシンプルなサンドイッチを振舞ってくれました。


・・・こんな演出ってニクすぎる。


しかもそのコーヒーが美味しいのなんのって(ジーン・・・)。

山小屋で火の灯りをジッと見つめながら三人でサンドイッチとコーヒーを飲む。




外ではあの犬たちが遠吠えを始める。
「彼らは走りたくて走りたくて仕方がないからああやって鳴くんだ」

この声がまたしんしんと雪降る森の中の静けさの中に吸い込まれていくような感じなんですよ。


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休憩を終えてそりに乗り込み(次は私も漕ぎ手に挑戦)、まだ午後の2時だというのに暗くなり始めた森の中を進む。感動的な風景だったなぁ~・・・。


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オーロラ見れればもっと良かったかもしれないけど、一生縁も所縁もないであろうサーリセルカという小さな村に行って犬ぞりだけでもすごい印象的な経験でした。



世の中なんにでも言えることだけど、楽しくしたかったら受け身じゃだめで、ある程度自分でそれを掴むような努力をしないと常に欲求不満なままになっちゃうから。他人に言うことは優しいけど、自分で実践することはたやすいことではないにしても。

探究心と好奇心はいくつになっても失いたくないとつくづく思うし、自分にも再確認。



チャオ。


P.S 写真、よけいなところを手で隠して森だけみるといかに神秘的だったかがちょっと分かるかも。